給料入金時の通帳摘要欄が変わったら危険?。知っておきたい「給与振込」、「総合振込」、「振込」、「振替」の違い

読者様からご質問をいただきました。

今回はこの件を見ていきます。

いただいた質問を要約すると以下のとおりです。

記事にあったとおり、給料の振込の名称が変わっているようです。もしかしてうちの会社の資金繰りは厳しくなっているのでしょうか?
下記記事をご覧いただいての質問だと思います。

給料入金時の通帳摘要欄の名称が変わっているのが資金繰りと紐づくかというご質問ですね。

結論から言えば給料支払者が締め切りまでに処理が間に合わなかったか、資金繰りが厳しくなった可能性が高いです。

具体的には今までは「給与振込」という仕組みを使って支払いをしていたのにその月は「総合振込」もしくは「振込」、「振替」に変わっているのです。

今回はこの件について見ていきましょう。

給料や賞与入金時の通帳摘要欄が変わったら注意が必要かも

それでは給料や賞与入金時の通帳摘要欄の件を詳しく見ていきましょう。

通帳摘要欄の名称の違い

まずは大前提となる通帳摘要(お客様メモ)欄の名称の違いを見ていきましょう。

振込方法によって名称が異なってくるんですよ。なお、銀行によって多少違いがあります

具体的には以下のような形で表記されます。

給与振込:給料もしくは給与(キュウヨ)、賞与

総合振込、振込:振込(会社名)

つまり、給与振込で処理されると給料もしくは給与と記帳されているはずなのです。

給与振込の手数料は安い

通常、給料の振込をする場合「給与振込(給与賞与振込)」という銀行の仕組みを使います。

なぜならば給与振込はかなり優遇されており、手数料が安いんですよ。

ですから通常ならば給与振込を使わない手はないはずなのです。

例えば三菱UFJ銀行の振込手数料は以下のとおりです。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

振込手数料
給与賞与振込同一支店あて振込無料
当行本支店あて振込110円
他行あて振込330円
総合振込当行あて振込330円
他行あて振込660円
振込当行あて振込330円
他行あて振込660円
振替当行あて振込無料

出所:三菱UFJ銀行 「ご利用料金」より 2020年6月15日時点 3万円以上を抜粋

一目瞭然で給与振込の手数料は他と比較して安くなっています

例えば他行あて振込では総合振込や振込では6600円なのに対して330円ですから半額ですね。

これはかなり大きいです。

とくに従業員数が多い会社ではこの金額の差は馬鹿にできないものがあります。

ただし、給与振込や総合振込を利用するには基本料金が掛かりますので、従業員が数人の会社は逆に高くなるので始めから利用していないと思います。

ちなみに三菱UFJ銀行の基本料金は総合/給与 振込サービスが3,300円/月です。

月に10件くらい振り込めば元は取れる計算ではあります。

給与振込は締め切りが早い

ただし、給与振込には2つデメリットがあります。

今回のケースなどはこのどちらかのデメリット部分を考慮して振込方法を変えた可能性が大きいのです。

まず一つ目は給与振込は手続きの締め切りが早いということです。

例えば前述の三菱UFJ銀行の場合は「3営業日前18:00まで」と決まっています。

※承認締め切り時間延長サービスを使うと「2営業日前10:00まで」に延長も可能です。(月額5,000円)

