新電力の利用は要注意?。1年で4%超が撤退・倒産。楽天でんきは新規受付停止、基準燃料価格の上限撤廃・・・

2016年に電力自由化されました。

それに伴い多くの企業が電気の小売事業に参入。

価格が安かったり、他のサービスとの併用でポイントが貯まったりとお得度が高く人気となっています。

既存の電力会社も対抗するように囲い込みするような策を打ち出したりしていますね。

そんな新電力ちょっと利用が怖いな・・・って話がいくつか出てきておりますのでご紹介しましょう。

契約する前にこのあたりの新電力を取り巻く環境についてしっかり認識しておきたいところです・・・

新電力参入企業の倒産、撤退相次ぐ

まず、新電力に参入した企業の倒産や撤退が相次いでいるんもです。

エネルギー価格の高騰で電力の調達コストが膨らみ、新電力各社の収益を大きく圧迫しているんですよ。

新電力の倒産件数が激増

新電力会社の倒産件数

出典:帝国データバンク 特別企画:「新電力会社」倒産動向調査 より

帝国データバンクの調査によると新電力会社の2021年の倒産は14件。

2020年は2件でしたから実に14倍。

さらに2021年4月の時点で706社あった新電力のうち、31社が倒産、廃業、撤退をしているのです。

実に4.4%が1年で事業撤退をするというかなり厳しい状況であることがわかります。

例えば東証マザーズ上場のホープ子会社「ホープエナジー」などは電力取引価格が高騰したことで調達コストが跳ね上がり、経営が悪化。

負債総額は約300億円では破産申請をしていますね・・・



楽天でんきは新規受付を停止、基準燃料価格の上限撤廃

また、楽天の子会社楽天エナジーの運営する「楽天でんき」のように営業を続けているもののかなり厳しい環境を伺わせる状況の会社も多いです。

3月4日:新規受付を停止を発表

まず、2022年3月4日には以下の発表を行っています。

ウクライナ情勢により、電力調達の先行きが不透明になっていることを受け、楽天でんき・楽天でんきBusiness のお申し込みを一時停止いたしました。

出典:楽天エナジー 新規お申し込み一時停止のお知らせ より

この時点では既存の顧客には従来どおりサービスを提供するとのことでした。

しかし。。。

3月30日:価格の値上げを発表

2022年3月30日はさらに以下の発表を行っています。

昨今のロシアによるウクライナ侵攻等の国際情勢の急激な変化により国際的に燃料価格が高騰し、これにより、調達先の一つである日本卸電力取引所の取引価格が昨年比2.7倍となるなど、電力調達価格も高騰し続けております。楽天エナジーでは、これまで経費削減の徹底や電力調達先の見直しを行うなど、お客様に対し低廉な電力供給ができるよう努めてまいりましたが、企業努力のみでは電力調達価格の高騰に対応することが極めて困難な状況に至っていることから、やむを得ず「楽天でんき」の料金改定(地域により+4.3%〜+14.0%)および燃料費調整制度の上限価格撤廃を2022年6月1日(水)より実施させていただきます。

出典:楽天エナジー 「楽天でんき」料金改定のお知らせ

ちょっと長いですが、簡単に言えば価格の値上げです。

2022年6月1日(水)より開始とのこと。

さらにちょっと怖いのが燃料費調整制度の上限価格設定を廃止することですね。

燃料費調整制度とは

燃料費調整制度とは石油、石炭、液化天然ガスなどの火力発電燃料の価格変動に応じて、毎月自動的に電気料金を調整する制度。

燃料価格が上昇した場合は燃料費調整額を加算し、燃料価格が低下した場合は燃料費調整額を差し引き、電気料金を算定するのです。

飛行機の燃料価格に応じて運賃に追加される燃油サーチャージのようなものとなります。

今までその上限は1.5倍までとなっていましたが、その上限がなくなります。

つまり、一気に価格が値上がってしまう可能性があるのです。

楽天でんきが2022年4月の燃料費調整単価について、「上限価格ありの場合」と「上限価格なしの場合」を比較データを公表していますが、かなり影響が大きくなりそうです。

燃料費調整制度上限撤廃の影響

出典:楽天エナジー 「楽天でんき」料金改定のお知らせ

北陸電力供給区域では+0.81円/kWh、関西電力供給区域では+0.78円/kWhというかなり大きな差額が発生していますね。



利用している新電力の会社が倒産、撤退したらどうなる?

今までの話を聞くと倒産したら停電になるのだろうか・・・という心配をする方も多いと思われます。

しかし、その辺りはご安心ください。

新電力の会社などが倒産をしても東京電力など一般送配電事業者が引き続き電気を供給することとなっています。

ただし、次の電力会社を選ばかねればならないなどちょっと面倒なこともあるでしょう。

できればそのようなことがない電力会社を選んでおきたいところですが・・・

今後も厳しい経営状況が続くか?

前述の帝国データバンク 特別企画:「新電力会社」倒産動向調査によると新電力の経営はかなり厳しいところが多いようです。

日本卸電力取引所(JEPX)のデータを見ると、2021 年 1 月のシステムプライスは 1 キロワ ット 200 円を超えるなど急騰。その後は、数円~10 円程度で推移していたが、10 月以降は燃料高を背景に再度上昇。2021 年 12 月は月間平均で 17 円となり、前年同月から 2 割増加している。 一方で、電力の販売価格はほとんど変化が見られず、横ばい状態が続いている。

出典:帝国データバンク 特別企画:「新電力会社」倒産動向調査 より

新電力会社の仕入れは前年同月から2割増加しているのに電力の販売価格はほとんど変わらないという状況。

経営を圧迫して当たり前ですね・・・

さらにウクライナへのロシア侵攻の問題でさらに悪化しかねないので怖いところ・・・



まとめ

今回は「新電力の利用は要注意?。1年で4%超が撤退・倒産。楽天でんきは新規受付停止、基準燃料価格の上限撤廃・・・」と題して新電力の利用について見てきました。

たしかに安くて魅力的な新電力。

しかし、倒産されたり、撤退されたら面倒なことになりますし、利用は慎重に・・・・

電気代についてはこちらの記事も合わせて御覧ください。

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