最後の大チャンス?日本郵政が2019年秋にも再度のPO実施へ。過去2回の売出し結果を確認してみた

2019年(令和元年)秋にも日本郵政が1.2兆円超の株を売却するために主幹事選定手続きに入ったとのニュースがでていますね。

2015年11月に新規上場(IPO)、2017年9月に売出し(PO)を行っており3回目となります。どうやら今回が最終売却となるようですから最後の大チャンスになるかもしれません。今回の売出しはかなり大きな規模ですから当選確率はかなり高いと思われます。そのためまず投資するか否かの選択、投資するとしたら何枚買うかという選択が必要となるでしょう。

今回は日本郵政が秋に行うPOについて過去の結果なども踏まえて考えてみます、

日本郵政の政府保有株の最終売却が秋に実施へ


まずは今回の政府保有株の最終売却のいま出ている概要からみてみましょう。

日本郵政株を売出す理由

今回の売出しは現在政府が保有する保有比率発行済み株式総数ベースで56.9%を法律で定める「3分の1超」あたりまで下げるための売却となります。

簡単に言えば政府が保有する株式数が法律で定めるより多すぎるのでそれを不特定多数の方に売るためってことです。別に業績がわるくて。。。とかそういうたぐいのものではありません。

日本郵政株を売り出すPOって?

その売り出すための方法としてPOという方法が使われます。POとは「Public(公開の)Offering(売り物)」の略で公募増資を行う場合や今回のような売出しを行うための方法です。一般的に通常に市場で株を買う場合と比べて割引条件が提示されます。つまりお得買える可能性があるってことなんですよね。ちなみに前回の日本郵政株のPO時の割引条件は2%でした。

日本郵政株の売出しの規模

今回の売却規模は今回の売却対象株数は10.6億株程度と予想されます。調達金額は1.2兆円程度を予想しているとのこと。かなりの規模です。

ちなみに昨年最大のIPOであったソフトバンクの吸収金額が約2兆6千億円でしたからその半分くらいの規模となります。

前回の日本郵政のPOのときは9億9009万9100株でしたから今回のほうが1割くらい大きな規模の売出しとなる予定です。

これだけ売り出されればPOに挑戦したらある程度の株数は手に入るでしょう。ですから挑戦するかしないか。するとしたら何株を買うのかという戦略が必要となります。

日本郵政株の過去の売出し成績

それでは日本郵政株の過去の売り出し成績を見てみましょう。

2015年11月に新規上場(IPO)

まずは2015年11月の新規上場(IPO)時です。

公開価格初値騰落率
1,400円1,631円+16.5%

公開価格は1,400円でした。公開価格とはIPOに挑戦した方が買える金額となります。

そして実際に上場した時についた金額は1,631円でした。つまり、IPOに挑戦した人が初値ですぐ売ったとしても16.5%儲かった事になります。

取得難易度も低めでしたからかなりの株数を手に入れた方もおいででしたね。

2016年9月に売出し(PO)

次に2017年9月の売り出し時です。

発行価格受渡日の始値騰落率
1,322円1,309円+0.9%(配当分含む)

前回のPO時は発行価格は1,322円でした。発行価格とはPOに参加した人が買える金額です。

これは2%の割引を考慮した金額となります。

そして実際に受け渡しされる日の始値は1,309円でした。ぱっとみると下がっているように見えますが、ちょうどタイミング的に配当落日を挟んでいますから配当分が減っているだけです。POに参加した人は配当がもらえたため、それを加味すると実際の騰落率は+0.9%となります。

つまり、POに参加した人すぐ売ればは0.9%儲かったことになります。

IPOと比べると少なめではありますけどね

2回の売出しともプラスで推移しているってことですね。

懸念はソフトバンクのIPOがマイナスだったこと

ただし、ちょっとした懸念もあります。

それは前述した過去最大のIPOとなったソフトバンクがマイナスとなってしまったとこです。

公開価格初値騰落率
1,500円1,463円-2.5%

公開価格は1,500円でした。そして実際に上場した時についた金額は1,463円でした。つまり、IPOに挑戦した人が初値ですぐ売ったとしても2.5%損したことになります。

かなりの株数の発行でしたからたくさん買った方も多かったでしょう。このあたりで大規模な売出しはちょっと心象が悪くなっている可能性もあります。

ちなみにソフトバンクのIPOは私も抽選には参加し当選はしたのですが辞退してたりします

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ソフトバンクIPOキャンセル

日本郵政の業績

それでは肝心の日本郵政の業績はどうなのでしょうか?かなり苦しんでいるんですね・・・

経常収益

一般企業の売上にあたる計上収益は下記のように右肩下がりになっています。

日本郵政経常収益
出典:日本郵政 IRより

経常利益

本業とそれ以外の利益・経費を表す経常利益は直近の2018年には盛り返してはいますが、2016年と比較してまだ少ない状況となります。

つまり、あまり業績はよいとは言えないってことなんです。

ただし、規模は規模ですしキャッシュフローもかなり潤沢ですからすぐにどうこうなるようなものでは全然ありませんが。

日本郵政経常利益2019

出典:日本郵政 IRより

日本郵政の株価推移

次に日本郵政の株価推移を見てみましょう。

こちらも一目瞭然ですが上場してしばらくはかなりあがりましたがそれ移行はだいぶ下がって来ていますね。

最近は1,200円後半くらいをうろちょろしています。

日本郵政株価

出典:ヤフーファイナンス 日本郵政より

株価指標

株価指標も業績がいまいちなのもあり、それなりに割安となっています。

今日現在で予想PER11.75倍、実績PBR0.39倍、予想配当利回り4%です。

ただし今後大きな成長を見込める企業でもないでしょうしそのあたりをどう考えるかでしょうね。

ただ配当利回りはかなりよいですし悪くない株価ではあります。

ちなみに月曜から夜ふかしで有名になった桐谷さんの投資手法は配当利回り+株主優待利率が4%を超えていたら買いですから対象となりえる状況です。

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桐谷広人株主優待生活手法

日本郵政株の追加売り出しに挑戦すべきか?

それでは今回の日本郵政株の追加売出しは挑戦すべきかどうなのでしょうか?

私の考えとしては今の時点ではわからない。直近の相場状況、割引率をみて考えましょうって感じでしょうか。

ただし、配当利回りも悪くないですし、長期的な目でみれば大損ってことは少なそうではあります。

まとめ

今回は「最後の大チャンス?日本郵政が秋にも再度のPO実施へ。過去2回の売出し結果を確認してみた」と題して日本郵政株の売出しについてみてきました。

今回の日本郵政の売出しは最後の政府売出しとなるでしょう。規模もかなり大きくなり取得難易度はかなり低めのPOとなります。そのため参戦すればある程度の枚数は購入できると思われます。ですからより慎重に参入のぜひを検討してみてくださいね。とくにこのような規模の大きなPOやIPOの場合には証券会社からの勧誘もかなり多くなりますからね。そのあたりは証券会社の言うことを鵜呑みにするのではなく自分自身で判断できるようにしておきたいものです。

この日本郵政の売出しに関してはまた正式にPO条件等が決まりましたが私の判断を記事にしたいと思います。

また、ちょうど今(4/9 00:00~4/17 11:00、最短で4/15 11:00)日本郵政のグループ会社「かんぽ生命保険」もPOを実施していますね。これも日本郵政の売出しと同じく法律で保有割合を減らす必要があるための売却となります。こちらにも着目してあげてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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