キャッシュレス決済の覇権を巡っての争いがどんどん加熱しています。
ゆうちょペイ、セブンペイ、ファミペイと参入企業もどんどん増えて札束での殴り合いがすごいです。
10月からは消費税増税に伴う政府主導のキャッシュバックキャンペーンもスタート。
株式投資の用語で国策に売りなしという言葉もありますから今後はキャッシュレスの方向に大きく国民も動くことが予想されます。
そんな中、私がキャッシュレス決済の本命と考えるPayPayの決算内容が判明しました。
かなり半端ない内容となっていますのでご紹介します。
また、LINEペイやメルペイの決算も判明していますのでそちらと比較してみたいと思います。
PayPayの詳細の解説ははこちらの記事をどうぞ
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※追記:2020年3月決算の速報値を追記しました
PayPayの決算内容が凄かった・・・
まずはPayPayです。
PayPayは急にでてきた会社ではありますが、ソフトバンクとヤフーの合弁会社ですから資金力には定評があります。
それでは決算内容をみてみましょう。
2019年3月決算(2018年4月1日〜2019年3月31日)
2019年3月決算(2018年4月1日〜2019年3月31日)となります。

PayPay決算
出典:ヤフー株式会社 IR 有価証券報告書より
売上収益595百万円に対して販売費及び一般管理費が37,158百万円あります。
そのため当期利益はマイナス36,787百万円(367億円)となります。
普通にこの内容だけみたらかなりやばい決算状況です。
現金及び現金同等物の残高が33,572百万円ですから同じマイナスがもう1年も続けば単純計算でお金が無くなってしまうってことですからね。キャッシュフロー計算書を見てみないと正確にはわかりませんが・・・
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この企業が単独で経営していて投資ししろと言われたら絶対しませんが、バックにソフトバンクとヤフーがいるとなれば話は別ですね。
ぜひ投資したいとなるでしょう。
2020年3月決算(2019年4月1日〜2020年3月31日)
2020年3月決算はまだ有価証券報告書がでていないので詳細までは不明ですが、売上と営業利益はソフトバンクグループの決算短信に記載がありましたので速報値としてご紹介しておきましょう。
売上は少し上がるようになりましたが、営業利益は2019年よりもさらに大きくマイナスとなっていますね。

PayPay2020年3月決算
出典:ソフトバンクグループ IR 2020年3月決算短信より
PayPayの決算。なにがすごいのか
PayPayの決算内容のなにがすごいってこれだけのマイナスとなっても耐えられるってことです。
これは3月までの数字ですが、その後にも再度100億円還元キャンペーンを実施しています。
また、店舗にPayPayの導入してもらうために人員もかなり使っているようです。
私も下記記事のとおりPayPayの加盟店に入りましたが定期的に社員さんから会いたいと連絡があるなど気合の入り方が半端ないです。(お断りしてますが・・・)
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つまり、PayPayは販売促進のために大きくお金を使っているのです。
これができるのはバックにソフトバンクとヤフーがいることが大きいのでしょう。
また、現在PayPayは加盟にお金は一切掛かりません。決済手数料や振込手数料もとっていないんですよ。
むしろ加盟すると最大10,000円のキャッシュバックまでしているんです。
つまり、売上があがりようがない状況です。
まずは加盟店を増やして、利用者を増やすことを目指しているんですよね。
この手のビジネスは覇権をとってデファクトスタンダードになってしまえば、その後はチャリンチャリンモデル(お金が自動的に降ってくる)に突入ですからそれを目指しているのでしょう。
ある意味、ブロードバンド普及前のヤフーBBと同じ手法です。
さすが孫正義さんだな・・・って感じがしますね。
PayPayは使い勝手がよい
私は個人的にキャッシュレス決済をかなりの種類試しています。
その中で使い勝手が抜群によいのがPayPayですね。
とくに下記の点から他社でキャンペーン等がなければPayPayを使うでしょうね。
キャッシュバックの状況がその場でわかる(当たり・ハズレなど)
QRコードを読んでもらうこともこちらが読み取ることも可能
今の時点では私はキャッシュレス決済の本命はPayPayだと考えています。
PayPay経済圏誕生か?
また、今後の計画として「PayPay銀行」、「PayPay証券」、「PayPayカード」などPayPayを中心にソフトバンクグループ全体で注力していくことも発表されています。
楽天のような経済圏が誕生する予感しかありません。
どうやらヤフーの商標はベライゾンが持っていて使用料を支払っているようなんですよね。
ですから今後はヤフーブランドからPayPayブランドへシフトしていくことになるようです。
その中心がキャッシュレス決済のPayPayとなります。
ですから社運を掛けてキャッシュレス決済の覇権を取りに行っているのでしょう。
キャッシュレス決済の他社決算との比較
今のところキャッシュレス決済事業者単独で決算内容がわかるのはLINEペイとメルペイです。
そちらと比較してみましょう。
LINEPayの決算内容
LINEPayはLINEのキャッシュレス決済です。
第5期の損益計算書(平成30年1月1日〜12月31日)は以下の通りとなっています。
営業利益 -53億3,301万円
経常利益 -53億6,162万円
当期純利益 -54億373万円
利益剰余金 -99億1,762万円
出典:LINEPay 決算公告より
12月までの数字とキャッシュレスの争いが激化する前の数字ですがこちらもかなり大きなマイナスとなっていますね。
また、LINEPayは意外?と売上が立っているんですね。
LINEペイもその後、友達紹介で300億円還元や20%還元を実施しています。
どれだけマイナスが増えているのか楽しみです。
ちなみにLINEはPayPayの親会社のZホールディングスと経営統合しました。
その影響でLINEPayもPayPayと統合するという話も出ていますね。
2つでシェア60%超えなんですよ。
出典:公正取引委員会 Zホールディングス株式会社及びLINE株式会社の経営統合に関する審査結果について
メルペイの決算内容
メルペイはメルカリのキャッシュレス決済です。
こちらは2017年11月20日設立でそこから2018年6月30日の決算内容ですから参考程度の情報とはなります。
売上総利益 0円
営業利益 -8億8,920万円
経常利益 -8億8,919万円
純利益 -8億9,071万円
利益剰余金 -8億9,071万円
出典:メルペイ 決算公告より
こちらもまだメルペイ自体がロンチする前の決算ですから売上は立っていません。
その後、70%還元など思い切った策をだしてきていますので、次回の決算発表でどれだけ大きなマイナスとなっているのかある意味楽しみです。
まとめ
今回は「PayPayの決算内容が半端ない件」と題してPayPayを中心にキャッシュレス決済企業の決算内容(損益計算書)をみてきました。
3社ともかなりの赤字となっています。
今後も覇権を巡ってかなり激しいキャンペーンや販売促進合戦が繰り広げられることでしょう。
そうなると資本力のによる部分がかなり大きくなりそうですね。
親会社の資本力、今現在の普及状況、実際のアプリや仕組みの使い勝手を勘案するとPayPayがこの分野の本命かな?と私は考えていますね。
まだ加盟していない小売店や飲食店を運営されている方も早めに導入するのをおすすめしますよ。
初期導入費、決済手数料、入金手数料すべて0円なのに加盟すると最大10,000円を還元するキャンペーンも行われています。これができるのがソフトバンクグループの資本力なんでしょうね。
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なお、PayPayの決済システム利用料は、
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今回ご紹介したような決算書の見方についてはこちらの記事を参照ください。
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