先日、サウジアラムコを抜いて時価総額世界1位になった「Apple(アップル)」が1対4の株式分割を8月31に実施することを発表しました。
昔は株式分割があると株価が高騰したりなんかして大きなニュースとなっていましたが、最近はそこまで影響はなくなっています。
しかし、意外なところで影響があるんですよ。
それがNYダウなどの株式指数への影響です。
今回はApple(アップル)株が株式分割したことでNYダウにどのような影響があるのかを解説します。
※追記しました
株式分割とは
まずは今回の話の前提となる株式分割について見ていきましょう。
株式分割をしても理論上の価値は変わらない
株式分割は簡単に言えば言葉のとおり、株式を分割することです。
今回のアップル株は1対4の株式分割です。
これは1株が4株になる。つまり、1株持っている方は株式分割後に追加で3株もらえることを指します。
100株持っている方は400株になるってことですね。
これだけ聞くとかなり得した感じがするかもしれませんが、理論上は得でも損でもありません。
株の価値は変わらないようになってるのです。
例えば1,000円の株を100株持っていたとしましょう。
この場合に1対4の株式分割が行われると所有数する株は400株となります。
しかし、株価は1,000円だったものが250円となってしまうのです。
株式分割をする前は1,000円の株を100株ですから10万円の価値。
株式分割後は250円の株を400株ですからこちらも10万円の価値なんですよ。
つまり、株式分割しても理論上は得も損もしないのです。
買いやすい価格になり株価が上がるケースも
あくまで理論上は株式分割しても得も損もありません。
しかし、株式分割をすることで株価が上がりやすくなるということはありえます。
個人投資家が買いやすくなるからです。
株式分割をすることでその企業の株を投資するために必要な最低単価が低くなりますから買いやすくなります。
そうなれば注文されやすくなり株価が上がるという流れです。
昔にライブドアが株式分割を100分割をして株価が高騰したことがありましたが、そういう期待が大きいんですよ。
ただし、最近は日本株でも1株単位で買えるSBIネオモバイル証券やLINE証券なんかもありますし、端株売買が多くの証券会社でできるようになってきました。また、米国株もはじめから1株単位で買えますから株式分割して高騰するという期待は少なくなっていますけどね。
アップルが株式分割を行う理由
なお、今回、アップルが株式分割をしたのは投資家層を広げるためとのことです。つまり、買いやすくすることで株も持ってもらう人を増やしたいということでしょう。
ちなみにアップル株(AAPL)は現在400ドル超えで推移しています。
アメリカ株は1株単位で買えますから日本円で4万円ちょっと。
それが4分割すれば1万円ちょっとで買えるようになるってことですね。
アップル株の株式分割がNYダウに大きな影響を与える理由
それでは今回のアップル株の株式分割がNYダウにどのような影響を与えるのでしょう?
結論から言えば
ということです。
ちょっとわかりにくいですね。
まずはNYダウの仕組みから解説しましょう。
NYダウ(ダウ平均)とは
NYダウは正式名称を 「ダウ・ジョーンズ工業株価平均」といいます。
ダウ平均はダウ・ジョーンズ社がアメリカ市場に上場している代表的な30銘柄を選び、その株価の平均値に特殊な修正を加えて算出(加重平均)されます。
ちなみに日本の日経平均は255社、アメリカのS&P500は500社の指数ですからNYダウがかなり絞り込まれた企業の指数であることがわかると思います。
アップルは当然、30銘柄に選ばれNYダウに組み込まれています。
NYダウ採用銘柄
ちなみにNYダウの30銘柄は定期的に入れ替えが行われます。
現在は以下の30社です。
日本でも知名度が高い企業が多いですよね。
ちなみにNYダウはグーグル(アルファベット)やアマゾン、フェイスブック、パークシャハサウェイ(ウォーレンバフェットの会社)なんかは採用されていないんですよ。
株式分割でアップル社のNYダウへの影響力が低下
前述のようにNYダウは株価の平均値をベースとして算出されています。
アップル株は他のNYダウ銘柄と比較して株価が高めなので今現在、アップル社のNYダウのウエイトは10%超となっています。
NYダウの構成銘柄は30社あるのにアップル1社で10%超あるのです。
つまり、NYダウのかなり大きい部分がアップル社の株価が占めているってことですね。
それが是正されることになります。
今回アップル社が株式分割したことで株価が下がり、アップル社のウエイトも減ります。
現在の株価で換算するとアップル社のウエイトが3%程度となり、30銘柄中、18番目程度まで下がるのです。
つまり、アップルの株価の動向がNYダウに反映されにくくなるってことですね。
今までNYダウはアップル社が引っ張っていた部分が大きいですので、今後のNYダウの動きにも影響も少なくない株式分割なのです。
日本の日経平均もそうですが、株価ベースで平均を出すタイプの指数はこういった歪なことが起こり得るんですよ。。。
日本の日経平均なんかもファーストリテイリング(ユニクロ)やソフトバンクの影響が大きすぎる状況となっています。
アップル社の株式分割でS&P500・ナスダックは影響を受けない
ちなみにアメリカのメジャーな株式指標のS&P500やナスダックにもアップルは組み込まれています。
しかし、こちらは今回のアップル社の株式分割の影響を受けません。
これはS&P500やナスダックの計算方式が株価をベースとしたものではなく、時価総額比率の加重平均で算出しているためです。
株式分割しても株価は影響を受けますが、時価総額は影響を受けませんのでS&P500やナスダックは今回のアップル社の株式分割で影響があることはないのです。
株式分割をしても時価総額に影響はない
ちなみに時価総額とは株価✕株数で算出されます。
これは株式分割しても影響ないんですよ。
例えば1000円の株を100株発行している会社が1対4に株式分割をしたとしましょう。
株式分割をする前の時価総額は1,000円の株を100株発行ですから10万円
株式分割後は250円の株を400株発行ですからこちらの時価総額も10万円なんです。
つまり、株式分割をしても時価総額に影響はないのです。
追記:一部銘柄変更されました
今回のアップル株分割に伴う影響を緩和するためNYダウの対象銘柄を変更することが発表されました。
なお、銘柄変更はアップルの分割するタイミングと同じ8月31日です。
具体的にはエクソンモービル、ファイザー、レイセオン・テクノロジーズが除外されセールスフォース、アムジェン、ハネウェル・インターナショナルが組み入れられます。
まとめ
今回は「Apple(アップル)株の株式分割がNYダウにどのような影響を与えるのかを解説」と題してアップル社の株式分割についてみてきました。
今回のアップル社の株式分割は地味ですが、NYダウに影響を与えることがわかっていただけたと思います。
8月31日以降のNYダウの値動きに注目してみてくださいね。
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