いらないIPOに当選してしまった・・・辞退した場合のペナルティは?

新型コロナウィルスに端を発した暴落で世界中の株が大きく値を下げています。

急激な下げで私が経験した下げの中でもリーマンショックやライブドア・マネックスショックの際の新興株に匹敵するレベルです。

通常の調整程度の下げならばIPOに資金が回ってきていつもより上がりやすくなりますが、今回は違います。

3月になってから3月16日までに新規上場した11社のうちプラスとなったのは2社だけという散々なもの・・・

そんな厳しい相場の中で久々にIPOに当選してしまったのです。

大和証券でチャンス当選した「ヴィス」です。

実は「ヴィス」に前職で仕事をお願いしたこともあり、その際の印象も良かったのです。

それもあり個人的に高評価だったんですよ。

しかし、この地合・・・

私と同じように当選した方の中には辞退したいけどペナルティなどのリスクが気になっている方も多いでしょう。

今回はそんなIPOを辞退する際のリスクについて考えてみたいと思います。

IPO当選後の辞退にペナルティを公言している3社

こんな相場ですからIPOに当選したとしても辞退したくなっている人が多いと思います。

では辞退したらどういう扱いになるのでしょう?

まず、表の時点でペナルティを公言している証券会社が3社あります。

SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、岡三証券です。


SMBC日興証券のペナルティ

まずはSMBC日興証券です。

主幹事も多く、IPOに挑戦する方の中ではおなじみの証券会社ですね。

SMBC日興証券はIPO当選後の辞退について以下のように回答されています。

日興イージートレードの募集申し込み期間中に行っていただくことが可能です。ただし、当選を辞退されるとその後のご利用について以下の制限を設けさせていただきますのでご注意ください。

当選を辞退された場合、翌日よりイージートレードから新たな需要申告のお申込みが出来なくなります。新たな需要申告のお申し込みは、辞退された日の一か月目の応当日翌日から可能です。また、既に他の銘柄で需要申告を行っている場合、すべて無効となりますので予めご了承ください。

・ 既に行っている需要申告がすべて無効となります(募集申し込み分は取消しされません)。

出所:SMBC日興証券 よくある質問「当選後のキャンセル(辞退)はできますか、またその期限はいつまでですか」より

つまり、辞退自体は問題なくできるけどペナルティがあるってことですね。

具体的には1ヶ月の間、需要申告(IPOの申込み)自体ができなくなります。さらにすでに申し込み済のものも無効となります。

しばらくIPOに挑戦するつもりがないなら問題ないのでしょうが・・・

三菱UFJモルガン・スタンレー証券のペナルティ

次は三菱UFJモルガン・スタンレー証券です。

こちらは主幹事自体は多くありませんが、口座数が少ないのか比較的当選確率が高くIPOに挑戦する方の中でも人気の高い証券会社ですね。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券ではIPO当選後の辞退について以下のように回答されています。

当初当選をした場合で、購入辞退や購入手続期間内に購入しなかった場合は、オンライン申込のご利用を原則一定期間(2020年3月時点では、発生日より 1 ヶ月間)、制限させていただき、抽選前の申込中の新規公開株式(IPO)の案件は全て取消しとなります(発生日に当初当選(繰上当選/追加当選)となっている申込みは、「申込取消」になりません。)。
ただし、「お取引店での購入希望申込」は可能です。
注)繰上当選、追加当選、一部購入には、ペナルティ(利用制限)はありません。
出所:三菱UFJモルガン・スタンレー証券 新規公開株式(IPO)「インターネットトレードやスマートフォンサービスで購入希望申込みをした新規公開株式(IPO)を購入辞退した場合のペナルティ(利用制限)とはどういうことですか。」より

