10月5日にジャスダックに新規上場します大阪油化工業の財務分析をしてみたいと思います。
大阪油化工業が10月5日上場
大阪油化工業が上場する10月5日はウェルビー、MS&Consultingの2社も同日上場となります。
そのためある程度、資金が分散してしまうリスクがあります。
また、北朝鮮問題やトランプ関連、安倍政権の忖度問題、衆議院選挙などで一気に地合が悪くなる可能性もはらんでいますので注意が必要です。
なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。
大阪油化工業のビジネスモデル
大阪油化工業の事業内容は各種素材の精密蒸留精製となっています。
大阪油化工業のビジネスモデル
大阪油化工業は化学物質のわずかな沸点の差を利用して混合物から目的とする物質を分離・精製する精密蒸留を主な事業としています。
出所:大阪油化工業目論見書より
ビジネスの内容としてはわかりにくいですが使用製品例をみるとイメージ湧きやすいですね。
強みとしては研究開発支援から受託加工、プラントサービスまで包括的にサービスを展開できることのようです。
出所:大阪油化工業目論見書より
大阪油化工業の収益性
売上高総利益率
次に粗利の部分にあたる売上高総利益率からみていきましょう。
売上高総利益率をみることでその企業の商品力をみることができます。
27年度37.68%
28年度48.12%
と大きく良化しています。
売上げは下がっていますのでこの利益率の改善の理由が知りたい所です。
一応目論見書には有償支給案件の減少により材料費が減少したとあります。
これが一時的なものなのか継続的なものなのかにより判断が変わりそうですね。
過去と比較してもかなり急で上場前の急激な改善はちょっと気持ち悪いところではあります。
売上高営業利益率
次に本業の儲けを表す売上高営業利益率です。
27年度12.99%
28年度21.14%
こちらも前年より大きく良化しています。
こちら改善した大きな要因は前述の原価の低減によるものです。
売上高経常利益率
次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。
27年度12.73%
28年度21.03%
こちらも売上高営業利益率と同様になっています。
支払利息の割合も低めです。
28年度はそれなりに大きめの固定資産除去村がありますね。
売上伸び率
売上げの伸びはこんな感じです。
27年度+4.46%
28年度ー0.06%
と28年度で下がっています。
直近では24年度が1番売上げが大きくなっており伸び悩みが見えます。
収益性まとめ
売上げは伸び悩み、収益性は改善していますがちょっと要注意
大阪油化工業の安全性
流動比率
次に短期的な支払能力をみる流動比率です。
27年149.53%
28年191.50%
と大きく良化しています。
売掛金や棚卸資産もそれなりにありますが半分くらいは現金預金であり、資金繰りで当面問題になることは想定しにくい感じですね。
期末製品たな卸資産が増えているのはちょっと気になる所。
自己資本比率
総資産に占める自己資本の比率である自己資本比率はどうでしょう?
27年66.3%
28年74.9%
と大きく良化しています。
これは利益が大きく上がっていることが大きいでしょう。
キャッシュフロー
キャッシュフローは28年度は
営業活動がプラス
投資活動がマイナス
財務活動がマイナス
となっています。
27年度は
営業活動がプラス
投資活動がマイナス
財務活動がちょっとプラス
となっています。
また、フリーキャッシュフローは27年度、28年度ともにマイナスでありちょっと問題ありな感じですね。
つまり、本業で稼いだお金を投資に回してるけどちょっとお金が足りなくて手持ちが減っている状況といえばわかりやすいでしょうか・・・
安全性まとめ
安全性は悪くはありませんがちょっと気になる点もあります。
大阪油化工業の株価
PER、PBR
PER、PBRをみると割安感はあります。
しかし、成長性がないことが気になりますのでバリュー投資として考えられるかどうかでしょうね。
既存株主
ベンチャーキャピタルなどは見当たらないため上場後の大きな売り上玉はそれほどないと思われます。
ストック・オプションも少量なのであまり気にするほどではないようです。
まとめ
今回は大阪油化工業の財務を中心に分析してみました。
業績の伸びはちょっと止まってしまっている株です。
28年度の収益性の改善が一時的とみるか継続的と見るかで判断がわかれそうですね。
私ならちょっと様子を見る感じですね。
もちろんIPOがあたれば喜んで買いますがそれ以外では買わない感じになりそうです。
次回は初値予想をしてみたいと思います。
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