ここ10年くらいでネット銀行の新規設立がかなり多くなっています。
社名変更も多く、どこがどこの資本や系列だったのか?かなりややこしい状況になっていますね。
そこで今回はネット銀行のややこしい資本関係、系列、旧名などを解説していきます。
なお、今回はネット専業の銀行のみを見ていきます。
ネット証券編はこちらの記事を御覧ください。
住信SBIネット銀行の資本関係、系列など
まずは住信SBIネット銀行です。
住信SBIネット銀行は名前の通り、三井住友銀行50%、SBIホールディングス50%の資本の会社となります。
SBI証券との連携すればSBI証券に入金しなくても買付資金として充当できる「SBIハイブリッド預金」や仮想の貯金箱のような仕組みが出来る「目的別口座」など評判が良いです。
また、外貨の交換手数料が安いことから米国株などに投資をしている方の利用者も多くなっています。
住信SBIネット銀行の歴史、旧名
住信SBIネット銀行は元々住友信託銀行の事務を受託する子会社「住信オフィスサービス」という会社からスタートしています。
その後、SBIホールディングスの出資に伴い2007年に「住信SBIネット銀行」に商号を変更して現在に至ります。
口座数、預金残高
2020年9月末で
- 口座数4,203(千口座)
- 預金残高5,743,684(百万円)
とネット銀行としてはかなり大きな規模です。
支店名はフルーツ
ネット銀行といえば支店名が地区名ではなくユニークな名前がついているのが話題になりますね。
住信SBIネット銀行はフルーツとなっています。
- イチゴ支店(支店コード・101)
- ブドウ支店(支店コード・102)
- ミカン支店(支店コード・103)
- レモン支店(支店コード・104)
- リンゴ支店(支店コード・105)
- バナナ支店(支店コード・107)
- メロン支店(支店コード・108)
- キウイ支店(支店コード・109)
楽天銀行の資本関係、系列など
次は楽天銀行です。
楽天と名前がついているので「楽天株式会社」の子会社と思っている方が多いと思いますが、実は「楽天カード」の100% 子会社となります。
同じグループ企業ではありますが・・・
楽天証券も楽天カードの子会社でしたから現在の楽天グループの中心が楽天カードなんでしょうね。
楽天銀行も楽天証券と同じグループですから入金しなくても買付資金として充当できる「マネーブリッジ」という仕組みが便利です。
また、マネーブリッジ設定時の金利は0.1%とかなり高いことも人気の理由となっています。
楽天銀行の歴史、旧名
楽天銀行はちょっちややこしい歴史と名ています。
元は2000年に開業された「日本電子決済企画」という会社となります。
その後、銀行業の免許を取得し「イーバンク銀行」と商号を変更
イーバンク銀行はその後、2003年にライブドアが筆頭株主となりますが、経営陣と揉めます。
揉めにもめたことで2004年には関係を解消。
その後、GMOが筆頭株主になったりしますが、2008年に楽天グループ入り。
2010年に完全子会社化。
2019年に楽天株式会社から楽天カードの子会社に変更されています。
口座数、預金残高
2020年9月末で
- 口座数9,450(千口座)
- 預金残高44,395(億円)
とこちらもかなり大きな規模となっていますね。
支店名は音楽
楽天銀行の支店名は音楽です。(他に法人向けなどもあり)
- ジャズ(支店コード・201)
- ロック(支店コード・202)
- サンバ(支店コード・203)
- ワルツ(支店コード・204)
- オペラ(支店コード・205)
- タンゴ(支店コード・206)
- サルサ(支店コード・207)
- ダンス(支店コード・208)
