GoToトラベルのルールが大幅改定。出張利用、コンパニオンなどが禁止へ。変更された制度を解説

新型コロナウィルスの拡大によって落ち込んだ観光業を支援するためのキャンペーンである「GoToトラベル」が11月6日(金)の予約販売分より大幅改定される事になりました。

急遽始まったため、制度設計が微妙なところもあり、意図していない利用をされていたことが大きな要因となります。

今回は改定されたルールについて解説していきます。

観光が主な目的以外の旅行は原則対象外に

今までが緩かったというだけといえばそうなんですが、今回大幅に「GoToトラベル」のルールが改定されました。

具体的に見ていきましょう。

GoToトラベルの制度

まずは、前提となる今までの「GoToトラベル」の制度を見ておきましょう。

国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の1/2相当額を支援。
○ 支援額の内、①7割は旅行代金の割引に、②3割は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与。
○ 一人一泊あたり2万円が上限(日帰り旅行については、1万円が上限)。
連泊制限や利用回数の制限なし
GoToキャンペーン概要
GoToキャンペーン概要

出所:国土交通省 観光庁 「Go To トラベル事業」より

Go Toトラベルキャンペーンを簡単に言えば国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の1/2を支援してくることです。

具体的には旅行代金の2分の1の7割引となり、3割が旅行先で使えるクーポンとして配布されます。

つまり、旅行代金全体からみれば35%が割引され、15%がクーポンとしてもらえるのです。

今回問題となったのは国内旅行という括りにどこまで入れるのかということです。

GoToトラベルの対象外となる旅行の基準や考え方

「GoToトラベル」は今まで国内旅行の括りがかなり幅広いものが対象となっていました。

中には自動車免許の取得のための合宿など旅行というにはさすがにどうなのか・・・というものが対象とされ賛否がでていましたね。

しかし、今ままではルール的には許容の範囲として問題もなかったので多くの旅行会社が様々なその手の商品を企画、販売してきました。

中には有名店の食事券付き宿泊プランやコンパニオン付きの旅行など目的がそっちじゃんというものまで登場する始末・・・

そこで以下の基準・考え方を元に線引されることになったのです。

GoToトラベル事務局が対象商品として適切であると認めるか否かの基準・考え
観光を主たる目的としていること
②感染拡大防止の観点から問題がないこと
③旅行商品に含まれる商品やサービスの価額が通常の宿泊料金の水準を超えないこと
④旅行者自身が旅行期間中に購入又は利用するものであること
等を社会通念上の観点も含めて総合的に判断します。

出典:GoToトラベル事務局「Go To トラベル事業の支援対象とする旅行商品の基準・考え方の明確化について」

有名店での食事込みの宿泊プランやコンパニオン付き旅行などが除外

具体的に対象外となる商品も例示されています。

・通常の宿泊料金(1万円程度)を著しく超える、館内のルームサービス、食事等でいつでも利用できるホテルクレジット(3万円程度)付宿泊プラン
・通常の宿泊料金(5千円程度)を著しく超える商品(3万円程度)付きの宿泊プラン
・ヨガライセンス講習(4泊5日20万円~)、英会話講習付き宿泊プラン(2泊3日28000円)、ダイビング免許付き宿泊プラン(5~10万円)

出典:GoToトラベル事務局「Go To トラベル事業の支援対象とする旅行商品の基準・考え方の明確化について」

つまり、旅行が主な目的のもの以外は除外ということですね。
当然、前述した自動車免許取得のための合宿や有名店の食事券付き宿泊プランやコンパニオン付きの旅行なども除外されることになります。(宿泊費以外のものが高額な場合)

ビジネス出張は極力制限へ

また、ビジネス出張も基本的には対象外となります。

ビジネス出張を目的とする旅行商品については、本事業の目的である観光需要の喚起という観点から、事業の利用を極力制限させていただくべく、法人の出張手配を目的とした予約サイトにおける割引の適用除外など、利用を制限するための措置を講じることとします。

