「株の払い戻し」というなんか聞き慣れないキーワードがツイッターのトレンド入りしていました。(韓国ではツイッタートレンド1位だったそう)
なんでも韓国で大人気となっているBTS(防弾少年団)というグループが所属する事務所(ビッグヒット・エンターテインメント)が新規株式上場(IPO) 。
その後、かなり高騰したのですが、すぐに大暴落して多くの若者が大損してしてしまったのです。
どうやら今回、BTS株を購入した方の多くが株の知識が皆無の方が多かったようで「株の払い戻し」方法や「消費者保護法」なんかを調べていたよう・・・
自己責任としか言いようがありませんけどね。。。
今回はこの話からの教訓を考えてみましょう。
BTS株の値動きはやばかった
まずは今回の話の前提となるBTS株(ビッグヒット・エンターテインメント)の値動きの話から見ておきましょう。
公募から高騰まで
BTS株は10月15日に新規上場しました。
公募価格は1株135,000ウォン。日本円で換算すると12,062.06円となります(1ウォン0.092792円で換算)
公募価格とはIPOで購入する人が買える価格です。
IPOの場合、日本でもそうですが、人気の銘柄になると公募価格を大きく上回る価格でスタートすることはよくあります。
BTS株も同様に270,000ウォンと倍の価格からスタートします。
BTSファンの若者がBTSの将来性を信じて疑わないですからこぞって購入したようなのです。
株価はそこからさらに高騰します。
351,000ウォンまでその日のうちに高騰。
ちなみにこの時点の時価総額は1兆円超えとかなり大企業と肩を並べたレベルの株価となっています。
ちなみに日本に時価総額1兆円超え企業は100社程度しかありません。
そのレベルまで株価が上がってしまったのです。
ある意味バブル状態ですね。
ちなみに公募価格で買えた人は初値(はじめに付いた値段)で売れば倍になってましたし、最高価格で売却すれば216,000ウォンも儲かった計算となります。
高騰から暴落
しかし、そのバブル状態は長く続きません。
すぐに下がってしまうのです。
その日のうちに258,000ウォンまで下がります。
初値価格を下回っていますね。
次の日には200,500ウォン、その次の日には189,000ウォン、さらにその次は182,500ウォンと下がり続けます。
ちなみに10月26日時点では156,000ウォンまで下がっています。
公募価格はかろうじて維持していますが、上場後に購入した人の多くは大きく損をした状況となっています。
出典:グーグル Big Hitエンターテインメント 市場概況より
初値の270,000ウォンでBTS株を買った人はすでに40%近く損をしている状況なのです。
今まで株を経験したことない若者にはちょっと耐えられない水準かもしれません。
ただし、このBTSの暴落はとんでもないレベルってわけでもなく、日本の新興企業のIPOでも全然ありえるレベルの話なんですよ。
株式投資の知識を得ずに株を購入した人の末路・・・
今回の話の悲劇は多くの若者がBTSの将来性を信じて疑わず、借金したり、結婚資金で貯めてたお金などを投資に回して大損したことでしょう。
その投資をした多くの若者は株式投資の知識もほとんど得ることなく投資をしています。
そのため、「株の払い戻し」方法や「消費者保護法」なんかを調べるという話になってしまったようです。
「結婚資金として貯めた5千万ウォンで投資したんですが、キャンセルできますか? まだ一日もたってないので、可能だと思いますが、実際、キャンセルしてみた方はいらっしゃいますか?」
「D+2営業日以内に証券社に行けば払い戻してくれると聞きましたが、正確な規定などありますか? 今後は投資を法的に禁じられてもかまいませんので、払い戻しの方法を教えてください。購買証明資料もあります」
「どうして払い戻しできないんですか? 消費者保護法もありませんか?」
出典:現代ビジネス「BTS株」に人生を賭けた韓国の若者たちは一夜にして奈落へ堕ちた より
上記は現代ビジネスに掲載されている書き込み内容ですがこのような話がツイッター上に溢れていたようなのです。
株の知識がある方からすれば「株の払い戻し」なんてあるわけないとすぐにわかりますが、株をそもそもやったことない方からすると普通のチケットや商品を購入した返品のような扱いで考えているんでしょうね。
株式投資に払い戻しはない
当然のことながら株の払い戻しはありません。
その時点の株価で売るしかないのです。
BTS株(ビッグヒット・エンターテインメント)が今後どういう株価推移をするのかわかりませんが、どうしても買った金額で払い戻しを受けたいなら買ったときの株価に戻るまで待つしかないのです。
今後、購入価格にすぐ戻る可能性もないことはありませんが、その永遠に戻ることはない可能性もありますが・・・
なお、株を売るまで損ではないと考える人も見えますが、個人的には自分の想定と違っていたら一旦出直す意味も含めて損切したほうが良いとは思いますけどね。
投資を始めるな勉強は必須
今回BTS株で損をした方の多くは株の知識もろくにないのにBTSの将来性にかけたり、BTSを応援する意味で株を買ったのだと思われます。
応援する目的だけというなら止めません。
しかし、将来性にかけて株価の値上がりを狙うならもっと勉強してから始めるべきでしょう。
株は将来性だけで上がるものではないからです。
いろいろな要素が噛み合って株価が作られます。
ですからそのあたりを理解しないまま、まったく勉強せず始めるのは愚の骨頂なのです。
とくに個別株の投資を長期でやるつもりならその会社のビジネスモデルや決算内容をしっかり分析して理解できるようになってから行うべきだと個人的には思います。
他の投資詐欺などでもそうですが、自分が理解できないものに投資をするのはオススメできません。
投資の勉強をするには
それではどう投資の勉強をしたら良いのでしょう?
個人的には投資の本をおすすめします。
最近、投資の勉強は有料noteを買って始める人が増えているようですが、おすすめしません。
実績のある海外著名投資家の書籍がおすすめです。
また、資格の勉強なども有効な方法です。
資格の勉強が直接的に株式投資に役立つことはそれほど多くはありませんが、体系的に網羅的に学ぶことが出来ます。
資格まで取らなくても勉強するだけでも効果は大きいでしょう。
まとめ
今回は「BTS株暴落で「株の払い戻し」がツイッタートレンド一位。投資は勉強してから始めよう」と題してBTS株の暴落の件を見てきました。
まとめると以下の通り。
- 株式投資で払い戻し制度はない
- 知識を持たず株を始めるのは無謀
- 勉強してから株式投資を始めよう
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