株式投資で大暴落に巻き込まれないために2つの指標を押さえておこう。

株式相場は昨年末にリーマンショック級というほどではありませんでしたがそれなりの規模の暴落がありました。

今後の相場がどうなるのかは予想は難しいですが、押さえておかなければいけない事実があります。

それは大きな括りでみると10年単位くらいで大きな暴落が到来しているということです。

株式投資は基本的に安い時点で買い、高い時点で売って儲ける商品です。

そのため、株式が割高か割安かを知る方法はたくさんあります。

今回はそのうち大暴落の可能性をチェックする指標をご紹介しましょう。

大暴落に合わないためには全体の市場の割高・割安を知っておく


大暴落がいつ来るのかを予想することはほぼ不可能です。できるなら空売りで大儲けですね。

しかし、大暴落が来る条件はいくつかあります。そのうち最大の条件は株式市場全体が割高の状況にあるってことです。

割高であればあるほど大暴落がくるリスクが高まるってことになります。

ただし、割高であってもすぐに暴落するとは限らないのが株式相場の難しいところですけどね。

それでは株式市場全体が割高か否かを判別する方法はどういったものがあるのでしょうか?

私はいくつかの指標をチェックしていますが、特に重要視している指標が2つあります。今回はその2つの指標をご紹介しましょう。


バフェット指数

まずひとつ目はバフェット指数です。世界的な投資家ウォーレン・バフェットの名をもった指数です。

株式市場の割高・割安をざっくりと判断できる指標です。

しかし、これ実際にウォーレン・バフェット氏の名前が付いていますが実際にこの指標を使っているのかどうかは不明だったりします(笑)

私はウォーレン・バフェット氏の関連の本は結構読んでいますがこの指標について触れていたことはないんですよね。(そもそもウォーレン・バフェット氏自身が本を書いていないのもありますが・・・)

バフェット指数の計算方法

バフェット指数は簡単な指標で以下の計算式で求めることができます。

バフェット指数=株式時価総額÷名目GDP×100

株式時価総額とは

株式時価総額とは日本株で言えば東証一部、東証二部、東証マザーズ、JASDAQなど全部の上場企業の時価総額を合計したものになります。このデータは日経新聞のWEBページからエクセルファイルをダウンロードすることも可能です。

>>市場別株式時価総額

米国株の場合には「ウィルシャー5000(Wilshire Total Market)」という指標を使って計算する場合が一般的です。ウィルシャー5000とはニューヨーク証券取引所、ナスダック市場、アメリカン証券取引所で購入可能な全ての企業を対象とした株価指数です。ただし、米国に本社があることが条件となっていますのでADR等は含みません。

名目GDPとは

名目GDPは国内総生産のことです。ニュースなどで見聞きしたことあると思います。実質GDPという言葉もありますが、違いはインフレ率が考慮しているのか否かの違いです。バフェット指数で使う名目GDPはインフレ率を含みません。

こちらも日経新聞のWEBからみることができます。

>>名目GDP

バフェット指数の見方

バフェット指数は上記の通り自分で計算することも可能ですが簡単に見れる下記のようなサイトもありますのでそちらを利用すると便利です。

>>バフェット指数(日本版)チャート

>>バフェット指数(アメリカ版)チャート

バフェット指数は100が基準となります。100を超えていると割高となります。バフェット指数は2つの指標で何故計算するかを考えれば理屈はわかります。

株式時価総額は株式相場全体の大きさですから投資家の期待を表しています。逆に名目GDPは実際の経済の状況を表しています。つまり、株式時価総額÷名目GDPという計算で100%を超えるってことは期待が実際を超えているということになります。つまり過大評価、割高な状態を示すのです。

ちなみに1月23日現在の日本のバフェット指数は110。米国は131.99ですから現在も割高な水準が続いている状態であることがわかります。

ただし、過去のバフェット指数の値動きと暴落を確認すると100%を超えたからといってすぐに暴落しているわけではありません。数年をえてから暴落していることが多くなっています。ですが、バフェット指数が100%を超えている状況というのは安全装置は外れてトリガーを引くだけの状態といっても良いわけで注意が必要であるというサインにはなります。

シラーPER(CAPERレシオ)

次はシラーPERです。CAPERレシオともいいます。こちらは長期の平均利益を用いて計算したPER(株価収益率)です。

こちらもバフェット指数と同様に株式市場の割高・割安をざっくり判断する指標として用いられています。

ちなみにシラーPERの生みの親はノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー氏です。

サブプライムローンのときに注目されたS&Pケース・シラー住宅価格指数の生みの親としても有名ですね。

シラーPERの計算方法

シラーPERも簡単な指標で以下の計算式で求めることができます。

シラーPER=株価÷過去10年間の1株あたり純利益の平均値(インフレ率で補正あり)

PERは株価を一株あたりの利益で計算をしますが、一株あたりの利益は年によって大きく変動する性質があります。これに対してシラーPERは過去10年間の1株あたり純利益の平均値を使うことで一時的な要因などを除外して純粋な割高・割安を見ることが可能です。

シラーPERの見方

シラーPERはちょっと計算がややこしいですが、下記のサイトで各国のデータを見ることができます。

>>Research Affiliates

シラーPERは25倍以上で割高と判断されます。平均値は16倍くらいです。ただし、近年はずっと16倍よりも上で推移をしており、シラーPERで割安か否かの判断はちょっとむずかしい気がします。それでも過去の暴落「世界恐慌」、「ITバブルの崩壊」、「リーマンショック」のときはすべてシラーPERは25倍を超えていましたのでその判断としては使える指標といえるでしょう。

ちなみに昨年末の状況で米国は29.01倍ですから25倍を超えた割高状態といえるでしょう。

まとめ

今回は「株式投資で大暴落に巻き込まれないために2つの指標を押さえておこう。」と題してバフェット指数とシラーPERをご紹介しました。2つの指標ともざっくりと全体相場の割高・割安の判断することに長けた指標となります。

私の使い方は以下です。

月に1回、バフェット指数とシラーPERをチェック

以上です(笑)

全体が割高か割安かをわかれば良いですからね。ぜひバフェット指数とシラーPERをチェックしてみてください。

また、暴落と大きな相関関係にあると言われる逆イールドについてもしっておきましょうね。

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