出典:GoToトラベル事務局「Go To トラベル事業の支援対象とする旅行商品の基準・考え方の明確化について」

とされています。
つまり、仕事での出張での宿泊も基本的には対象外ですよってことですね。
事務局の今回出した適切であると認めるか否かの基準・考え方にある「観光を主たる目的としていること」というのに当てははまりませんから当然といえば当然です。
ただし、極力制限という表現になっており、絶対に対象外ってわけでもないようなのです。
これは後述しますが、出張なのか観光なのかの線引が難しいというところがあるのでしょう。

すでに国や県などでは出張はGoToトラベル対象外だった

実は国や県、市町村が税金を使うような出張は通達がでておりすでにGoToトラベル対象外の扱いでだったんですよ。
私もある仕事で税金を使っての出張予定がありましたので、Go Toトラベルを使って良いのかを問い合わせたところ通達がでており、利用不可。
GoToトラベルを利用したらその分の代金は払えませんとの連絡を頂いておりました。
税金を使って出張する分に対して税金を使って割引やクーポンが出るって変な話ですから当然といえば当然ですけどね。
それを今後は民間のビジネス出張にも適用するってことですね。

1回で8泊以上の宿泊は制限

また、1回で8泊以上の宿泊をする場合は7泊までをGoToトラベルの支援対象となります。

これは実質、ホテル住まいの人がGoToトラベルを利用しているという話が問題になったからのようです。

こちらは11月17日以降の予約販売分からの適用となります。

微妙な線引が残る制度改定・・・

今回の制度変更は当然かな・・・って思いますが難しいのが線引ですね。

出張と観光の線引が難しい

今回のルール改定で最も苦労しそうなのが出張と観光の線引をどうするのかです。

説明文にあったように会社が出張手配する場合には当然わかりますのでGoToトラベルの対象外となります。

しかし、営業マンが個人で予約して出張するケースなどはビジネスでの出張なのか主な目的が観光なのかの線引が旅行会社やホテル側では難しいです。

もちろん法人カードでの支払いや、領収書名義が法人であれば線引できるでしょうが・・・

会社によっては個人のクレジットカードや現金で支払いしてあとで精算する形も多いですし、個人名でも精算OKとしているところなら判別ができないですよね。

出張時のホテル代などは定額支給の会社も多いですから、その場合には領収書も必要ありませんからね。

まさかスーツを着ていたりやキャリーケースを持っていたら出張という扱いにするわけにもいかないでしょうし。。。

ですから前述したように極力制限という表現となっており、絶対ダメという扱いにはしていないのでしょう。

つまり、実際の運用は出張時のGoToトラベルの利用について自粛を促し良心に任せるという感じになりそうです。

なお、GoToトラベルの事務局では「基準・考え方に照らして個別具体的に支援の対象外とするか否かを判断する」としています。

そうは言っても膨大な出張が日々日本中で行われていますから混乱が生じそうな気しかしませんけどね。

会社が制限掛けてくれればよいのだが・・・

もちろん国や県、市町村のように会社によっては独自に制限をかけるところもあるでしょう。

GoToトラベルを利用した宿泊費等は経費精算の対象外とするとかですね。

しかし、会社からしてもGoToトラベルの対象で割引としてくれたほうが経費が少なく済みますから積極的に従業員がGoToトラベルでの出張をしないように対策を売ってくれるとは限りません。(実費精算の場合)

宿泊費・交通費とサービル料金を明確に区分すれば対象

なお、今回対象外として具体的にでているようなヨガライセンス講習、英会話講習付き宿泊プラン、ダイビング免許付き宿泊プラン、コンパニオン付き旅行については前述のように対象外となります。

しかし、宿泊費や交通費とそれらサービス料金を明確に区分すれは旅行代金部分はGoToトラベルの対象となるとのことです。

まとめ

今回は「GoToトラベルのルールが大幅改定。出張利用、コンパニオンなどが禁止へ。変更された制度を解説」と題してGoToトラベルのルール改定について見てきました。

慌てて作った制度ですから仕方ないこともありますが、出張時のGoToトラベルの扱いなどは要領の良い人、ズルした人だけが得をする微妙な線引になっているのが残念ですね。。。

ちなみにGoToトラベルで旅行するならふるさと納税との併用がおすすめですよ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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