Go Toトラベルキャンペーンのキャンセル料を政府が負担へ。しかし、不正が横行しそうな予感しかしない件

新型コロナウィルスの経済対策のV字回復フェーズとして鳴り物いりで始まろうとしている「Go Toトラベルキャンペーン」。

始まる前から二転三転しています。

当初は8月からスタート予定でしたが、夏休みを意識して7月22日に前倒しで実施に。

しかし、東京で新型コロナウィルスの感染が広がったことで東京発や東京着の旅行は対象外となり、高齢者や若者の団体旅行も対象外とするようにとの話になっています。

急遽方針が変更したことで対象外となった旅行を予約した人がキャンセルする際にひと悶着しているという話もあります。

そこで政府はキャンセル料を負担するという話になったようです。

しかし、、、これ不正が横行しそうな予感しかしないんですよ。

今回はこの件について考えてみたいと思います。

なお、新型コロナウィルスの経済対策を巡っては急遽作った制度ばかりですから穴が多く、すでに下記記事に書いたように持続化給付金など他の制度でも不正が横行しているのが現状です。

Go Toトラベルキャンペーンとは

まずは今回の話の大前提となるGo Toトラベルキャンペーン(Go To トラベル事業)について見ておきましょう。

国内旅行の旅行代金を半額を支援

国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の1/2相当額を支援。
○ 支援額の内、①7割は旅行代金の割引に、②3割は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与。
○ 一人一泊あたり2万円が上限(日帰り旅行については、1万円が上限)。
連泊制限や利用回数の制限なし
GoToキャンペーン概要
GoToキャンペーン概要

出所:国土交通省 観光庁 「Go To トラベル事業」より

Go Toトラベルキャンペーンの目玉は国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の1/2を支援してくることです。

具体的には旅行代金の2分の1の7割が割引となり、3割が旅行先で使えるクーポンとして配布されます。

つまり、旅行代金全体からみれば35%が割引され、15%がクーポンとしてもらえるのです。

かなりお得ですね。

新型コロナウィルスの再度の広がりがなければ利用者がかなり多くなっていたと思われます。

Go Toトラベルキャンペーンは7月22日から対象

Go Toトラベルキャンペーンは7月22日(水)からの旅行が対象となります。

なお、既に7月22日以降の旅行を予約している方も申請をすると割引分が還付されます。

7月27日以降については旅行業者、予約サイト、宿の直販予約システム等において、 準備が整った事業者から、割引価格での旅行の販売を実施するとのこと。

もともと8月からの実施ということでしたからシステムが間に合わなかったようですね。

なお、15%クーポン(地域共通クーポン)についてはまだ参加店の募集も始まってない段階ですから実施は9月1日以降となります。

Go Toトラベルキャンペーンについて詳しい条件等についてはこちらの記事を御覧ください。



Go Toトラベルキャンペーンの急遽の方針転換

東京で新型コロナウィルスの感染が再度広がって来ていることを受けて7月17日になって急遽、東京発や東京着の旅行は対象外となりました。

なお、他の県に在住の方が東京を経由して行く旅行についてはそのまま対象とのこと。例えば名古屋の方がのぞみで東京まできて東京駅で東北新幹線に乗り換えて仙台に行くというような旅行ですね。

また、高齢者や若者の団体旅行も対象外とするようにとの話になっています。

高齢者や若者の年齢の線引や団体旅行と定義される具体的な人数等は旅行会社が判断するということのようです。

混乱が生じそうな予感しかしませんが・・・

キャンセルが多発

急遽、Go Toトラベルキャンペーンの対象が変わりましたので還元を期待して既に予約をしている方で対象から外れる方は当然キャンセルをします。

日程に余裕がありキャンセル料が発生しない場合は問題ないでしょうが、予約の仕方によってはキャンセル料が発生するケースもあります。

Go Toトラベルキャンペーンがあったから予約した方にとっては納得いかない話です。

当然、批判が多かったため、政府はそキャンセル料を補償する方針に転換しております。

政府は当初の方針を転換し、東京を割り引きの対象から外したことに伴うキャンセル料について補償する方針です。対象は、キャンペーンの開始日を公表した今月10日から17日までの間に旅行を予約した人とすることを検討しています。
出所:NHK