通常の振込なら当日でも可能ですし、総合振込でも「前営業日前18:00まで」可能となっています。

ですから今回のケースでは給料支払担当者がなにかの都合でこの締切りまでに処理が終わらず「総合振込」もしくは「振込」、「振替」で処理した可能性も考えられるのです。

この場合は処理の問題だけですから資金繰りに問題があるかどうかはわかりません。

特に昨今はテレワークや在宅勤務、休みの関係などで給与支払担当者の処理が難しいケースも想定されますしね。

資金が必要となるのも早い

もう一つのデメリットは資金が必要となるのが早いことです。

一般的に給与振込の場合には「振込指定日の2営業日前」に資金を入れて置く必要があります。

つまり、ある程度余裕をもって資金を用意しておく必要があるってことです。

例えば会社の資金繰りが逼迫している状況になると入金したお金で給料を払うようなケースが出てきます。

しかし、振込指定日の2営業日前にお金が必要となるとそれができなくなりますから、給与振込をやめて他の方法での振込を考えるのです。

つまり、今まで給与振込をしてくれていたのに急にそれ以外の方法での振り込みとなっている場合は資金繰りが切迫している可能性があるということです。

もちろん前述の締め切りの話のありますので一概には言えませんが・・・




給与振込でない弊害

実は給与振込を使われないと従業員側に少しデメリットが生じるケースがあります。

銀行の特典が受けられない可能性

多くの銀行は給与振込を自行の口座にしてもらうことに対して特典をつけています。

例えば東京スター銀行では給与振込口座に指定すると金利が通常0.001%なのが0.1%と100倍になります。

このように多くの銀行では給料振込口座に指定をすることに特典が与えられているのですが、通常の振込や総合振込で処理されると給与かどうかの判断ができずに特典がいただけないということもありえるのです。

ただし、その旨を銀行に説明すると通常の振込や総合振込でも特典をつけてくれるケースもあります。

入金時間が遅くなるかも

また、入金時間もズレが生じる可能性があります。

給与振込や総合振込の場合は事前に資金が拘束されますので基本的に朝イチに銀行口座に入金されています。(銀行によっては0:00の時点で入金されるケースもあります)

しかし、入金があってから振込処理をするとなると多少タイムラグが生じる可能性があるのです。

現在は多くの銀行がモアタイムシステムという24時間365日いつでも他行口座への振込に対応した新システムに対応していますので入金処理も早くなっていますが・・・・

詳しくはこちらの記事を御覧ください。





総合振込、振込、振替の違い

参考までに給与振込以外の振込方法との違いを見ておきましょう。

総合振込とは

総合振込とは一括して振込処理をする仕組みです。

取引先が大量にいるような企業では1件ずつ振込処理をするのは現実的ではありません。

ですからまとめて振込処理をする総合振込という方法が取られます。

基本的には給与振込と仕組みは似ていますが、手数料が高いこと、資金の拘束や処理の締切日が少し給与振込より緩くなっているのが特徴でしょう。

処理の締切日

前述のように三菱UFJ銀行の場合には給与振込では「3営業日前18:00まで」に処理が必要ですが、総合振込では「前営業日前18:00まで」と2日余裕があります。

資金の準備

資金の準備も少し余裕があります。

給与振込では「振込指定日の2営業日前」に資金の用意が必要ですが、総合振込では「振込指定日の前営業日まで」と1日余裕があります。

この差は大きいですね。

振込・振替とは

振込は送金先ごとに1件1件処理をする振込方法です。

一般的な振込方法ですね。

ただし、大量に振込を行う企業として考えると給与振込と違って手数料のメリットもありませんし、総合振込と違って大量に処理できるわけではありません。

つまり、通常は急な支払い以外は使われない方法となります。

しかし、振込の場合にはその場で処理をすればOKですから締日という概念はありませんし、資金もその処理をするときにすれば大丈夫ですからそのあたりはメリットになるでしょう。

本当に資金がギリギリになると、入金があってからの支払いとなりますので総合振込や給与振込でなくこちらの振込処理が多く使われます。

振替との違い

同じような方法に振替というものがあります。

性質は振込とほぼ同じものですが、同一銀行の同一支店内に移動させることは区分して振替と呼びます。

基本的な流れ等は振込と同じですが手数料がかなり違いますね。

口座振替との違い

ちなみに口座振替というサービスもあります。

これはあらかじめ指定した銀行口座から自動で引き落としてくれるサービスのことですからちょっとニュアンスが違う言葉ですね。



まとめ

今回は「給料入金時の通帳摘要欄が変わったら危険?。知っておきたい「給与振込」、「総合振込」、「振込」、「振替」の違い」と題して、給与振込についてみてみました。

まとめると以下のとおりです。

給料入金時の通帳摘要欄の名称が変わっている場合はたしかに要注意。
とくに急に給料や給与でなくなった場合は資金繰りが窮している可能性も考えておく必要があるでしょう。
ただし、直近はテレワークや在宅勤務、休みの関係などで給与支払担当者の処理が間に合わないようなケースもありますので一概にはいえませんが・・・

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