つみたてNISAが始まって5ヶ月が経ちました。
3月時点で加入者が50万件を超えるなど順調な滑り出しとなっています。
金融庁ではさらなる「つみたてNISA」の普及を目指して自ら「職場つみたてNISA」なる制度を導入しています。
今後は他省庁や地方自治体、民間企業への普及も目指しているそうです。
今回は「職場つみたてNISA」について考えて見たいと思います。
職場つみたてNISAとは
職場つみたてNISAとはなかなか資産形成に積極的でない日本人が投資へ向いていただくために、身近な職場でつみたてNISAを開始できるようにする環境を整えた仕組みです。
簡単に言えば、職場(会社)でつみたてNISAの申込みが出来て、給料引き落としや口座引落ができるようにするってことです。
これって良さそうに見えてそうでもない点もありますのでデメリット・メリットも踏まえて考えてみましょう。
また、同じような名前の制度で「職場積立NISA」というのがありますのでそちらとの差についても解説していきます。
職場積立NISAとは似ているけど違う制度
実は「職場つみたてNISA」と同じような制度で「職場積立NISA」というのがあります。
つみたてが漢字なのか、平仮名なのかの違いですね(笑)
でも内容は違います。
「職場つみたてNISA」は「つみたてNISA」が対象の制度
「職場積立NISA」はもともとあった「NISA」が対象の制度
これはややこしいですね(笑)
より初心者向けのつみたてNISA対象の「職場つみたてNISA」の方が制度的にはあっていると思いますけどね。
職場積立NISAの現状
「職場積立NISA」は平成27年から始まった制度で、平成29年12月末時点で導入企業数は8,685社あります。
給料天引きに対応している企業も306社となっています。
給料天引きは意外に少ないなって感じはありますが・・・。
また、積立金額(月間ベース)は平成29年12月末時点で21,800万円とどんどん伸びていっています。
出所:NISA推進・連絡協議会 職場積立NISAの導入状況について(平成29年7月〜12月)
職場つみたてNISAのメリット
職場つみたてNISAのメリットは始めやすいってことに尽きるでしょう。
どうしても自分で投資への第一歩を踏み出そうとしても二の足を踏んでしまう方も多いでしょうが、職場(会社)で始められばそのあたりも緩和されるでしょう。
手続き関連も会社がある程度やってくれるでしょうからそのあたりはメリットかもしれませんね。
また、職場が主導するならば投資教育などのカリキュラムもある程度は用意するでしょうからそのあたりも従業員側のメリットはありそうです。
また、やらしい話ですが会社としては担当する金融機関とのパイプ作りに役に立つ可能性があります(笑)
職場つみたてNISAのデメリット
個人的にはこの制度従業員側からみるとデメリットの方が多いのかな。。。って感じています。
まず、iDeCo(個人型確定拠出年金)の中小事業主納付制度や企業型確定拠出年金のマッチング拠出なんかでもそうですが、金融機関が選べなくなってしまうことが大きいです。
例えばつみたてNISAを取り扱う金融機関はたくさんありますが、職場つみたてNISAの場合には会社が契約したとこで加入しなくてはならなくなります。
iDeCoのように手数料があるわけではありませんが、つみたてNISAでも取扱いの商品数が結構違います。
SBI証券や楽天証券はかなりの数の商品を扱っていますが、中には数本しか扱っていない金融機関もあったりします。
シリーズものとして定期的に投稿してきました「証券会社の取扱商品を分析」ですがかなりのページ数になり、わかりにくくなってしまいましたのでここら辺でまとめてみたいと思います。つみたてNISA証券会社のシリーズ企画まとめつ[…]
そこと職場が提携されてしまえばその数少ない中から投資先を選ばなくいけなくなってしまうんのです。
これは結構厳しいですよね。
また、金融庁は給料天引きなどの利便性を唱えていましたが、別に口座引き落としにすればほとんど同じですからあまりメリットを感じられないのかな・・・って思います。
職場つみたてNISAの加入はポイントを見極めて
現在、「職場積立NISA」に加入できる職場に勤めている方はかなり高い確率で「職場つみたてNISA」に加入できるようになると思われます。
加入するか否かは以下のポイントを見極めるとよいでしょう。
つみたてNISAとNISAの違い
NISAとつみたてNISAはどちらかの選択制です。
これは職場積立NISAと職場つみたてNISAでも同様です。
そのためどちらが自分にとってよいのかを考える必要があります。
対象商品の違い
まずはNISAは個別株やETF、投資信託などが対象となります。
対してつみたてNISAは選別された投資信託が対象となります。
つまり、選べる範囲はNISAの方が断然広いです。
しかし、つみたてNISAは金融庁が厳しい条件を付して選別していますので地雷と呼ばれる金融商品が排除されているのが魅力となっています。
初心者の方につみたてNISAの方がおすすめな理由がここにあります。
枠の違い
もう一つが枠の違いです。
NISAは年間投資可能枠が120万で非課税期間は5年間(ロールオーバーで最大10年間)
つみたてNISAは年間投資可能枠が40万で非課税期間は20年間です。
より長期的な投資を考えるならつみたてNISAが有利ですし、ある程度短期で売買するならばNISAの方が有利となります。
金融機関はどこ?
もう一つが職場がどこの金融機関と契約したかです。
金融機関によって取扱の商品が違いますので自分の買いたい投資信託の取扱があるのかを確認しましょう。
ないならば、職場つみたてNISA使うよりも自分でつみたてNISAに入った方がよいでしょう。
逆に自分の買いたい商品があるならば職場つみたてNISAのデメリットはほとんどなくなりますので積極的に加入しても良いでしょう。
まとめ
今回は職場つみたてNISAについて見てきました。
投資経験があまりない方が投資のきっかけとするにはよいと思いますが、そうでない方には足かせにしかならないかな・・・ってのが正直な感想ですね。
もう少しなんかメリットがほしいところ・・・
つみたてNISAで投資できるおすすめ投資信託はこちらをご覧ください。
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つみたてNISAを始めるならSBI証券がオススメ
つみたてNISAは基本的にiDeCoよりも金融機関同士の差は少ないです。
しかし、取扱商品と注文の仕方、サービスあたりは違いがありますので確認しておきたいところ。
SBI証券は注文の自由度が高い
それらを勘案すると現状ではSBI証券がよい感じになっています。
ほとんどのつみたてNISAで買える投資信託を取り扱っているため選択の幅がひろいです。
なにより、毎日買付けなど注文の自由度がかなり高いのが魅力ですね。
私は毎日積み立てにして1600円ずつ購入しています。
そのため暴落してもそこまで気にならないです。
株価が下がれば安く買えるってことですからね。
ちなみに私もSBI証券でつみたてNISAやっています。
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