円安が止まりません。
まったく記憶にない1ドル158円台に突入してもまだまだ先がありそうな気配ですね。
円安になることは一概に良いとも、悪いとも言えないのですが、日本円でしか資産保有していない方にとっては実質的に資産が目減りしていくみたいなものであるってことをご存知でしょうか?
今回は円安と資産の関係について見ていきましょう。
なお、こちらの記事の動画版はこちらからご覧いただけます。
円安・円高とは
まずは今回の話の大前提となる円安・円高について見ていきましょう。
円安、円高とは他通貨に対する相対的価値が安くなれば円安。高くなれば円高ということです。
1ドル100円の時
例えば100万円をドルに交換したとしましょう。
1ドル100円だった場合には100万円で交換できるのは100ドルで割った10,000ドルというわけです。(便宜上、手数料はなしとする)
円安:1ドル150円の時
次に1ドル150円の場合でみていきましょう。
この場合、100万円で交換できるのは150ドルで割った6,666ドルとなります。(便宜上、手数料はなしとする)
1ドル100円と比べて同じ日本円で効果できるドルが3,333ドルも減っています。
これが同じ金額の円についてより少ないドルしか取得できないので、円安ということです。
現在はこの状況ですね。
円高:1ドル80ドルの時
では逆に1ドル80円となったらどうでしょう?
この場合、100万円で交換できるのは80ドルで割った12,500ドルとなります。(便宜上、手数料はなしとする)
1ドル100円と比べて同じ日本円で効果できるドルが2,500ドルも増えていますね。
これが同じ金額の円についてより多くのドルを取得できる。
つまり、円が強くなったということで円高といいます。
円安・円高どっちが良いの?
それでは円安と円高どちらがよいのでしょう?
これはなかなか難しい問題なんですよ。
どちらもメリット・デメリットがあるのです。
一般的には円安は輸出企業にとって有利で、輸入企業にとって不利ですね。
物を買う時
例えば円高になれば日本円の価値が相対的に上がるということになりますから、海外の商品を買うときに安く買えます。
逆に円安になれば海外のものを買う時高くなってしまうということです。
少し前にAppleが新製品のMacStudioを発表したのですが、モニターもキーボードもマウスもなしで最低価格25万円ほどという価格に対して日本では「高い」という意見が多くSNSなどネット上では荒れている方も見えましたね。
しかし、アメリカ人の方のSNSやレビューを見る限り逆に「安い」という意見を多く見かけました。(性能などを考えるとたしかに安い)
これは円安で日本人からすると高く感じてしまうという部分が大きいのでしょうね。
日本人の所得が増えていないことも大きいですけどね。
物を売る時
逆に海外に物を売るときは円安が有利に働きます。
海外の人から見て安く提供できるからです。
一時期、韓国の家電や車が世界で売れまくった時期がありました。
これはウォン安であったことで割安であったことが大きかったと言われています。
その後、日本もアベノミクスで円安誘導をしたことで日本製品が売れやすくなり景気が回復したんですよ。
ただし、円安は物が売れやすくなりますが、海外の物を買うときに高くなりますから、原材料を海外から仕入れて海外に売るようなケースでは円安、円高どちらがよいのかは微妙なところなんですけどね。
逆に円高になれば海外の人からして割高となってしまいますから物が売れにくくなります。
なぜ円安になっているのか?
それではなぜ円安が進んでいるのでしょう?
これはいろいろな要素があるので一概には言いにくいです。
ただし、大きな要因は利上げをしようとしているアメリカと金融緩和策の維持しようとしている日本の金利差の部分が大きいでしょう。
マイナス金利は解除されましたが、まだまだ日本の金利は低水準です。
どちらが方針を転換しない限りこの状況はしばらく続きそうですね・・・
資産面での円安の影響を考える
それでは資産面で考えると円安はどういう影響があるのでしょう?
海外資産を保有している場合
まずアメリカ株やアメリカの債券、外貨建預金など海外株を保有している場合は円安はプラスの影響となります。
例えば1ドル110円のときに10ドルで買った株が、10ドルのままだったとしても為替が1ドル150円になっていれば、日本円ベースで見れば1,100円が1,500円に増えたということになりますからプラスですよね。
つまり、海外資産を保有しているの場合の円安は為替差益と株価の上昇でダブル取りができる可能性があるのです。
私も海外資産の比率が高いので株の調子はよくありませんが、為替の影響で今年に入ってからもプラスとなっていますね。(あくまでも含み益ですが)
ただし、逆に円高になればいくら株で利益がでても為替差損でマイナスとなるケースもありえます。
海外資産を保有するということは株の上下だけでなく、為替の影響も受けるということは知っておきたいところですね。
為替ヘッジありの投資信託も
ちなみに「為替ヘッジあり」の投資信託なんかもあります。
これは為替の影響をあまり受けずに済む商品設計になっているのです。(保険を掛けているみたいなもの)
ただし、長期的に見ると為替は上げ下げを繰り返すのでヘッジ部分の手数料が割高となり効率が悪いという話もあります。
私も一部保有していますが、現在の円安局面では足を引っ張る存在ですね笑
為替の影響を受ける資産の種類
為替の影響を受ける資産は主には以下です。
- 海外株
- 海外債券
- 外貨預金
- 外貨建て保険
なお、よく勘違いされている方もお見えですが、日本で発売されている投資信託などでも海外株などを対象としていれば同じように円安・円高の影響は受けます。
円建て資産のみの場合
日本円、預金、国内株式など円建て資産のみの場合は。直接の影響は受けません。
しかし、円安がすすめば実質目減りしていると同じ状況となります。
日本に住んでいて日本円しか使わなければ問題ないと考える方も見えるでしょう。
しかし、輸入で入ってきているものが値上げに転じてしまいますから影響を受けるんですね。
最近テレビにも出演したりなど、有名な投資家であるテスタさんは円だけ保有しているのは円に投資をしていると同じことと言われていましたね。
ですからこのまま円安が進めばどんどん資産が減っている状況ってことです。
まとめ
今回は「急激な円安が進む。外貨を保有していないと実質資産が目減りするってどういうこと?」と題して円安の資産に対する影響についてみてきました。
為替の影響はプロでもなかなか予想が難しい部分があります。
ですから円安になっても円高になってもよいように円建て資産、外貨建て資産をうまく使い分けて分散するのが良いのでしょうね。
お知らせ:You Tubeはじめました。
You Tube「お金に生きるチャンネル」をはじめました。
You Tubeでも少しでも皆様のお役に立てる動画を定期的に発信していきますのでチャンネル登録をぜひよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。