最近、新しいNISAが始まるからなのか株式投資や資産運用の勉強方法を聞かれるケースが増えてきました。
株式投資や資産運用するためには様々な知識が必要なんですよ。
その習得のために関連する本を読むなどして学習する人が多いでしょう。
ちなみに初心者向けのおすすめ本はこちら

また、下記記事で書いたように株式投資や資産運用には実践でしか身につかないことも多くあります。

それ以外の方法としておすすめなのが、資格の勉強をすることです。
資格を勉強することでその分野について体系的に深い知識、幅広い知識を得ることができるのです。
今回は資格マニアのわたしが株式投資や資産運用に役立つという観点でおすすめ資格をご紹介します
資格マニアの私の資格遍歴
まずは資格マニアの資格遍歴をご紹介しておきましょう。
私が現在持っている主な資格は以下のとおりです。
中小企業診断士
社会保険労務士
日商簿記1級
1級販売士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小事業主資産相談業務)
年金アドバイザー3級
ビジネス会計検定2級
第二種情報処理技術者(現在の名前は基本情報処理技術者)
初級システムアドミニストレータ(現在の名前はITパスポート)
第二種電気工事士
他にもとっている資格はたくさんあります。
また資格まではとっていませんが、勉強をかじった資格もいくつかあります。
資産運用全般について必要な知識を幅広く学べる資格
まずは資産運用全般的に必要な知識を幅広く学べる資格です。
ファイナンシャルプランナー
まずはお金に関わる資格の代表的なものであるファイナンシャルプランナーです。
ファイナンスシャルプランナーとは簡単に言えばお金の専門家で日本FP協会によりと以下のような資格となります。
FPとは、一人ひとりの将来の夢や目標に対して、お金の面で様々な悩みをサポートし、その解決策をアドバイスする専門家です。個々人や家族のライフプラン(人生設計)に基づく将来の収支の見通しを立て、最適な資産設計・資金計画を提案、アドバイスを行い、その実行をサポートします。
出所:日本FP協会「ファイナンシャル・プランナー(FP)について」より
ただし、一口にファイナンシャルプランナーといってもいろいろあるんですよ。
資格自体がちょっと複雑な体系となっています。
まず、資格は1級から3級までとCFP、AFPとあります。
ちなみにファイナンシャル・プランニング技能士1級から3級は国家資格
CFPとAFPは民間資格です。
さらに主催が日本FP協会と金融財政事情研究会と2つあるんです。
かなりややこしいですね。
レベル的にはAFPがファイナンシャルプランナー2級レベルと同レベル、CFPはファイナンシャルプランナー1級と同レベルになります。
ファイナンシャルプランナーを勉強すると学べること
ファイナンシャルプランナーを勉強したからと言ってうまく株の売買ができるわけでもありませんし、資産運用ができるわけでもありません。
ただし、幅広くお金に関する知識を学ぶことが出来ます。
例えば私が実際に合格しているファイナンシャル・プランニング技能士2級はライフプランニングと資金計画、リスク管理(保険など)、金融資産運用、タックス・プランニング、不動産、相続・事業継承から問題が出題されます。
つまり、お金に絡む話を幅広く出題されるってことですね。
ただし、一つ一つの論点はそれほど深くはありません。
ですからファイナンシャルプランナーに受かったからと言って投資がうまくなるわけではありません。
あくまでも幅広い知識があるよっててことですね。
ちなみに少し前にオリエンタルラジオの中田氏がファイナンシャルプランナーをディスって話題となっていましたね。

ファイナンシャルプランナー合格に必要な時間
ファイナンシャルプランナーに合格するために必要な合格時間はもちろん資格の級やCFPなのかAFPなのかにもよって異なります。
資格学校などの情報だとこれくらいの勉強時間が合格の目安だそうです。
ちなみに私がファイナンシャル・プランニング技能士2級に合格したときは30時間程度の勉強時間でした。
ただし、私は事前に範囲が重複する中小企業診断士や社会保険労務士、1級販売士等に合格していましたのでこれくらいで済んだという部分もあります。
私がファイナンシャル・プランニング技能士2級に合格したときの勉強方法はこちらの記事を御覧ください。


