ふるさと納税で現金がもらえる???「キャシュふる」登場

びっくりするようなサービスが開始されるとのこと。

ふるさと納税の返礼品の代わりにキャッシュがもらえる、ふるさと納税サイト「キャシュふる(Cashfuru)」です。

ふるさと納税を巡ってはより寄付を集めたい自治体と総務省の戦いがあるなどいろいろな問題がありました。

その抜け道をうまく潜り抜けるサイトとなるのでしょうか?

今回はふるさと納税サイト「キャシュふる」についてみていきます。

※追記:なんと、ある意味予想どうりの部分もありますが、総務省からの苦言を受けて6月10日にサービス終了となっています。

キャシュふるは、2022年6月8日にサービスリリース致しましたが、本日の金子総務大臣の発言を重く受け、ご返金も完了したご利用状況を鑑み、2022年6月10日をもってサービス終了とさせていただきます。

総務省、自治体の皆様をはじめ、関係各所の皆様にご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありませんでした。

出典:キャシュふる

なお、本記事の動画版はこちらから御覧ください。

ふるさと納税サイト「キャシュふる」とは

それではキャシュふるの概要についてみていきましょう。

返礼品の代わりにキャッシュがもらえる??

キャシュふるの最大の特徴は、返礼品の代わりに寄付金額の20%のお金がもらえることです。

キャッシュふる返礼品

出典:キャシュふる

一般的なふるさと納税サイトの返礼品は自治体から送付されます。

しかし、キャシュふるは直接現金がもらえると言うのです。

ふるさと納税の情報を追っている方からすれば????でいっぱいになると思います。

ふるさと納税では総務省の規制で返礼品は現金や金券や換金性が高いものを規制されたりもしています。

今年に入ってからも宮崎県都農町兵庫県洲本市が返礼品の基準を超えていたということで、ふるさと納税制度の対象から除外されたなんてニュースもありました。

このように最近は厳しく取り締まられているのでほとんど金券の類は見なくなっていたところです。(ポータルサイトが提供する金券やポイントは許容されているようです)

キャシュふるのからくり

しかし、なぜキャシュふるが成立するのでしょう?
これは仕組みにあります。
キャッシュふる仕組み
出典:キャシュふる
キャシュふるは、「返礼品がいらない人」からふるさと納税に関する業務(納税先、納税のタイミング、納税額の決定、返礼品受領権の売買)を受任します。
返礼品受領権を「返礼品が欲しい人」へ販売することによって得た売上から弊社手数料を引いた金額(寄付金額の20%)をお渡しします。
出典:PRTIMES 返礼品の代わりにキャッシュがもらえる、ふるさと納税サイト「キャシュふる」をリリース! より
つまり、返礼品をもらう権利をキャシュふるが買っているような感じですね。
キャシュふるは返礼品をもらう権利を販売してその差額で儲けるという仕組みとなります。
ふるさと納税の返礼品もらっておいて、メルカリなどで販売する方もいますので、それを代行しているといえばそんな感じですね。

現金がもらえるのは20%

なお、もらえる現金は寄付金額の20%です。

総務省のルールでは返戻率は寄付額の30%が上限ですから、そこからみると低めです。

しかし、そこまでほしくないものをふるさと納税を使いたいがために利用している方も多いでしょうから、現金で20%もらえるなら魅力を感じる方も見えるでしょう。

キャシュふるからすればその30%と20%の差が利益となるということですね。

なお、最低利用金額は50,000円と高めに設定されていますのでお気をつけください。

自治体にもメリットがあり

キャシュふるの仕組みは自治体にもメリットがあるそうです。

キャッシュふる自治体のメリット

出典:キャシュふる

ふるさと納税を行う自治体の多くはふるさと納税ポータルサイトを利用しています。

そのふるさと納税ポータルサイトの手数料がかなり高いことが問題になっています。

令和2年度は674億円もの費用がかかっているとのこと。(総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果」)

キャシュふるのビジネスモデルは返礼品と現金配布の差額なので、自治体からは手数料をとらないとのこと。

ですから自治体としてもメリットがある話のようです。



キャシュふるの懸念材料

今回ご紹介した「キャシュふる」

とても魅力的で、自治体からみても利用者からみてもお得なサービスです。

キャシュふる側も儲かりますから三方よしですよね。

しかし、懸念材料もあります。

総務省が認める?

