今回は心理学の実験として有名な「マシュマロ・テスト」をご紹介します。
簡単に言えば「我慢」できる人はその後、成功していたということが示された実験なんですよ。
その後、否定的な実験も行われていますが、個人的にもこの「我慢」はお金持ちになれるかどうかとても重要なポイントだと思っています。
特に現状のような経済がちょっと疑問視されるときに大きな意味がある話なんですよ。
今回はそんな話を見ていきましょう。
マシュマロ・テストとは
まずは今回の話の前提となる「マシュマロ・テスト(マシュマロ実験)」について解説しておきましょう。
マシュマロ・テストはスタンフォード大学の心理学者ウォルター・ミシェルさんが1960年代から50年近くかけておこなった実験です。
簡単に言えばこんなことをしています。
- 4歳児を集めて、椅子に座らせる。
- 机の上には「マシュマロ」が一つだけ置いてある
- おじさんが戻ってくるまでマシュマロを食べなければもう1個あげる、食べたら2つ目なしと通知
- 15分放置してマシュマロを食べたグループと食べなかったグループのその後を追跡
つまり、マシュマロが倍もらえるという経済的なメリットがわかっている状況で、目の前のマシュマロを我慢できる子とできない子の将来がどうなるかを実験したってことですね。
マシュマロ・テストの結果
なお、実験の結果は以下の通りでした。
- マシュマロを結局食べてしまった子は2/3、
- 最後までマシュマロを食べるのを我慢できた子は1/3
我慢できた子は意外と少ないんですよ。
まだ4歳児ってのもあるんでしょうけどね。
マシュマロ・テストの追跡調査
その後の結果が大変興味深いものでした。
まず、1988年に行われた追跡実験では以下のような結果となっています。
マシュマロを食べなかったグループが周囲からより優秀と評価されていること、さらに両グループ間では、大学進学適性試験(SAT)の点数には、トータル・スコアで平均210ポイントの相違が認められる
出典:ウィキペディア マシュマロ実験 より
ドラックや喫煙などの不良行動、修学年齢、社会的地位などにも差があったとのこと。
さらに2011年にも追跡実験が行われています。
中年になった参加者ですが、この傾向は続いていたとのこと。
つまり、4歳の時点で我慢できた子はその後、成功している率が高いってことなんですね。
その後、否定的な実験も
ちなみにその後、2018年にこのマシュマロテストを否定する実験も行われています。
実験結果について被験者の家庭の年収といった要素も含めて検証してみたのです。
その結果、我慢できる子は経済的に恵まれているケースが多く、それが後に成功している要因ではないかというものです。
たしかに普段からお菓子を好きなだけ食べれる環境にいる子なら我慢しやすいですし、経済的に恵まれている家庭ならその後の成功もしやすいでしょうからこの検証も納得できる話ではあります。
マシュマロ・テストについて個人的な見解
個人的な見解としてはマシュマロ・テストの否定的な話も理解できますが、本質的な部分の我慢できるというのは成功するかしないかの上でとても大事だと思います。
言い換えれば
- ダイエット中なのに目の前のお菓子に手が伸びてしまう。
- 勉強中なのに、目の前のスマホに手が伸びてしまう
なんかもそうでしょう。
これは誰もが経験するほんの少しの誘惑ですが、積み重なると大きいですよ。
例えば○○になりたいとか、○○円貯めたいと目標を定めて動いているなら、そのような誘惑を回避したり、回避できる方法をかんがえるはずです。
そのように長期的に目標を定めて戦略的に物事を考えて動けていけるかが大事なのですよ。
そちらも参考にご紹介しておきましょう。
参考:プロスペクト理論
まずはプロスペクト理論。
プロスペクト理論とは難しく言うと「選択の結果得られる利益もしくは被る損害および、それら確率が既知の状況下において、人がどのような選択をするか記述するモデル」です。
簡単に言えば人の行動が不合理なことをを証明した理論です。
これを学ぶと人が株式投資、FX(為替証拠金取引)、仮想通貨、ギャンブルなどで勝てない理由がよく分かるのです。
下に2つの質問があります。みなさんだったらどちらを選択しますか?考えながら読んでみてください
A: 100万円が無条件でもらえる
B: コインを投げ、表が出たら200万円がもらえるが、裏であったらもらえない。
A: 無条件で借金100万円が減る
B:コインを投げ、表が出たら借金が全額免除されるが、裏が出たら借金はそのままである。
この問題みなさんはどちらを選びましたか?
一般的に1の質問はAを、2の質問はBを選ぶ人が多いのです。
経済学でいう期待値は両方共100万円であり同じです。
ですがこの2つのように結果は分かれてしまいます。
これがプロスペクト理論のみそです。
2のBは比較的ギャンブル思考の考え方です。
この2つはまったく違いますが実は1でAを選んだ人のかなりの人が2の質問ではBを選ぶという研究結果がでているのです。
つまり、簡単に言うとこういうことです。
人は目の前に利益があると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先する。しかし、損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向があるということです。
株式などに当てはめると少しでも利益がでれば利益確定して、少しでも損があると損失を現実にしたくなくて損切りできない
つまり、投資の基本である損小利大の逆なんですよね。。。。
これが大半の株式投資、FX(為替証拠金取引)、仮想通貨、ギャンブルなどで勝てない理由なのです。
他にも人は損を極端に嫌うのもプロスペクト理論が影響していると言われています。
対策等詳しくはこちらの記事を御覧ください。
参考:現在志向バイアス
次は現在志向バイアスです。
これは目の前のものにより価値を感じやすく近視眼的行動となりやすいことです。
例えば「金融リテラシー調査 2019年」でこのあたりは調査されています。
お金を必ずもらえるとの前提でみなさんならどちらを選びますか?
・今10万円 をもらう
・1年後に11万円をもらう
金融広報中央委員会「金融リテラシー調査 2019年」によると今の10万円を選んだ方が47.1%、1年後の11万円を選んだ方が36.9%でした。この2つの選択肢の差は1万円あります。
つまり、差が10%です。
1年おいておくだけで10%増えるわけですから基本的には1年後の11万円の方が優位な選択です。
しかし、多くの方は現在の10万円を選択してしまっているのです。
つまり、合理的な判断ができていない人が半数近くいるということになります。
投資の世界ではいかに期待値を高いものを選択していくのかというのが重要ですから、現在志向バイアスによってうまく行かなくなっているというケースが多いのです。
双曲割引や現在志向バイアスの話について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
今回は「お金持ちになれるかどうかは我慢できるかどうかがポイント?【マシュマロ・テスト】」と題してマシュマロテストについてみてきました。
簡単な話のようで難しい話ですが、お金持ちになりたいならぜひ長期的な戦略で動けるようにがんばっていきましょう。
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