読者様からご質問をいただきましたので今回はこの件を見ていきます。
質問内容を要約すると以下のとおりです。
今回はご質問の企業の本当の年収(給与)を調べる方法を考えて行きます。
後悔しないためにも本当の給料をあらかじめ知っておきたい
就職や転職をする際に給料はとても大事ですね。
求人票などには年収などが書いてありますが、それはあくまで目安なんですよ。
私も転職エージェントの最大手リクルートエージェントで紹介してもらった企業に転職をした際に、聞いてた話とかなり違った年収となってしまったことがありましたね。
リクルートエージェントからは年収を聞いてたのですが、年収には賞与部分が多く含まれており、実際は業績不振で賞与カットで大幅に年収が減ってしまうなんてことになってしまったのです。
業績不振で賞与カットは私が転職する前からの話だったそうですから騙されましたね。
ですからそうならないためにも実際の状況をあらかじめ調べておくことがおすすめです。
一般的な給料の決め方
多くの企業では給料表があり、その人の年齢や経験年数で当てはめて給料が決まります。
特に社員が多い企業になればなるほど給料表に準拠した形で給料が決まります。
他の社員とのバランスもありますからね。
公務員の場合には給料表が公開されています。
例えば下記は東京都職員の給料表です。
>>東京都職員給料表
これがわかれば自分がいくら貰えるのかはだいたいわかりますね。(見方はちょっと特殊ですが。。。)
しかし、基本的に一般的な企業では給料表は公開されていませんので本当の自分の給料は内定時にしかわからないのです。
調べたり、類推するしかないんですよ。
また、ベンチャー企業などでは給料表がそもそもなかったり、あっても社長や人事の一存で給料が決まるなんてことも普通にあります。
私もベンチャー企業に勤めたことがありますが、給料表はあり、それに準拠しているのですがそれを無視した金額となっている方も何人かいましたね。(私は経理責任者だったので全員の給料を把握)
私も辞めたいと相談したら給料表から2割以上高い金額にしてもらったことがあります笑
面接で聞いてしまうのも手
一番確実なのは面接で確認してしまうことです。
ただし、面接担当によってはあまりいい印象を持たないケースもあります。
マナー講師が書いたような就職本だとタブー視されていますね。
給料の調べ方:上場企業の場合
それではどうやってその企業の給料を調べればよいのでしょう?
上場企業の場合は調べるのはそれほど難しくありません。
有価証券報告書を調べる
それでは調べたり、類推する方法をご紹介しましょう。
まず、その企業が上場しているなら平均年収は簡単に調べられます。
企業が年に1回は発行している有価証券報告書を見ればこんな感じで平均年齢と合わせて記載されているのです。
ちなみに下記は日本最大の企業であるトヨタの有価証券報告書の平均年間給与がわかる欄ですね。
出典:トヨタ自動車株式会社 有価証券報告書2020年3月期
なお、有価証券報告書はその企業のIRページで公開されていますし、EDINETで検索も可能です。
あくまでわかるのは平均年間給与だけですが、平均年齢と合わせればイメージはしやすいかと思います。
Yahoo!ファイナンス
また、Yahoo!ファイナンスでもおそらく有価証券報告書からのデータを引っ張ってきたと思われる情報がそれぞれの企業の会社概要に記載されています。
前述のトヨタ自動車株式会社は
と記載されていました。
有価証券報告書とほぼ同じですね。
給料の調べ方:非上場企業の場合
上場企業は前述の方法で簡単に平均給与を調べることができました。
しかし、上場していない企業はなかなか難しいのが現状です。
それでも調べれる可能性もあります。
いくつか紹介しましょう。
日経テレコン
まずは日経テレコンです。
日経テレコンは日本経済新聞社が独自に調査、収集した財務データを載せているサイトです。
すべての非上場企業が載っているわけではありませんが、ちょっと大きめの非上場企業や将来上場を目指しているベンチャーなどならある可能性がありますので確認してみると良いでしょう。
こちらのサービスは有料(契約料17,600円、月額料金8,800円+情報利用料5円〜)ですが口座を持っている場合、無料で見れる証券会社もありますのでそちらを有効に活用するとよいでしょう。
ちなみに日経テレコンを無料で見れるのが楽天証券、丸三証券、大和証券の3社です。
また、大きめの図書館だと利用可能にしているところもあります。
TSR企業情報
もう一つがTSR企業情報です。
こちらも日本全国の企業を調べることに使えます。
有料のサービスですから個人で使うにはハードルが高いですが、こちらも大きめの図書館だと利用可能となっていますね。