中小企業診断士
個人的におすすめはこちらです。
中小企業診断士です。
こちらは簡単に言えば経営コンサルタントの資格です。
実は他にも経営コンサルタントの資格はいろいろあるのですが、中小企業診断士は経営コンサルタントとして唯一の国家資格なんですよ。
運用益50億円を超えるという有名投資家の井村俊哉さんも中小企業診断士の資格を持っていますね。
中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。法律上の国家資格として、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録します。
出所:中小企業診断協会 「中小企業診断士ってなに?」より
中小企業診断士制度は、中小企業者が適切な経営の診断及び経営に関する助言を受けるに当たり、経営の診断及び経営に関する助言を行う者の選定を容易にするため、経済産業大臣が一定のレベル以上の能力を持った者を登録するための制度です。
中小企業と名前に入ってはいますが、大企業でも十分通用する内容となっています。
実際に合格者の多くが大企業所属の会社員だったりします。
中小企業診断士を勉強すると学べること
中小企業診断士は経営コンサルタントの資格です。
勉強をすると会社の経営全般について学ぶことができます。
ですから株式投資などに必要な財務分析や企業戦略などファンダメンタルズ分析にはかなり役に立ちます。
また、経済学や統計学、ファイナンスの勉強も試験範囲に入っていますから投資に必要なそのあたりの知識もつけることが可能です。
例えば下記記事に書いた金利が上がると株や債券がなぜ下がるのか的な話も体系的に勉強が可能でしょう。

前述した投資家の井村さんは企業の価値を分析する投資方法ですから、中小企業診断士の知識を上手く活かしていると言えるでしょうね。
中小企業診断士の合格に必要な時間
中小企業診断士に必要な合格時間は一般的に下記程度必要だと言われています。
私の場合は1次試験は1発で合格できましたが、2次試験に一度落ちて2度目での合格となりましたのでだいたい1,500時間程度勉強していますね。
ちなみに1次は科目合格制となっており、複数年掛けて合格することが可能です。
2次は1次に合格した年、その翌年のみチャンスとなっております。
ですから2年〜3年計画くらいで合格を目指す方が多いですね。

証券アナリスト
証券アナリストは簡単に言えば証券の分析をする専門家です。
証券投資の分野において、高度の専門知識と分析技術を応用し、各種情報の分析と投資価値の評価を行い、投資助言や投資管理サービスを提供するプロフェッショナルです。
出所:日本証券アナリスト協会「証券アナリストとは」より
証券アナリストは国家資格ではなく民間資格です。
しかし、金融業界での評価が高い資格となっています。
こちらもちょっと複雑な試験制度です。
まず、証券アナリストの試験をいきなり受けることはできません。
まず通信教育講座で学習が必要です。
講座終了後にようやく試験が受けられます。
試験は中小企業診断士のように1次、2次に分かれています。
1次レベルは「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」、「財務分析」、「経済」の3科目
2次レベルは「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」、「コーポレート・ファイナンスと企業分析」、「市場と経済の分析」、「職業倫理・行為基準」の4科目となります。
2次レベル合格後に証券分析の実務経験を3年以上有すると認定された方は、日本証券アナリスト協会の検定会員として入会の資格が付与されます。
証券アナリストを勉強すると学べること
証券アナリストを勉強することで証券分析業務に必要な専門的知識と分析技術を学ぶことができます。
ですから中小企業診断士と同様に株式投資などに必要な財務分析や企業戦略などファンダメンタルズ分析にはかなり役に立ちます。
中小企業診断士よりはここの部分ばかりの試験なわけですからより専門的な部分まで勉強が可能となります。
私も証券アナリストはどこかのタイミングで資格の勉強をしたいと思っています。
証券アナリストの合格に必要な時間
証券アナリストの合格に必要な勉強時間は一般的に下記程度必要だと言われています。
ファンダメンタルズ分析に役立つ資格
次にファンダメンタルズ分析に役立つ資格です。
前述の中小企業診断士も当然に役立ちますが、他にもこれら資格を勉強すると効果的です。
簿記検定
まずは簿記検定です。
簿記検定もファイナンシャルプランナーと同様にいろいろな種類があります。
まず主催者がいろいろいるんですよ。
日本商工会議所、全国経理教育協会、全国商業高等学校協会などです。
一番メジャーなのは日本商工会議所主催のもので日商簿記とも言われます。
ちなみに主催者が違うと難易度も違います。
日商簿記3級で全国経理教育協会(全経)、全国商業高等学校協会(全商)の2級レベルです。
1ランク位違う感じですね。
まず勉強するなら一番メジャーな日商簿記がおすすめですね。
簿記を勉強すると学べること
簿記を勉強することで貸借対照表、損益計算書などを理解することができるようになります。
特に株式投資などをやる場合に企業の業績は非常に大事ですからその辺りの判断ができるようになるのはうれしいですよね。
1級くらいまで学ぶとキャッシュフロー計算書まで理解できるようになります。
キャッシュフロー計算書は特にちょっとお化粧した(粉飾決算)を見破るのにとても役にたちます。
特にIPOや新興市場の株を買うときは読めるようにしておくとよいでしょうね。
私も実は中の人だったことがありますので・・・・
詳しくはこちらの記事を御覧ください。