こちらもほぼSMBC日興証券と同様ですね。1ヶ月間オンラインでのIPOの抽選対象外となります。

購入辞退だけでなく購入手続期間内に購入しなかった場合もペナルティの対象となります。

よくあるのが当選に気づかず申込みを忘れるケースですね。

私も何度か経験ありますのでご注意ください。

ただし、店舗での購入希望申込みは可能ですし、繰上当選、追加当選、一部購入には、ペナルティ(利用制限)はありません。

岡三証券のペナルティ

次は岡三証券です。

岡三証券もそれなりに幹事や主幹事がありますのでIPOに挑戦する方の中ではおなじみの証券会社ですね。

岡三証券ではIPO当選後の辞退について以下のように回答されています。

当選した株式の、購入申込の辞退をした場合、当選株式数未満の購入申込をした場合、購入申込日に購入手続きが行われない場合、以降の岡三のオンライントレードを利用したお申込を受付けない場合があります。

出所:岡三証券 オンライントレードでの注文(新規公開株式(IPO))「新規公開株の注文の取消、訂正はできますか?」より

岡三証券の場合には特に期限は設けておらず、以降のIPOを受け付けてもらえない可能性があるという厳しい内容となっています。

岡三証券でIPOを今後も利用したいなら多少損をしてもIPOで当選したら購入した方が方がよいかもしれませんね。

そもそも応募の時点で選りすぐる必要があるかもしれません。

また、岡三証券も辞退だけでなく購入申込み忘れでもアウトですからお気をつけください。

今回のような地合の急激な悪化は予想しづらいですが・・・

そもそもIPO当選後の辞退ができない証券会社

また、そもそも当選後に辞退ができない証券会社もいくつかあります。

これは「後期型」と言われる証券会社でIPOの抽選がそもそも購入の申し込みをもって行われます。

そのため、基本的に当選したら即購入となりますので辞退が不可能なのです。

例えば楽天証券では以下のように掲載してあります。

購入申込後は取消を行うことが出来ません。また、購入申込時点より「公開価格×購入申込株数」分のご資金を抽選結果が出るまで、拘束させていただきます。

出所:楽天証券 ブックビルディング参加・購入のお手続きより

申し込みをする時点でより慎重に検討する必要がありますね。

後期型でも岩井コスモ証券は辞退可能?

ただし、同じく後期型でも岩井コスモ証券は以下のような記載がありましたので辞退も可能なようです。

当選の辞退(キャンセル)があった場合の取扱いは、当該数量を対面等取引をご利用のお客様への配分に組入れることといたします

出所:岩井コスモ証券 新規公開株「ネット取引をご利用のお客様」より

ペナルティを公言していないが裏ペナルティがあるケースも

表立って購入辞退のペナルティを公言していませんが、実は裏ではペナルティを設けているケースもあります。

例えば私の経験上で以下のケースがありました。

辞退しないほうがよいと忠告されたケース

某社は購入の申込みを忘れていたら親切に電話してくれました。

そこで辞退を申し出ると

今後のIPOの抽選を考えるなら辞退しないほうが良いですよ

と言ってきたのです。

おそらくこの証券会社は裏のペナルティがあるのでしょうね。

ただし、これ電話掛けてきたセールスマンの暴走の可能性も考えられますので社名は伏せておきます。

辞退してから一度も当選していないケース

また、私が辞退したことがある某社は以降一度も当選していません。

ネット上では多くの方が当選していたり、補欠になっていたりするケースでもまったくかすりもしなくなっていますのでこちらも裏ペナルティの可能性があります。

こちらも私が単に超絶運が悪いだけかもしれませんので社名は伏せておきます。

つまり、公言していない証券会社でも裏ペナルティがある可能性がありますので辞退は慎重にされた方がよいでしょう。

購入を忘れていても当選するケース

逆に当選したことを気づかず流してしまったことがある某証券会社はそれ以降も当選していますので裏ペナルティはないと思われます。

IPO当選後の辞退:まとめ

今回は「暴落相場でIPOに当選してしまった・・・辞退した場合のペナルティは?」と題してIPOに当選した後に辞退するリスクについて見てきました。

表だってペナルティがある3社は当然ですが、それ以外の証券会社も裏ペナルティが存在している可能性もあります。

辞退する方はそのあたりのリスクをしっかり理解した上で検討したいところです。

今後も厳しい地合が続く可能性も高いですから、当選したら必ず購入するものだけに抽選に参加するくらいがちょうど良いのかもしれませんね。

なお、IPOを始めたいなら以下の証券口座を作っておくと良いですよ。

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