- リズム(支店コード・209)
- ビート(支店コード・210)
- マーチ(支店コード・211)
- ピアノ(支店コード・212)
- ドラム(支店コード・213)
- チェロ(支店コード・214)
- ソナタ(支店コード・215)
- エンカ(支店コード・216)
- テクノ(支店コード・217)
- ホルン(支店コード・218)
- アルト(支店コード・219)
- フーガ(支店コード・220)
- アロハ(支店コード・221)
- ハーブ(支店コード・222)
- ラテン(支店コード・223)
- タクト(支店コード・224)
- アリア(支店コード・225)
- ギター(支店コード・226)
- ボレロ(支店コード・227)
- マンボ(支店コード・228)
大和ネクスト銀行の資本関係、系列など
次は大和ネクスト銀行です。
大和ネクスト銀行は名前の通り、大和証券グループの100%子会社となります。
大和ネクスト銀行の歴史、旧名
大和ネクスト銀行は2011年から同名で開業しています。
元々は大和証券利用者向けのサービスだったようですね。
口座数、預金残高
2020年9月末で
- 口座数1,439(千口座)
- 預金残高40,411(億円)
とこちらもかなり大きな規模となっていますね。
他のネット銀行と比較すると一人あたりの預金残高が大きいですね。
他のネット銀行はお財布代わりに使っているのに対し、大和ネクスト銀行はメインの銀行として利用されているのかもしれません。
支店名は七福神
大和ネクスト銀行の支店名は七福神です。
お金を預けるところですから縁起がよい名前なのは嬉しいところ
- エビス支店(支店コード・101)
- ダイコク支店(支店コード・102)
- ビシャモン支店(支店コード・103)
- ベンテン支店(支店コード・104)
- ホテイ支店(支店コード・105)
ソニー銀行の資本関係、系列など
次はソニー銀行です。
ソニー銀行は名前の通り、ソニーグループの会社でソニーファイナンシャルホールディングスの100%子会社となります。
ソニー銀行の歴史、旧名
ソニー銀行は2001年から同名で設立。
ネット銀行の走りの企業で2020年にはオリコンの顧客満足度第1位となっています。
口座数、預金残高
2020年9月末で
- 口座数154(万口座)
- 預金残高28,395(億円)
とこちらもかなり大きな規模となっていますね。
支店名はなし
ソニー銀行は支店がありません。
すべて本店扱いとなります。
本店(支店コード・001)
ジャパンネット銀行(PayPay銀行)の資本関係、系列など
次はジャパンネット銀行です。
ジャパンネット銀行はソフトバンク系列のZホールディングス46.57%、三井住友銀行46.57%、富士通5.26%などの資本構成となっています。
2021年4月からはPayPay銀行と社名を変更することも決まっています。
ソフトバンクグループのPayPay戦略の重要な位置づけとなる会社ですね。
ジャパンネット銀行の歴史、旧名
ジャパンネット銀行は2000年にさくら銀行、住友銀行、富士通、日本生命、東京電力、三井物産、NTT東日本、NTTドコモが出資して開業。
日本を代表する企業連合で作られた銀行なんですね。
その後、2006年にヤフーが出資。筆頭株主となります。
2018年にはヤフーの連結子会社。
そして2021年4月からは「PayPay銀行」と社名を変更することが決まっています。
口座数、預金残高
2020年9月末で
- 口座数482(万口座)
- 預金残高1,115,760(百万円)
となっています。
PayPayとの決済提携を強化したことで口座数が大きく伸びているようです。
支店名は星座?
