令和2年分の「賃金構造基本統計調査」が発表されています。
賃金構造基本統計調査とは名前の通り、賃金の実態を労働者の雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにする統計調査です。
今回は「賃金構造基本統計調査」を元に令和2年に稼げた仕事及儲かる資格をご紹介したいと思います。
この調査は2000年くらいから行われている調査ですから過去と比較したその推移もご紹介していきましょう。
かなりびっくりする変化があるんですよ。。
就職、転職、結婚相手を探すときなどの参考になさってください。
令和2年(2020年)に稼げた仕事
それでは2020年(令和2年)に稼げた仕事を見ていきましょう。
令和2年に稼げた仕事ベスト20
それでは上位20位までみてみましょう。
なお、表示している数字は「賃金構造基本統計調査」の職種、小分類で公開されている残業手当も含んだ「決まって支給する現金給与額」を12ヶ月で掛けたもの+「年間賞与その他特別給与額」の合計としています。
- 航空機操縦士:17,252千円
- 医師:14,403千円
- 大学教授:10,733千円
- 公認会計士、税理士:9,584千円
- 法務従事者:8,787千円
- 大学准教授:8,749千円
- 管理的職業従事者:8,610千円
- 歯科医師:7,875千円
- その他の経営・金融・保険専門職業従事者:7,369千円
- 小・中学校教員:7,140千円
- システムコンサルタント・設計者:6,900千円
- 高等学校教員:6,813千円
- 著述家,記者,編集者:6,743千円
- 大学講師、助教:6,720千円
- 輸送用機器技術者:6,620千円
- 研究者:6,605千円
- 鉄道運転従事者:6,533千円
- 獣医師:6,313千円
- 企画事務員:6,296千円
- 建築技術者:6,198千円
出典:賃金構造基本統計調査を元に「お金に生きる」で作成
1位は昔から高給の象徴である航空機操縦士(パイロット)ですね。
2位がこちらも昔から高給のイメージのある医師となっています。
それぞれ年齢別、企業規模別、男女別など様々なデータがありますので興味ある仕事については元資料で確認してみてください。
かなりいろいろなことがわかりますよ。
資格別のデータ(2019年)
次に資格別で見てみましょう。
なお、2020年(令和2年)の職種の調査方法が変わり、公認会計士、税理士などはそのままですが、弁護士などの区分がなくなっています。(法務従事者に含まれる)
ですから資格については2019年(令和元年)の調査に基づいて見ていきます。
- 医師:11,692千円
- 不動産鑑定士:7,546千円
- 弁護士:7,286千円
- 一級建築士:7,029千円
- 公認会計士、税理士:6,836千円
- 技術士:6,669千円
- 獣医師:5,716千円
- 歯科医師:5,701千円
- 薬剤師:5,617千円
- 療放射線・診療エックス線技師:5,020千円
- 社会保険労務士:4,860千円
- 看護師:4,829千円
- 准看護師:4,030千円
- 歯科技工士:3,848千円
- 歯科衛生士:3,705千円
出典:賃金構造基本統計調査を元に「お金に生きる」で作成
令和2年の調査と集計方法変更の影響なのか医師や公認会計士、税理士の数字が全然違いますので参考程度ですが、分類されている資格業は上記の通りとなっています。
不動産鑑定士ってあまり目立ちませんが、弁護士や公認会計士、税理士よりも多く稼げているんですね。
やはり独立開業系の資格が強いのもわかりますね。
10年前(2010年)の調査と比較してみよう
次に10年前2010年(平成22年)の調査と比較してみましょう。
かなり数字に変化があるんですよ。
平成22年に稼げた仕事ベスト20
それでは2010年(平成22年)に稼げた職種上位20位までみてみましょう。
- 弁護士:12,708千円
- 医師:11,407千円
- 航空機操縦士:11,361千円
- 大学教授:11,142千円
- 大学准教授:8,616千円
- 公認会計士、税理士:9,584千円
- 社会保険労務士:7,597千円
- 大学講師:7,485千円
- 高等学校教員:6,991千円
- 記者:6,797千円
- 不動産鑑定士:6,232千円
- 獣医師:6,159千円
- 電車運転士6,046千円
- 発電、変電工:5,955千円
- 歯科医師:5,819千円
- 電車車掌:5,764千円
- 一級建築士:5,508千円
- システムエンジニア:5,482千円
- 圧延伸張工:5,454千円
- 薬剤師:5,182千円
出典:賃金構造基本統計調査を元に「お金に生きる」で作成
1位は弁護士、2位は医師、3位はパイロットと安定の御三家ですね。
ただし、それ以外は2020年(令和2年)と比較してかなり変動があるのがわかりますね。
職種によって大きく増加
順位以外にも大きな変動があります。
それは金額です。
例えば2020年トップだった航空機操縦士(パイロット)は2010年では11,361千円だったのが2020年では17,252千円と50%以上増加しています。
医師も2010年では11,407千円だったのが2020年では14,403千円ですから20%以上の増加です。
歯科医師も飽和とかよく言われますが、2010年5,819千円だったのが2020年では7,875千円と30%以上の増加となっています。
士業は苦戦?
しかし、逆に減っている職種も多いです。
特に士業があまり良くないようです。
例えば2010年トップだった弁護士は2010年は12,708千円でした。
2019年の調査では7,286千円と40%以上落ちています。(2020年調査では法務従事者として弁護士とそれ以外が分けてない)
社会保険労務士も2010年では7位の7,597千円でしたが。2019年(2020年調査では社会保険労務士の項目なし)では4,860千円と大きく落としていますね。
士業はかなり数を増やしているという経緯がありますのでどうしても一人あたりの所得は減ってしまっているんでしょうね。
ただし、不動産鑑定士のように資格者の数が増えていても所得を伸ばしている場合もあります。
不動産鑑定士は6,232千円(2010年)→7,546千円(2019年)伸びていますね。
ちなみに士業の数は下記の通り、軒並み大きく増えているんですよ。
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
2010年 | 2019年 | |
弁護士 | 28,789人 | 41,118人 |
税理士 | 71,606人 | 78,028人 |
公認会計士 | 20,038人 | 31,189人 |
社会保険労務士 | 34,732人 | 42,056人 |
弁理士 | 8,148人 | 11,336人 |
司法書士 | 19,766人 | 22,632人 |
行政書士 | 40,475人 | 47,901人 |
中小企業診断士 | 20,119人 | 約27,000人 |
不動産鑑定士 | 5,057人 | 9,532人(2017年時点) |
出典:各士会ならびに監督官庁ホームページ
まとめ
今回は「令和2年の稼げる仕事、儲かる資格はなにか?10年前と比較するとびっくりな結果に・・・」と題して賃金構造基本統計調査を元に職種別の賃金についてみてきました。
10年前と比較してかなり変動があるのもわかっていただけたと思います。
これから就職、転職する際にはやはり将来性のありそうな職種を選ぶべきでしょうね。
結婚相手を探す際も10年、20年先を考えて相手を選ぶのがいいかもしれませんね。
なお、具体的なその会社の給料を調べる方法はこちらを御覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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