行動経済学ってあまり聞き慣れないと思いますが、お金を考える上でとても重要な理論になります。
これを知っているだけでお金持ちになる第一歩が開かれたといっても過言ではないです。
行動経済学の歴史は浅く2002年にダニエル・カーネマン教授、バーノン・スミス教授が行動経済学がノーベル経済学賞を受賞したころから知名度が上がり始め、2008年にイグ・ノーベル賞をダン・アリエリー教授が受賞したことでようやく日の目を見ることになります。(TEDで有名になりました。)
最近では、昨年2017年にノーベル経済学賞をリチャード・セイラー教授が行動経済学で受賞して話題になりましたね。
個人的にもダン・アリエリー教授のTEDを見てから行動経済学を学びました。
いろいろなシュチエーションで役に立っている感じがします。
ちなみにダン・アリエリー教授がイグノーベル賞をとった研究は「高価な偽薬は、安価な偽薬よりも効力が高い」というプラセボ効果を証明したことです。
つまり、両方同じ偽物の薬を飲んでも、高くした偽物の薬のほうが安くした偽物の薬よりも効いたってことです。
両方偽物ですから効くはずはないのですが、効くと思い込むことで効力を発揮しているのです。
さらに高額の方がその効果が高いという・・・かなり面白い実験です(笑)
今回はそんな行動経済学を学ぶためのおすすめ本5冊をご紹介したいと思います。
行動経済学とお金の関係
今までの経済学では人は合理的な行動を取るという前提で想定されていました。
しかし、人ってそんな合理的な行動をする時ばかりではありません。
負けるとわかっていてパチンコ屋、競馬に行ったり、
健康に悪いとわかっていてスイーツを食べたり、タバコを吸ったり。
二日酔いになると分かっていて深酒したりなんかもそうです。
かなり期待値の悪い宝くじを買う人が多いこともそんな一例ですよね。
年末となると年末ジャンボ宝くじのCMの頻度がすごいですね。夏はサマージャンボのCMがすごいです。今年は10億円だとか・・・すごいです。夢がありますね。宝くじは当選確率が異常に低いしかし、実は年末ジャン[…]
そんな人の合理的でない行動を研究したのが行動経済学なのです。
現在志向バイアスとは
まず、行動経済学とお金の関係を考える際によく言われるのが「現在志向バイアス」です。
現在志向バイアスとは、未来の利益よりも目先の利益の方が優先度が上がってしまう心理のことです。
たとえばこういう場合あなたはどちらを選びますか?
・1年後にもらえる110万円
これ冷静に考えれば差が1割もありますから1年後にもらえる110万円を選択したほうが賢いはずです。
しかし、大半の方は今もらえる100万円を選択してしまうそうです。
これは未来のことはなかなか想像しにくいですが、目の前の利益は人の心が動いてしまうためこういう選択となってしまう方が多いのです。
これって老後の資金も同様なのです。
将来の資金はいくら必要なのかは正直、そのときになってみないと分からない部分もあります。
ですからある程度貯めておく必要がありますが、なかなかみなさん貯めることができません。
これは未来の利益よりも目先の利益の方が優先度が上がってしまう心理によるもの、つまり現在志向バイアスが大きいのです。
現在志向バイアスに打ち勝つには
現在志向バイアスは誰しももっている心理です。
ですから完全に打ち勝つことは難しいです。
しかし、以下のことを意識すればある程度打ち勝つ事もできます。
現在志向バイアスを知る
まず、1番大事なのは現在志向バイアスがあることをしっかり認識しておくってことです。
つまり、人は目先の利益を優先してしまうという事を意識して行動することである程度対処することもできるでしょう。
強制貯金
もう一つは強制貯金って方法も有効です。
日本では年々生活保護世帯が増え続けています。しかもそのうち半数以上が高齢者の世帯です。昨日の記事にも書きましたが平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況によると国民年金の一人あたり月額の老齢年金は55,464円です。[…]
現在志向バイアスが働いてしまう前に口座から老後資金を引き落としてしまうってことです。
いまなら個人型確定拠出年金(iDeCo)やつみたてNISAなんかは現在志向バイアスに打ち勝つ手法として有効ですね。
ナッジ
さらに米国あたりでは行動経済学を活用して確定拠出年金の加入者を増やす取り組みなんかもされています。
老後資金を用意しないといけないのは誰しも分かっています。
しかし、現在志向バイアスもありなかなか貯められない方が大半です。
そこで使われたのが、2017年にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授が発明したのナッジです。
ナッジとは「肘で軽く突く」という意味で軽くつついて行動を促すことができます。
確定拠出年金の申込みを初期設定で全員に加入させ、希望しない者は加入しないこともできるようにしたのです。
すると加入率は49%から86%に跳ね上がったそうです。
フレーミング効果
もう一つがフレーミング効果という手法です。
フレーミング効果とは見せ方や切り口(フレーム)が人の心理に影響を及ぼすことです。
たとえば年間120万円貯金しないと行けないとなるとなると結構な大変な気がしますよね。
しかし、1日3300円貯めようと考えればそこまで大変に感じないと思います。
(1日3300円なら年間にすれば120万4千5百円)
こうやって目標の切り口を変えてあげることよって達成しやすくするのです。
テレビショッピングなどで1日わずかコーヒー一杯とかいってるのはこの手法の応用です(笑)
行動経済学のおすすめ本
かなり前置きが長くなってしまいましたが(笑)
行動経済学のおすすめ本を見ていきたいと思います。
この5冊読めばよほどのことは大丈夫でしょう。
行動経済学入門編
まずは行動経済学を学ぶのにオススメの入門編からです。
行動経済学まんが ヘンテコノミクス
下記の行動経済学まんが ヘンテコノミクスは漫画ですのでかなりとっつきがよいです。
他の行動経済学の本は結構読みにくかったりするのが大半ですのでまずはこのあたりから入ると良いと思われます。
行動経済学 経済は「感情」で動いている
次は行動経済学 経済は「感情」で動いている です。
こちらは網羅的な内容となっていますので行動経済学の全体像を学ぶのに最適な一冊です。
クイズなんかもたくさんあり入門書としてはかなり良い出来ですね。
行動経済学応用編
まず上記の2冊のうち片方を読んでから応用編に行きましょう。
予想どうり不合理
応用編としてまず読んでいただきたいのが予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」です。
前述した2008年にイグ・ノーベル賞を受賞したダン・アリエリー教授の一冊です。
翻訳本なのでちょっと読みにくいですがまじか・・・って内容がたくさんあり本当に勉強になります。
ビジネスをやっている方には特に参考になることが多いです。
ヤバい経済学
次はヤバい経済学 [増補改訂版]です。
こちらは行動経済学オンリーの本ではありませんが、かなり面白い一冊です。
特に秀逸なのが相撲の八百長が統計学的には実証されているという内容でしょうか。
ある意味、八百長は心理面からみれば発生して当たり前だとわかります。
実践 行動経済学
最後は実践 行動経済学です。
こちらは2017年にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授の一冊です。
前述の「ナッジ」について詳しく書かれています。
こちらもビジネスをやっている方には特に参考になることが多くおすすめです。
行動経済学オススメ本まとめ
今回は行動経済学のお話からおすすめ本5冊をご紹介しました。
行動経済学を学ぶことはもちろんお金儲けにも生きてきますし、その他様々な場面で活用できます。
ぜひご一読ください。
その他おすすめ本は下記記事をご覧ください。
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