簿記の合格に必要な時間
日商簿記の勉強時間は資格学校などの情報だとこれくらいが合格の目安だそうです。
他の資格でもそうですが、1級になると急に難易度が上がります。
ただし、株式投資を考えるならキャッシュフロー計算書は学んでおきたいところですね。ちなみに中小企業診断士でもキャッシュフロー計算書はやりますのでそちらで学習すれば不要ですけど
簿記は3級から順番にやるのがおすすめですね。
おすすめのテキストは以下です。
ちなみに簿記2級は難易度の割にメリットが大きいのでおすすめですよ。

ビジネス会計検定
ビジネス会計検定は簿記と非常の近い検定です。
簿記は財務諸表(貸借対照表、損益計算書など)を作ることが中心。
ビジネス会計検定は財務諸表を読むことが中心の資格となります。
ですから 株式投資に役立てたいならこちらの方が最適な資格なんですよ。
ただし、知名度はあまりありませんから、就職や転職に役立てることを考えるなら簿記検定の方が有利でしょうけどね。
ちなみにビジネス会計検定の主催は大阪商工会議所となります。
ビジネス会計検定を勉強すると学べること
ビジネス会計検定は株式投資を考えるならかなりおすすめの資格です。
それぞれの級での到達目標点は以下となっています。
3級:会計の用語、財務諸表の構造・読み方・分析等、財務諸表を理解するための基礎的な力を身につける。
2級:企業の経営戦略や事業戦略を理解するため、財務諸表を分析する力を身につける。
1級:企業の成長性や課題、経営方針・戦略などを理解・判断するため、財務諸表を含む会計情報を総合的かつ詳細に分析し企業評価できる力を身につける。
中小企業診断士と同様に株式投資にかなり役立つレベルが学習範囲なんですよ。
知名度はありませんから履歴書映えはしませんが、実利をとるならおすすめしたい資格ですね。
ビジネス会計検定の合格に必要な時間
ビジネス会計検定の合格必要な勉強時間の目安は以下のとおりです。
ただし、これも簿記をすでに学んでいる前提の部分ですから、イキナリこちらからの勉強だともう少し必要となるでしょう。
ビジネス会計検定も3級から順番にやるのがおすすめですね。
株式投資や資産運用に役立つ資格:まとめ
今回は「資格マニアが厳選。株式投資や資産運用に役立つおすすめ資格。」と題して株式投資や資産運用に役立つ資格についてみてきました。
特に個人的にオススメは中小企業診断士とビジネス会計検定です。
また、私が勉強もしたことがないので適当なことはいえませんが、証券アナリストも内容だけみるとかなり株式投資や資産運用との親和性は高そうですね。
勉強したからといって株で勝てるようになるわけではありません。
ただし、知識を得ておくことに越したことはありませんのでぜひ勉強してみてくださいね。