NHKの報道によるとGo Toトラベルキャンペーンの開始日を公表した7月10日から東京などを対象外とすると発表した7月17日までに予約した人が返金の対象となりそう。


やり方を工夫しないと不正が横行する予感

今回のキャンセル料を政府が負担する話は当然だと思いますし、やるべきだと思います。

しかし、個人的に危惧しているのはやり方しだいでは不正が横行するのでは?ということなのです。

具体的に見ていきましょう。

考えられるキャンセル料の補償方法

現在考えられるキャンセル料の補償方法は2つです。

  • 旅館や旅行業者など事業者へキャンセル料を取らないようにしてもらい、事業者へ政府が補償
  • キャンセル料を一旦、旅行者が支払いその代金を政府が補償

手続きの手間暇を考えるとおそらく前者で行うと思われますが、不正が横行しそうな予感が強いのです。


考えられる不正

いろいろなパターンの不正が考えられます。

キャンセル料を取らないケースも必要とする

まず考えられるのが以下のパターンです。

本来はキャンセル料を取っていないケースまでキャンセル料が必要だったことにする

一般的に旅館やホテルでは以下の国土交通省が定めた標準的な約款に倣っているケースが多いです。

前日:宿泊料金の20%
当日:宿泊料金の80%
当日連絡なしの不泊:宿泊料金の100%
つまり、今回のGo TOトラベルキャンペーンは22日以降の旅行が対象ですから上記約款ならキャンセル料は掛からないはずです。
また、パック旅行などでも今回のような特別なケースでは大目に見てくれてキャンセル料を取らないケースが多いんですよ。
私も新型コロナ発生前に予約したキャンセル不可の海外旅行を全額返金してもらえました。
そのようなケースでも約款にはそうなっているということで政府に請求するケースもでてくるでしょう。
書類上はまったく問題ありませんので厳密には不正と言えませんがなんだか気持ち悪い話ですよね。原資は税金ですし・・・
この場合、書類上はまったく問題ありませんし、偽りもありませんから正直防ぎようがありません。
事業者の良心に委ねるしかないというわけです。
普段キャンセル料を大目にみてくれていたのが良心的だったといばそうなんですしょうけどね。

架空予約でキャンセル多発したことにする

一番懸念しているのがこれです。

架空で予約があったことにして、キャンセル料をもらう

事業者側に返金をするとなるとこういうことが簡単に出来てしまうんですよ。

そもそもどのような予約があったのかは事業者側が把握しています。

それを偽ることは難しいことではないでしょうからね。

架空の予約があったことにしてキャンセルとなったとすれば政府からお金がもらえるとなれば実行してしまう事業者もでてくると思われるのです。

これも防ごうとすれば予約をした人に一人ひとり本当に予約したのかを確認をとったりする必要があるでしょう。

それを行っても事業者側とグルだったら回避が可能ですし、防ぐのは現実的ではないですね。

事業者の良心に委ねるしかないのかな・・・


まとめ

今回は「Go TOトラベルキャンペーンのキャンセル料を政府が負担へ。しかし、不正が横行しそうな予感しかしない件」と題してGo TOトラベルキャンペーンのキャンセル料問題について見てきました。

今回は急遽前倒しした話を急遽内容を変更するとか二転三転しているのが問題の話です。

予約した人には何も罪ははいのですからキャンセル料を政府が負担するのは当然でしょう。

しかし、やり方を間違えるとまた税金が無駄に流れてしまうことになりかねません。

なんとか対策を考えてほしいところではありますが・・・手間暇は掛かりますが予約した本人に返金する仕組みのほうが不正は少なくなると思われます。不正発生のリスクも考えてどちらが税金が少なくなるかを検討してみてほしいところですね。

※追記:実費精算ということになりそうです。多くの事業者は早い段階のキャンセルなら実費は殆どかかってないでしょうからね、

ただし、今度は事業者側の手間暇がすごそうですね・・・どちらにしても微妙な判断としか言いようがありません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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