まず最大の懸念材料は総務省です。

総務省は対自治体で金券などを自粛を求めてきた立場上、このサービスを許容できるとはなかなか思えないんですよ。

そもそものふるさと納税の趣旨を考えると、現金がもらえるとかかなりおかしなことになってしますしね笑

「キャシュふる」は言ってしまえば制度の抜け道を使ったサービスとなります。

ですから総務省の考え方しだいではアウトとなってしまう可能性もあるでしょう。

ふるさと納税をした方が不利益を被ることはないと思いたいですが・・・

その辺りが個人的には怖いですね。

ですから私はちょっと様子見しますかね・・・

新潟県魚沼市の注意書き

また、お米で有名な新潟県魚沼市ではこんな注意書きも出しています。

これをみるとちょっと怖い部分も・・・

2022年6月8日にネットニュースサイト等において、ふるさと納税サイト「キャシュふる」(以下、当該サイト)がリリースされたというニュースがあり、当該サイトにおいて当市を寄附予定先、過去の寄附先として記載し、寄附を募集している事実が確認されました。
当市が当該サイトの運営会社に対し、当市の掲載を依頼した事実はございません。
このため、当該サイトにて寄附の申込をされた場合にいかなるトラブルがあっても、当市では一切責任を負えませんのでご注意ください

出典:魚沼市 (ご注意ください)ふるさと納税サイト「キャシュふる」と当市は関係がありません

返礼品をもらう権利が欲しい人がどれだけいるのか

もうひとつ懸念材料もあります。

このビジネスモデルが成り立つ前提として「返礼品をもらう権利」をお金を出して欲しい人がどれだけいるかということですね。

農産品などを買うというだけですから、それなりにいるとは思いますが、需要と供給のバランスがどうかということです。

自分でふるさと納税もできるわけですからね・・・

ですから返礼品を貰う権利を買ってもらうためにはお得度を訴求する必要があり、どこまで利益が残せるんだろ?って疑問もあります。

元々の上限が30%-20%で残った10%ですからね。。。

それが成り立たないと商売として続けれない可能性も懸念材料としてあります。

返礼品は一時所得だが、これは雑所得?

また、税金面も懸念があります。

ふるさと納税の返礼品は一時所得という扱いになります。

>>国税庁 「ふるさと納税」を支出した者が地方公共団体から謝礼を受けた場合の課税関係

一時所得は年間50万円を超える場合に、超えた額について課税対象となりますのでよほどたくさんふるさと納税した方以外は課税されません。

しかし、このサービスの場合は返礼品をもらう権利を売却しているという仕組み上、一時所得として扱われず雑所得となる可能性がありそうです。

国税庁から見解がでているわけではありませんからなんとも言えませんが、懸念材料ですね。

誤解を招いたとのことで全額返金

寄付予定先として発表していた自治体が提携していたわけでもないため、誤解を招いたとのことですでに利用をした方に全額返金すると発表されています。

リリース時に、当サイトの寄付予定先に特定の自治体名を記載したことで、あたかも弊社が同自治体と提携しているものと誤解をさせて、弊社サービスをご利用頂いた方がいらっしゃる可能性を鑑み、以下の通り、ユーザー様に対して全額ご返金いたします。

出典:キャシュふる

仕組みが問題というよりも、前述した魚沼市のような提携関係ぽく発表したのが誤解を招く行為だったとのことで問題だったようです。

昨日リリース時に、寄付の予定先として当サイトに掲示した各自治体様と弊社とは、一切の提携関係、協力関係にございません。また掲載の委託を受けた事実もございません。

当サービスが事前の断りなく、特定自治体の名称を使用したものです。誠に申し訳ございません。

ユーザー様において、どこに寄付するのか明瞭にするため、寄付の候補先として一方的に例示したに過ぎず、各自治体様から掲載の委託を受けたものではございません。

委託を受けているのではないか?といった誤解を招くような表示となり、各自治体様、関係各所の皆様、ユーザー様に多大なご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。 誠に申し訳ございませんでした。

今後同様の事態を生じさせることのなきよう再発防止に向けて取り組んで参りますので、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

出典:キャシュふる




まとめ

今回は「ふるさと納税で現金がもらえる???「キャシュふる」登場」と題してふるさと納税の新しいサービスキャッシュふるについてみてきました。

とてもおもしろい、興味深いサービスです。

正直、ふるさと納税の返礼品は年々悪化していますし、マンネリ気味ですから選ぶのが面倒になってきたところだったんですよ。

現金でもらえるならそれが一番ありがたいですしね。

ただし、総務省がどうでるかはちょっと怖いんですよね。

ですから個人的には様子見かな・・・

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