株主番号について解説。継続保有と判断されるために知っておきたい株主番号が変更される条件は?

株主優待の条件等を変更する企業が増えてきています。

その中で最近多いのが継続保有を条件とする変更です。

月曜から夜ふかしで話題となった桐谷さんの登場で株主優待目当ての人が増えたこと。

クロス取引で株主優待だけをゲットしようって人が増えてきたことも大きいのでしょうね。

私も株主優待目的で保有しているGMOインターネットは2021 年 6 月末日を基準日とする株主優待制度から1 単元(100 株)以上を 6 ヶ月以上継続保有が条件と変更になることが先日発表されましたね。

継続保有を条件とすればクロス取引で一時的に株を保有して株主優待をゲットする人などを排除することが出来ますしね。

それでは長期保有(継続保有)はどのように判断しているのでしょう?

それが株主番号です。

今回は株主優待狙いなら知っておきたい株主番号について解説していきます。

株主番号とは

株主番号とは名前の通り、株主を管理するために株主一人ひとりに番号を振っているものです。

100株保有している人も10,000株保有している人も株主番号は一つとなります。

通常はそれほど意識するようなものではありませんが、株主優待の継続保有の確認などは株主番号ベースで管理している企業がほとんどです。

なお、複数の証券会社で同一の株を保有していても株主番号は一つだけです。

そうでないと複数の証券会社で一単位ずつ保有して株主優待を受け取るなんてことが発生してしまいますしね。

同一住所、同一氏名で1つの番号となっています。

株主番号を調べる方法

それでは株主番号はどうやって調べればよいのでしょう?

これは簡単です。企業から送られてくる配当金の明細書株主総会の招集通知など企業から送られてくる郵送物に記載されていますのでそちらで確認できます。

また、その企業の株主名簿管理人である信託銀行で確認することも可能です。(本人確認が求められますが)

なお、企業の株主名簿管理人は会社四季報を見れば書いてあります。

[名]となっているのが株主名簿管理人のことで[名]◯◯信とか書いてありますね。

会社四季報はSBI証券や楽天証券などの証券会社の口座を持っていれば見ることが出来ます。




株主番号が変わる条件とは

継続保有として判定されるためには同一の株主番号である必要があります。

それでは株主番号はどのような条件で変わってしまうのでしょうか?

意外な盲点もありますのでご注意くださいね。

全株売却した場合

まずわかりやすく変わる可能性が高いのが一旦すべての株を売却した場合です。

よく株主優待をより効率よく貰うために株主優待の権利が確定したら一旦売却して、また株主優待権利確定前にその株を買い戻す方もみえますが、このケースだと継続保有と判定されない可能性が高いです。

株主名簿のメンテナンスのタイミングは企業により異なる

可能性が高いとしているのは信託銀行や企業によって株主名簿の管理のタイミングが違うためです。

そのタイミングによっては全株売却しても株主番号がそのままのケースもあるのです。

配当や株主優待のタイミング(権利確定日)や株主への招集通知の送付前のみ確認しているなど年に1、2回しか株主の管理をしていないところもあれば、こまめにメンテナンスしているところもあるようです。

どのタイミングでメンテナンスをしているのかは基本的に公表していませんので、もし確実に継続保有と判定されたい考えるなら全株売却するのは辞めて最低単元だけでも保有しておきたいところですね。

企業によっては尋ねれば株主名簿のメンテナンスタイミングを尋ねると教えてくれるところもあるようですが・・・

損だしや益出しを行うときも同様ですから注意が必要です。

貸株サービスの利用には注意

意外な盲点となってしまうのが貸株サービスです。

貸株サービスとは証券会社に投資家が保有している株を貸すサービスです。

証券会社は信用取引などで空売りをする投資家に対して株を貸します。

その株を投資家から借りているケースも有るのです。

この場合には証券会社から投資家に対して「貸株金利」を受け取ることができます。

貸株は保有している株を貸すことで金利を得ることができますので非常にお得な制度ですが、貸株を行うことでそのタイミングによっては株主番号が変わってしまうリスクがあるのです。

