先日、閣議決定された平成31年度税制改正の大綱が発表されました。
税制改正大綱とは自民党、公明党の税制調査会を中心に翌年度以降にどのように税制を変えるべきかを話し合いまとめたものです。これを元に国会に税制改正法案を提出する形となります。
現在、衆議院・参議院とも与党が過半数となっていますので、この税制改正大綱の方向に来年度の税制が進んでいく大変重要なものです。
元の資料は結構膨大でわかりにくい資料ですが金融庁が関連する内容をまとめてくれていました。そこにはこっそり、マイナンバーに関連する項目が含まれていましたのでご紹介しましょう。
その他の主だった平成31年度税制改正の大綱の内容はこちらの記事を御覧ください。
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マイナンバーの証券会社への告知期限を3年延長へ
金融庁から要望されていたマイナンバーの証券会社への告知期限の延長が平成31年度税制改正の大綱で明記されました。
現状のマイナンバー取得割合
金融庁からの要望によると現状のマイナンバーの取得割合は下記のとおりだそうです。
2016年1月1日より前に証券口座を開設した顧客に係るマイナンバー告知義務について、同日から3年の経過措置が規定されているところ、証券会社等から求めを行っているにもかかわらず、マイナンバー取得割合は、41.4%(2018年6月末)にとどまっており、経過措置期間内の取得が困難な状況。
6月時点ですが41.4%の方しか届け出していないんですね。私もIPOへ参加することもありたくさんの証券口座を持っていますが、全く使ってない証券口座へはまだ届け出してませんね。。。
平成31年度税制改正の大綱でマイナンバーの提出期限を3年延長へ
実際に今回発表された平成31年度税制改正の大綱にかかれている内容は以下のとおりです。
平成28年1月1日前に次に掲げる告知又は告知書の提出(以下「告知等」を行ったので同日以後に配当等の支払を受けるものが、平成31 年1月1日以後最初に配当等の支払を受ける日等までにその告知等を受けた者に行うこととされている個人番号又は法人番号の告知について、その告知期限を3年延長する。
② 無記名公社債の利子等に係る告知書の提出
③ 株式等の譲渡の対価の受領者の告知
④ 交付金銭等の受領者の告知
⑤ 償還金等の受領者の告知
⑥ 信託受益権の譲渡の対価の受領者の告知
⑦ 先物取引の差金等決済をする者の告知
⑧ 金地金等の譲渡の対価の受領者の告知
⑨ 特定株式投資信託の受益者に係る情報の受託者への告知
⑩ 特定口座開設届出書の提出をする者の告知
⑪ 非課税口座開設届出書の提出をする者の告知
⑫ 国外送金等をする者の告知書の提出
⑬ 国外証券移管等をする者の告知書の提出
ちょっとわかりにくいですが、金融庁が発表した概要にある図だとこんな感じに分かりやすくなっています。
要するに番号の告知義務の経過措置の期限が2019年1月1日以降最初に受ける配当等の支払を受けるまでだったのを、2022年1月1日以降最初に受ける配当等の支払を受けるまでと延長しますってことですね。
出所:金融庁「平成31年度税制改正について」番号の告知に関する所要の措置より抜粋
その他マイナンバーの改正
さらっと他にも証券関連のマイナンバーに関するルールが平成31年度税制改正の大綱に記載されていましたのでご紹介しておきましょう。
納税環境整備の番号が付された証券口座情報の効率的な利用に係る措置として以下が掲載されています。
個人番号又は法人番号(以下「番号」という。)が付された証券口座に係る顧客の情報を税務上効率的に利用できるよう、次の措置を講ずる。
(1)証券会社等の口座管理機関は、証券口座に係る顧客の情報を番号により検索することができる状態で管理しなければならないこととする。
(2)振替機関は、証券口座に係る顧客の情報を番号により検索することができる状態で管理しなければならないこととするとともに、調書を提出すべき者(株 式等の発行者又は口座管理機関に限る。)から証券口座に係る顧客の番号その他の情報の提供を求められたときは、これらの情報を提供するものとする。
簡単に言えば証券会社は税務署等が顧客情報を簡単に入手できるように個人番号や法人番号で簡単に検索できるように整理しておけよってことです。上記は国税ですが、同じく地方税でもほぼ同じルールが付与されるようです。
これにより税務署が調査しやすくなります。もともとマイナンバーはそういう目的の制度ですから当然といえば当然ですけどね。
上記の改正は、平成 32 年4月1日から施行されます。
まとめ
今回は「証券会社へのマイナンバーの告知期限が3年延長へ」と題してマイナンバーの証券会社への提出期限が延長されたニュースをみてきました。
もともと下記のようにマイナンバーを期限内に提出しなくても特に制限は掛からなかったようですけどね・・・
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そもそもマイナンバーカードの取得率が低かったりマイナンバー制度そのものがあまりうまく軌道に乗ってない感はあります。
マイナンバーカードは住民票をコンビニで出せたり結構便利なんですけどね。
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