【エヌリンクス】新規上場株式(IPO)財務分析。NHKの営業代行業

エヌリンクスが4月27日上場


4月27日に東証マザーズに新規上場するエヌリンクスの財務分析をしてみたいと思います。

エヌリンクスはSBI主幹事です。

SBI主幹事のRPAホールディングスがかなりの上げとなりましたので期待値が高い方も多いと思います。

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今回はそんなエヌリンクスの財務分析をしてみたいと思います。

なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。

まずはじめにちょっと気になったのが目論見書の訂正の多さです・・・

全部で24ページありました(笑)

このあたりを見るとちょっと心配になるところもあります。

エヌリンクスのビジネスモデル


エヌリンクスは主にNHKの営業代行事業を手がけています。

またその他にメディア事業に手を広げている感じですね。

メディア事業としては

・家探しの会話型コマース「イエプラ」

・ゲームの攻略サイト「アルテマ」

を運営しています。

エヌリンクスビジネスモデル

出所;エヌリンクス目論見書より

売上げ比で見ると86.6%が営業代行事業となっています。

つまりNHKの営業代行が中心的な仕事ってことですね。

エヌリンクス売上高構成

出所;エヌリンクス目論見書より

NHKの仕事が中心ってことでちょっと気になるのがNHKとの契約は入札形式であるってこと。

これもし入札が取れなかったとしたら86.6%の売上げがなくなってしまうおそれがあるってことですね。

また、ユーチューブなどでエヌリンクスの社員の営業状況が出てましたが結構強引だったり、口調もちょっとビジネスマンとしてどうなんだろうってレベルでした。

このような動画が出回っているというのもかなりのマイナス点ですね。

これが原因で入札とれないという可能性はないのでしょうか・・・

エヌリンクスの経営理念

それではまず経営理念から見ていきましょう。

経営理念は「走り続ける、変わり続ける そして愉しみを作り出す」です。

ビジョン

最高の「ウェブ✕リアル」カンパニーを創造する

「ウェブ」と「リアル」この両輪を駆使するマーケティングを推進し、最高の『ウェブ×リアル』カンパニーを創造します。

お客様にも従業員にも誇ってもらえるような スーパーカンパニーを創造することをビジョンとしています。

ミッション・ステートメント

みんなですごい会社を創ろう、「エヌリンクスファミリー」という意識を 絶対に忘れない。本音の対話を繰り返し、組織の継続的な改善を繰り返し、一生働ける環境を徹底的に実現しよう。自由を勘違いせず、規則や枠の中で工夫や創造することを楽しみ、組織人としての自由を創ろう。家族にいつまでも誇れるよう、法令を順守し、モラルの高い会社にしよう。
選択肢に困ったら、前に進める選択、変化を続ける選択、勇気と希望を 周りに与える選択を選ぼう。

エヌリンクスのビジョンである【最高の「ウェブ×リアル」カンパニーを創造する】というゴールを、社員が共に目指すための基本的なルールです。このルールを守り、社員ひとりひとりが主体的に動いて、大きなゴールを目指します。 出所:エヌリンクス経営理念より 

エヌリンクスの強み

エヌリンクスの強みとして下記3点が挙げられています。

マネジメントノウハウ
マーケティングノウハウ
ヒューマン・リソースノウハウ

このあたりはちょっと目論見書やWEBだけではなんとも判断しがたないところではあります。



エヌリンクスの収益性


売上高総利益率

まずは本業の儲けを表す売上高総利益率から見ていきましょう

平成28年2月期100%

平成29年2月期100%

と売上=売上総利益となっています。

これは計上の仕方だけの問題ですがちょっと他社と比較しづらいところではあります。

売上高営業利益率

次は本業の儲けを表す売上高営業利益率から見ていきましょう

平成28年2月期2.07%

平成29年2月期6.61%

とこちらは大幅に伸びています。

売上げもかなり大きく伸びていますので妥当な水準といえるかもしれません。

売上高経常利益率

次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。

平成28年2月期2.22%

平成29年2月期6.64%

こちらも大きく上げています。

こちらは前述までの売上高営業利益が増加したことが最大の理由となっています。

売上高営業利益率と比較して良くなっているのは助成金収入が大きいですね。

売上伸び率

売上げの伸びはこんな感じです。

平成27年2月期59.31%

平成28年2月期55.30%

平成29年2月期35.58%

と3年連続で大きく伸びています。

このあたりは評価できるところですね。

収益性まとめ

売上の伸びは非常に大きく、収益性も高い。

エヌリンクスの安全性


流動比率

次に短期的な支払能力をみる流動比率です。

平成28年2月期間155.26%

平成29年2月期159.40%

とこちらも改善しています。

ちょっと営業未収入金(一般的には売掛金)の比率が大目なのが気になる所

自己資本比率

平成28年2月期44.2%

平成29年2月期43.6%

と少しだけ悪化しています。

しかし、元々の水準も悪くありませんし、このあたりは問題ないでしょう。

キャッシュフロー

キャッシュフローは平成28年2月期は

営業活動によるキャッシュフローはプラス

投資活動によるキャッシュフローはプラス

となっています。

フリーキャッシュフローもプラスになっています。

平成29年2月期は

営業活動によるキャッシュフローはプラス

投資活動によるキャッシュフローはマイナス

となっています。

フリーキャッシュフローはプラスとなっています。

両年とも財務活動はなかったのか記載がありませんでした。

キャッシュフロー計算書の簡単な見方はこちらからどうぞ。

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安全性まとめ

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エヌリンクスの株価


PER、PBR

PER、PBRをみるとそれなりに割安な水準。

主業務のNHKの営業代行のビジネスモデルは人を投入して営業を代行するという泥臭いスタイルの会社ですからこんなもんなのかもしれません。

IT企業の水準と同様に考えないほうが良い気がします。

既存株主

ベンチャーキャピュタルの保有はなし。

大口株主のKKインベストメントとイアンドケイはちょっと調べてもわかりませんでしたが名前からすると社長兄弟の会社かな?

また、上記2つの会社も含め大口の株主はすべて90日のロックアップありとなっています。

ストックオプションはありますが行使可能なのが2019年からとなっています。

つまり、上場時には大きな売り玉がなさそうです。

まとめ


今回はエヌリンクスの財務を中心に分析してみました。

株価的にはマザーズ上場、それなりに小型、公募株少なめ

売り玉が少ないと上がる要素が多い銘柄となります。

また、財務面もかなり良さげです。

しかし、入札で契約したNHKとの取引がほとんどでユーチューブなどでの悪評をみるとちょっと怖い面も。

個人的にはIPOの抽選には参加しますがそれ以外はないかな・・・

また、この会社腕組みの法則発動していますね。

社長、副社長とも腕組みでした・・・

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