新型コロナウイルスの感染拡大を受けた支援策として公明党案が衆議院選挙で公約としてた内容は18歳以下に一律10万円を支給するという案は下記のように一部修正がはいりました。
自民、公明両党は10日、経済対策の柱となる18歳以下への10万円相当の給付について、親の年収が960万円以上の世帯を対象外とする所得制限を設けることを決めた。 10万円相当のうち、年内にまず現金5万円を支給し、残り5万円分は原則、来春までに子育て関連に使い道を限定したクーポンとして配る
出典:時事通信社
「親の年収が960万円以上の世帯を対象外とする」という所得制限が設けられるのです。
これちょっとわかりにくい表現ですよね。
そこで今回はどんな家庭が該当するのかをわかりやすく解説していきます。
18歳以下の10万円給付の支給制限は児童手当の仕組みを活用
今回の18歳以下の10万円給付の支給制限「親の年収が960万円以上の世帯を対象外とする」というのはどこから来たのでしょう?
キリが悪いし年収1,000万円を線引にしては駄目なの?って意見も見受けられました。
これは下記のとおり、既存のルールを使うためです。
「児童手当の仕組みを活用すればスピーディーに給付できる」
出典:時事通信社
児童手当のルールを使うためです。
児童手当はすでに支給されていますので対象者が明確となっており、所得制限をする際に懸案となる精査が難しいし大変という部分がクリアできるのです。
それでは児童手当の支給制限はどうなっているのでしょう?
夫婦合算ではなく所得が高い方で判定
児童手当は3歳未満15,000円、3歳以上10,000円(第3子以降は15,000円)、中学生10,000円が支給されます。
しかし、夫婦のうち所得が高い方の年収が960万円以上(詳しい条件は後述)の世帯は児童手当が満額ではなく特例給付として月額一律5,000円で支給に制限が掛かっているのです。
夫婦のうち所得の高い方で線引しますので共働きして世帯として960万円を超えていても対象ということですね。
例えば旦那さんが800万円、奥さん800万円で世帯年収1,600万円の場合はもらえるけど、旦那さんが1,000万円、奥さんが0円で世帯年収1,000万円はもらえないというちょっと歪なルールとなっています・・・
自分たちである程度給料(役員報酬)の金額を設定できる中小企業の社長さんなんかは、旦那さんの給料(役員報酬)を下げて奥さんの給料(役員報酬)を上げるなんてことをするかもしれませんね。
児童手当のもらえている金額で判別可能
今回の18歳以下の10万円給付は児童手当の仕組みを使うとのことですから、まったく同じ条件と仮定すると児童手当で月額5,000円をもらっている方は今回の18歳以下の10万円給付はもらえないということですね。
逆に言えば3歳未満15,000円、3歳以上10,000円(第3子以降は15,000円)、中学生10,000円をもらえている方は対象となるということです。
夫と専業主婦、子供2人のモデル世帯の制限が960万円
所得制限960万円という話ばかりニュースで流れていますので勘違いされる方が多そうですが、児童手当のルールを完全に適用するなら制限が960万円とは限りません。
サラリーマンの夫と専業主婦、子供2人のモデル世帯の場合の収入額の目安が960万円となるのです。
具体的には以下のように扶養親族の数によって以下のように設定されています。
出典:内閣府 児童手当制度のご案内 より
配偶者が扶養でなくて児童1人扶養の場合には収入額の目安が875.6万円となります。
最近は専業主婦の方がかなり減っていますので実は960万円よりも制限は低くなるケースのほうが多そうですね。
扶養親族等の数に応じて、限度額(所得額ベース)は、1人につき38万円(扶養親族等が同一生計配偶者(70歳以上の者に限る)又は老人扶養親族であるときは44万円)を加算した額となります。
出典:内閣府 児童手当制度のご案内 より
実際の限度額は扶養親族1人につき38万円を足して計算されるのです。
収入ではなく所得で判定
なお、もう一つ勘違いしそうなのが判定は所得で行われるということです。
960万円として報道されていますが、それは収入の話です。
実際は
収入額は、所得額に給与所得控除額等相当分を加算した額です(実際の適用は政令で定める所得額で行い、収入額は用いません)。
出典:内閣府 児童手当制度のご案内 より
所得額で適用が行われるんですよ。
特に給与所得控除額等がないサラリーマン以外の方は要注意です。
所得660万円から制限がかかってしまう可能性があるのです・・・
ちなみに収入と所得は以下のような違いがあります。
◯所得は事業主なら収入から必要経費を差し引いた利益、サラリーマンなら給与所得控除を差し引いたもの
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
児童手当の仕組みをそのまま使う場合の支給ルール
今回の18歳以下の10万円給付が児童手当の仕組みをそのまま使うなら以下のようなルールで支給されることになります。
2. 父母が離婚協議中などにより別居している場合は、児童と同居している方に優先的に支給します。
3. 父母が海外に住んでいる場合、その父母が、日本国内で児童を養育している方を指定すれば、その方(父母指定者)に支給します。
4. 児童を養育している未成年後見人がいる場合は、その未成年後見人に支給します。
5. 児童が施設に入所している場合や里親などに委託されている場合は、原則として、その施設の設置者や里親などに支給します。
まとめ
今回は「支給制限960万円をわかりやすく解説。960万円なのはモデルケースの場合ですよ【18歳以下10万円給付】」と題して18歳以下の10万円給付の所得制限についてみてきました。
かなりややこしい話になっていますね。
さらに半額は無駄な印刷が必要なクーポンですからなんだかなとしか思えない政策・・・
効果はあまり見込めないバラマキにしか見えないので辞めてほしいところですけどね。
決まったからにはもらえる方は上手に活用してくださいね。
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