読者様からご質問をいただきましたのでこの場を借りて解説していきます。
いただいたご質問を要約すると以下の通りです。
具体的な銘柄の言及は避けますが、ここ数年で新規上場した成長企業ですね。
実はこのような現象は新興株、小型株によく見られる話なのです。
なんたらショックのような大きな下げがあるとそういう銘柄の方が影響を受けやすくなります。
今回は小型株や新興株がより新型コロナウィルスの影響で株が大きく下がっている理由について解説していきます。
小型株・新興株が下げやすい理由
今回のような大きな全体が下げる相場になると大きな影響を受けやすいのが小型株、新興株です。
大きな会社で成長が止まってしまっているような株と比較しても大きく下げてしまうんですよ。
上昇相場では小型株効果といって小型株の方が上げやすいというアノマリーもありますが、下げ相場では小型株効果が逆に働くんですよ。
小型株効果については下記記事を御覧ください。
これにはいくつも理由があります。
小型株や新興株は機関投資家の売りの影響を受けやすい
今回のご質問いただいた銘柄は多くのアクティブ型の投資信託に組み入れられていました。
また、そもそも上場時からペンチャーキャピタルが株主に多く入っていました。
もともと時価総額がそれほど大きくない銘柄で大きな機関投資家が入っていれば、それらが逃げてしまうだけでも大きな下げになるのは当然ですね。
ちなみに当該銘柄については大口の機関投資家が売っているのが5%ルール(株券の大量保有に関する)で判明しています。
この部分が最も大きいと思われます。
ジェイクールの例
例えば、一時期トンデモないリターンを記録して大人気となっていたSBI小型成長株ファンドジェイクールという投資信託があります。
IPO株や新興株、小型株成長株を買う投資信託です。
この投資信託の純資産額は1月末の時点では10,915百万円ありました。
それが3月19日時点では6,212百万円しかありません。
つまり、1ヶ月半くらいで4,703百万円減っているのです。
これだけ純資産が減っているということは、株価が下がっているのも原因ですが、解約が増えているのも当然あるでしょう。
解約されれば投資している株も減らす必要があります。
ジェイクールが持っている株の大半は小型株や新興株です。
小型株や新興株は規模が小さいがために機関投資家のちょっと売りでも大きな影響となってしまいます。(株価は大きく下がります)
そうなればジャイクールの基準価格も当然下がります。
基準価格が下がれば解約が相次ぎます。
解約が相次ぎ純資産額が減るという悪循環になってしまうんですよ。
今回の新型コロナウィルスの下げで多くのアクティブ型投資信託が同じような状況となっています。
かなり解約が増えてしまっているんですよ。
そうなれば規模が小さい小型株や新興株の株価はどうしても厳しくなります。
今回ご質問いただいた銘柄はアクティブ型投資信託に多く組み込まれていましたのでその影響がより強く出てしまったのでしょう。
日銀砲、年金砲を受けられない
今回の新型コロナウィルスでの日経平均やTOPIXの下げは、他国と比べるとそれほど鋭くありません。
これは日本銀行がETF(上場投資信託)を買い付けていることが大きいと言われています。(個人的には相場をおかしくしていますし、出口戦略がまったく見えませんので大反対ですが・・・)
連日かなりの金額で買い入れしているんですよ。
例えば3月に入ってからだけでも日銀が以下の買付をしています。
3/6:1,002億円
3/9:1,002億円
3/10:1,002億円
3/12:1,002億円
3/14:1,002億円
3/17:1,204億円
3/19:2,004億円
しかし、今回の銘柄のように小型株や新興株の場合にはTOPIXや日経225の対象にはなっていませんのでこのような買い支えが受けられないのです。
ですから日経平均やTOPIXの下げ以上に当該銘柄が下げるのは仕方ないのです。
この部分も大型株と比較して大きく下げている原因の一つですね。
これは年金を運用しているGPIFも同様ですね。
GPIFも投資規模はかなり大きくなっていますが、その恩恵を小型株や新興株が直接に受けることができません。
小型株・新興株は倒産リスクも高い
また、小型株、新興株は元々リスクが高く、リターンも高いと言われています。
なんたらショックや今回の新型コロナウィルスのような状況になるとどうしても投資家はリスクをより回避する動きになりやすくなります。
そのため、小型株や新興株は売られやすくなるのです。
当然、小型株や新興株は規模が小さい会社ですから、大きなマイナスがでてしまうとそれだけで資金が回らなくなってしまって倒産なんてことになりかねませんからね。
その逃げる資金が機関投資家ならより影響は大きいものとなります。
小型の成長株は割高な水準となりがち
また、今回ご質問いただいた銘柄は成長株でしたのでかなりPERやPBRが高い水準となっていました。
数年先までの成長を織り込んでいるんですね。
しかし、今回のような大きな経済危機が訪れると数年先までの成長を展望するのが難しくなり、高いPERやPBRを許容するのが難しくなります。
そのため売りが出やすくなることも考えられます。
これも機関投資家が逃げる原因の一つですね。
まとめ
今回は「大きな下げで株を買うなら小型株・新興株より大型株がよい理由」と題して小型株は下げ相場ではより下げやすいってことを見てきました。
もちろんなにか材料がでた場合にはより高騰しやすいのは小型株ですから狙うのは面白いと思います。
しかし、大型株と比較してどうしても不利になることが有る点は知って投資したいところですね。
これから株に挑戦するなら
新型コロナウィルスの件で株価が暴落したことで証券会社の口座開設が増えているという話があります。
安いときに買うという大前提を考えればうまいやり方なんですよ。
ただし、まだ下げ相場が続いています。
大底がどこかなんてだれにもわかりませんので、ちょっとずつ買っていくことがおすすめです。
個人的にはこのような相場では小型株よりも大型株、より新型コロナウィルスの影響を受けにくい株、絶対倒産しないような財務が安定している株がおすすめです。
特に下記2社の証券会社は1株単位で株を買えますのでそういうニーズにはぴったりですね。
まずはこの辺りから始めるとよいでしょう。
CHECK! SBIネオモバイル証券
CHECK! LINE証券
また、投資信託、つみたてNISA、100株単位以上で株を買うなど本格的に始めたい方は手数料が安く、注文方法、取扱商品なんかが多彩なこの2社がおすすめです。
CHECK! SBI証券
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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