ジャパンネット銀行の口座の支店は以下の通り。
- 本店営業部(支店コード・001)
- すずめ(支店コード・002)
- はやぶさ(支店コード・003)
- ふくろう(支店コード・004)
- ビジネス営業部(支店コード・005)
これら以外にもYahoo!決済連携サービス・ワンタイム口座・振込専用口座専用支店があります。
Yahoo!決済連携サービスはいるか座など星座モチーフ
ワンタイム口座専用支店は木の名前
振込専用口座も星座モチーフとなっていますね。
auじぶん銀行の資本関係、系列など
次はauじぶん銀行です。
auじぶん銀行はauファイナンシャルホールディングス63.8%、三菱UFJ銀行36.2%の資本構成となっています。
auじぶん銀行の歴史、旧名
auじぶん銀行は2008年に三菱東京UFJ銀行のモバイルネットバンクとして「じぶん銀行」が開業
2019年にau資本をいれることで2020年から「auじぶん銀行」に商号を変更しています。
口座数、預金残高
2020年9月末で
- 口座数4,102(千口座)
- 預金残高1,750,969(百万円)
となっています。
au利用者を中心にシェアを伸ばしていますね。
支店名は色
auじぶん銀行の支店名は色です。
- あか支店(支店コード:101)
- だいだい支店(支店コード:102)
- きいろ支店(支店コード:103)
- みどり支店(支店コード:104)
- あお支店(支店コード:105)
- あいいろ支店(支店コード:106)
- むらさき支店(支店コード:107)
- 本店(支店コード:001)
GMOあおぞら銀行の資本関係、系列など
最後はGMOあおぞら銀行です。
こちらも名前の通り、GMOとあおぞら系列です。
あおぞら銀行91.2%、GMOインターネット4.4%、GMOファイナンシャルホールディングス4.4%の資本構成です。
あおぞら銀行中心の銀行なんですね。
将来的にはあおぞら銀行とGMOの出資比率を50%、50%にする見通しとのことです。
GMOあおぞら銀行の歴史、旧名
GMOあおぞら銀行は元々1994年に開業した「日債銀信託銀行」がベースとなります。
その後、親会社の日本債券信用銀行が経営破綻し、外資資本(あおぞら銀行となる)となったことで「あおぞら信託銀行」となります。
2005年にはヤフーとの資本業務提携するも2006年に提携解消。(その後、ヤフーはジャパンネット銀行に出資)
2016年にGMOと資本業務提携
2018年に「GMOあおぞら銀行」に社名変更しインターネット業務を開始、信託業務はあおぞら銀行に移管しています。
口座数、預金残高
2020年9月末で
預金残高118,714(百万円)
となっています。
口座数は公開していないのかでていませんでしたが、月に2000件程度の新規開設があるとかで順調に増えているとのこと。
支店名はわかりやすい用語
GMOあおぞら銀行の支店名はわかりやすい用語となっています。
個人向けは以下の2口座だけです。
- うみ(支店コード:301)
- にじ(支店コード:302)
他にバーチャル口座としオアシス、けしき、くもなどわかりやすい単語が利用されていますね。
ネット銀行の口座数、預金残高比較
各社が公開している情報を元に2020年9月末時点の口座数、預金残高を比較してみましょう。
なお、単位は銀行ごとにバラバラでしたので口座数は万。預金残高は億円に統一しています。(端数切捨て)
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
口座数(万口座) | 預金残高(億円) | |
住信SBIネット銀行 | 420 | 57,436 |
楽天銀行 | 945 | 44,395 |
大和ネクスト銀行 | 143 | 40,411 |
ソニー銀行 | 154 | 28,395 |
ジャパンネット銀行 | 482 | 11,157 |
auじぶん銀行 | 410 | 17,509 |
GMOあおぞら銀行 | – | 1,187 |
口座開設数は楽天銀行が多いですね。
預金残高はSBI証券との兼ね合いもあるのでしょう住信SBIネット銀行が多くなっています。
大和ネクスト銀行は1口座あたりの預金額が高いですね。
逆にジャパンネット銀行とauじぶん銀行は1口座あたりの預金額が低いです。決済用に使っている人が多いんでしょうね。
まとめ
今回は「ネット銀行のややこしい資本関係、系列、旧名などを解説。楽天銀行の親会社は楽天カードって知ってました?」と題してネット銀行の資本関係や歴史を見てきました。
多くのネット銀行が何度も名前を変えていてかなりややこしいです。(証券よりはましですが・・・)
ソフトバンク(ヤフー)や楽天、GMO、ライブドアなどネット銀行を巡っても激しい闘いが繰り広げられていたこともわかりますね。
豆知識程度の話ですが、参考になることがあれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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