これを回避するには「優待権利自動取得サービス」などを利用するとよいでしょう。

株券はすべて貸出しますが、株主優待のタイミングで一時的に貸出しを解除し、株主優待の権利を取得します。

権利落ちになったら、再度自動で貸出手続きをするということが可能です。

優待権利自動取得サービスは継続保有の判定まではみていない

ただし、継続保有の件は「優待権利自動取得サービス」を使っても絶対ではありません。

SBI証券の貸株の重要事項にも以下のような注意書きがあります。

※継続保有や長期保有特典などを実施している銘柄については、権利確定月の他に基準日が設定されている場合は基準日においても株式を返却させていただいております。株主優待の権利取得は、権利確定日における株式の保有だけでなく、保有期間、保有株数等の条件が付随する場合があります。そのため、「優待権利自動取得サービス」は、必ずしも株主優待の付随条件には対応していない場合もあります。銘柄毎の優待条件(優待取得に必要な基準日)は考慮していないため、株主名簿への同一株主番号による記載の連続性が途切れることもあり、保有期間に応じた株主優待の対象とならない可能性もございますので、付随条件のある株式の株主優待取得ご希望の場合には、必ずお客さまご自身で各発行会社の株主優待内容をご確認のうえ、貸出しや返却のご指示をご自身で行なっていただきますようお願いいたします。なお、貸出し解除期間中は貸株金利が付与されません。
出典:SBI証券 HELP 重要事項より

確実に継続保有となるには自分の判断で貸株の解除などを行う必要があるんですね。

これはSBI証券だけの話ではなく、他の証券会社も基本的には同じです。

自動優待取得設定のサービスは年4回の東洋経済新報社の株主優待権利確定日情報を元にしています。そのため、長期保有期間に応じて受け取れる株主優待や、その時限りの株主優待(上場記念や特別な配当や優待)などに関しては、自動優待取得とならない場合がございますのでご注意ください

出典:auカブコム証券 貸株サービスをご利用のお客様へご注意事項がございます。

ですから株主優待の継続保有特典を狙う方は貸株にご注意くださいね。

この話を回避にするには貸株サービスを解除しておくのが一番簡単かもしれません。

ただし、当然ながら貸株を解除すれば金利はもらえなくなりますから、継続保有特典をとるのかのトレードオフですね。



株主番号を継続するための裏技

簡単な裏技で株主番号を変更せず継続保有と判断される方法があります。

それは少しだけでも株を保有し続けることです。

最近はいろいろは証券会社で端株で購入することができます。

それを利用して少しだけはずっと残しておくのです。

前述したように複数の証券会社で同一の株を保有していても株主番号は一つだけです。

ですからそれを利用して1株だけとか1単元だけとかどこかの証券会社で保有しておくのです。

そうすれば一旦売却(損だし、益出し含む)や貸株の問題もクリアして継続保有が可能となります。

ただし、中には◯株以上◯年継続保有となっている企業もありますのでその場合はこの方法でも回避ができない可能性もありますので、予め条件等をよく確認してみてください。

どこまで厳密に判定しているのかはその会社によります。




まとめ

今回は「株主優待狙いなら知っておきたい株主番号について解説。継続保有と判断されるために知っておきたい株主番号が変更される条件は?」と題して株主優待狙いなら知っておきたい株主番号について見てきました。

まとめると以下の通り。

  • 株主優待に継続保有の条件を付ける企業が増えてきた
  • 継続保有の判断は多くの場合、株主番号ベースで行っている
  • 株主番号は株を全株売却したり、貸株で変わる可能性がある
  • 1株だけ保有するのがおすすめ

ぜひこのあたりを意識して損しないようにしたいところですね。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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