TDB企業サーチ
もう一つが帝国データバンクのTDB企業サーチです。
こちらも日本全国の企業を調べることに使えます。
ただし、すべての企業が掲載されているわけではありませんし、どこまでの情報が開示されているのかも企業によって異なります。
こちらも有料となります。
また、別途料金を払えば掲載されていない企業を調べてくれたりもします。(相手が非協力だとあまり情報は得られませんが)
会社四季報未上場版
次は末上場版の四季報というのを確認する方法です。
あまり馴染みがない方も多いとは思いますが、株式投資でよく使われる四季報の非上場版がでているんですよ。
すべての非上場企業が載っているわけではありませんが、ちょっと大きめの非上場企業や将来上場を目指している企業などは載っている可能性がありますのでこちらで確認するとよいでしょう。
ただし、末上場四季報では平均年間給与までは載っていないので決算書のデータから類推するしかありません。
ちなみに大卒初任給は載っています。
決算公告
また、直接の給与はわかりませんが、決算書から類推できるなら決算公告を見る方法もあります。
当然のことながら業績の良い会社は給料も上げてくれやすいでしょうし、賞与も多くなります。
逆に業績が悪ければ賞与も少なく、給料も上がりにくいでしょう。
業績を確認しておくことはとても重要なんですよ。
会社の規模や上場、非上場の有無に寄らず全ての株式会社は決算公告を義務付けられています。
一般的な企業は貸借対照表のみ、大企業は損益計算書を公告しないといけないのです。
具体的には官報、もしくは日刊紙、WEBページに掲載しなければなりません。
ただし、中小・零細企業の場合には公告をサボっている所も多いですし、そもそも公告が義務なのを知らない企業も多いですが・・・
WEBページを確認する
公告されていればWEBページに決算公告しているケースが多いです。
まずはその企業のWEBページを確認してください。
一般的な企業は貸借対照表のみ、大企業は損益計算書が掲載されているはずです。
官報
WEBページで見つからない場合には「官報」で確認して見ましょう。
官報はインターネット版でみることができますし、書籍(新聞みたいな厚さですが。。。)を購入したり、最寄りの図書館等でも確認することもできます。
掲載日がわかれば図書館司書にお願いすれば出していただけるでしょう。
ただし、官報は過去30日分しか無料でみることができません。
口コミサイト
就職や転職の口コミサイトを確認するのも手です。
その企業に元々在籍していた方が書いているでしょうから生の声(給料)を見ることができます。
ただし、その手の口コミサイトは企業側からお金をもらうケースが多いですからどちらかというと会社側の意向に沿った掲載となっているようです。
また、企業から訴えられないように厳しいことを書くと掲載してくれないんですよ。
ですからかなりバイアスが掛かった情報であることは認識しておくとよいでしょう。
私も前述の賞与が出なかった会社を辞めるときに年収を口コミに書いたら中身を勝手に変えられたことがありましたね。
なぜか賞与分をプラスされた金額で記載されてしまいっていました。
会社側からこう書き直してとの指示がきたのかもしれませんね。
そんなことがありましたのでこの手のサイトの情報はあまり信用しないほうがよいかな・・・・って思います。
業界、業種別の状況を調べる
その企業の直接の給料はわからないけど、業界や業種別の状況を調べるのも効果的です。
例えば厚生労働省が発表している賃金構造基本統計調査などが有名ですね。
性別、学歴別、企業規模別、産業別、都道府県別などで統計情報として記載されています。
ちなみに30〜34でもっとも賃金が高いのは学術研究、専門・技術サービス業です。
40〜44以降になると金融業、保険業が高くなりますね。
職種別でみると航空機操縦士や医師が高くなっていますね。
また、各種調査からさらにデータを整理、集約した本も販売されていますね。
まとめ
今回は「後悔しないために就職や転職をするときに知っておきたいその会社の給与の調べ方」と題して給料の調べ方を見てきました。
就職や転職をする際の給料はとても大事ですから、多少お金を掛けても把握しておいても損はないかもしれません。
また、同じく就職先や転職先の決算書等を入手する方法はこちらの記事を御覧ください。
基本は給料を調べるときと同じですけどね。
お知らせ:You Tubeはじめました。
You Tube「お金に生きるチャンネル」をはじめました。
You Tubeでも少しでも皆様のお役に立てる動画を定期的に発信していきますのでチャンネル登録をぜひよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。