以前お伝えした「こどもみらい住宅支援事業」の予算が予定よりかなり早く終了。
後継補助金の「こどもエコすまい支援事業」ができたものの契約日縛りルールのせいで「こどもみらい住宅支援事業」を狙っていた方は対象とならず大量の「こどもみらい難民」が発生してしまっていました。
積水ハウスだけで2,000人くらい難民が発生しているという情報もありました。
積水ハウスの2021年の戸建て件数は1万ちょっとなので2割近い割合という・・・。
ハウスメーカーによって割合は違うと思いますが、かなり多くの数の難民が発生していたのは事実でしょう。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
そのため、一部新聞が取り上げたり、ツイッターでデモをしたり、国会議員に陳情する人がいたりしてこの件が大きく動きました。
国土交通省が後継補助金の「こどもエコすまい支援事業」の要件の見直しを発表したのです。
かなり不条理な状況でしたからある意味当然の変更ですけどね。
今回はこの「こどもエコすまい支援事業」の要件見直しの件を解説します。
ちなみに私も「こどもみらい難民」だったのですが、今回の要件の見直しで救済されますね。
こどもエコすまい支援事業とはなにか
まずは今回の前提となる「こどもエコすまい支援事業」の内容から解説しておきましょう。(変更にならない部分)
こどもエコすまい支援事業の補助額
こどもエコすまい支援事業の補助額は以下の通り。
- 住宅の新築:100万円/戸
- 住宅のリフォーム:リフォーム工事内容に応じて定める額(上限30万円/戸)
※子育て世帯・若者夫婦世帯は、上限45万円/戸(既存住宅購入を伴う場合は60万円/戸)
※安心R住宅の購入を伴う場合は、上限45万円/戸
住宅の新築の場合の補助対象
住宅の新築の補助対象の条件は2つあります。
世帯条件と住宅条件です。
両方満たす必要があります。
世帯条件
まず住宅の新築についての世帯条件は以下の通り。
- 子育て世帯:18歳未満の子を有する世帯
- 若者夫婦世帯:夫婦のいずれかが39歳以下の世帯
年齢はいずれも令和4年4月1日時点とのこと。
所得の制限はなく、年齢のみの線引ですね。
住宅条件
住宅条件は以下の通り
- 住宅の新築:ZEH住宅(強化外皮基準かつ再エネを除く一次エネルギー消費量▲20%に適合するものが対象となります。)
※対象となる住宅の延べ面積は50㎡以上
ちょっとわかりにくいですが、ZEH(ゼッチ)とは以下のような住宅のことを指します。
つまり、断熱性等が高くあまりエネルギー等を使わない家ってことですね。
なお、ZEH住宅は太陽光発電などを利用してエネルギーを創って家庭で使用するエネルギーを賄うことができるケースが多いですが、今回の「こどもエコすまい支援事業」は再エネを除く一次エネルギー消費量▲20%に適合するものが対象なので太陽光発電等がなくても対象となりえます。
2022年10月からフラット35でもZEH住宅は金利引下げになっているなど優遇されていますね。
こどもエコすまいの要件見直し
それでは今回変更になった点をご紹介しましょう。
2つの点が変更となりました。
契約日基準がなしに
まず一つ目が契約日の制限です。
もともとの条件は以下のとおりでした。
令和4年11月8日以降に売買契約を締結
着工日ルールが変更に
また、それに伴い着工日のルールも変更となりました。
もともとは
(リフォーム)リフォーム工事
スケジュール
なお、スケジュールは以下の通り
補助金交付の対象となる建材・設備の登録募集開始・令和5年3月下旬:補助金の予約申請・交付申請の受付開始
まだいる?こどもみらい難民
今回の要件見直しで多くの「こどもみらい難民」は救済されましたが、実はまだ一部「こどもみらい難民」は残っています。
例えば
①「こどもみらい住宅支援事業」では対象住宅だったけど「こどもエコすまい支援事業」では対象外となる住宅を購入した方
②令和4年11月8日より前に対象工事に着手している建売を購入した方
③令和4年11月8日より前に対象工事に着手している注文住宅の方
です。このあたりは判断が難しそうですね。
①はそもそも「こどもエコすまい支援事業」の対象範囲ではなかったので空白期間には該当しません。
そこで以下のような措置を設けられる予定とのこと。
気になる点
今回の要件見直しで気になる点があります。
それは「基礎工事より後の工程の工事」を令和4年11月8日以降という条件。
これをどこまで含まれるかということですね。
例えばちょっと追加工事したとか、外構工事も対象となるならすでに前述の②と③の難民の方も工夫次第で対象となりそうです。
このあたりの条件定義をしっかりしないとまた揉めそうな予感・・・
前述した記事にも書きましたが、「こどもみらい住宅支援事業」は事前予約という制度がありました。
それにより予算の枠を確保することができましたが、着工が条件となっていました。
しかし、これに不正が多かったようなんですよ。
着工とは基礎工事等とのことでしたが、提出書類にそれを証明するものが必要なかったのでやり放題だった模様・・・
それに横入り的な着工順ではない予算消化となり、こどもみらい難民の不満要因の一つとなっていました。
今回の基礎工事より後の工程の工事という書き方だと同様のことが起こりかねません。
しっかり条件を定義して証拠書類を提出するようにしてほしいところです。
追記:基礎工事より後の工程は令和4年11月8日以降である必要
※追記:基礎工事より後の工程の工事という表現はわかりにくかったのですが、基礎工事までは令和4年11月7日までにやっても良いが、それ以外は令和4年11月8日以降にやっていないと対象外という意味でした。
こどもみらいの申請が基礎工事を条件としていたことからこのような条件となったのでしょう。
ですからちょっと追加工事したとか、外構工事などを追加でやったところでその前の工程が令和4年11月8日までに着工している場合は対象外ですね。
なお、その証明は建築士が工程の日時等を書類で出す必要があるようです。
資格を持っている人にその証明を出させることで一定の牽制作用を働かそうということなのでしょう。
まとめ
今回は「こどもみらい難民が救済へ。こどもエコすまいの要件見直しを解説」と題してこどもエコすまいの要件見直しについてご紹介しました。
非常に不合理な空白期間が解消したのはとても良いことですね。
ただし、まだ条件設定やチェックがあまい部分がある気がしますのでちゃんとしてほしいな・・・って思ってしまいますね。
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