年利3.3%の楽天モバイル債は買い?さらに利回り12%のドル建てジャンク債も追加・・・

楽天カード株式会社が個人向けの社債を発売します。

「楽天モバイル債」です。

年末に楽天は楽天カード債を1.65%の利率で発売したばかりですが、今度は2%〜4%(1月27日条件決定予定)とのこと。

国債の金利が上がるなど資金調達がしにくい状況になっているのかもしれませんね。
楽天モバイルがかなり厳しい状況にあるようで資金調達の話が連続して出ています。
今回は今回は楽天モバイル債について解説していきます。
追記1月27日:2%〜4%とされていた年利が3.3%に決まりました。
下限で決まるものと思いましたが需要が低かったのでしょうか
どちらにしてもかなり高い金利ですね。

年利3.3%の楽天モバイル債は買い?

それでは今回の楽天モバイル社債についてみていきましょう。

社債とは

まずは社債とはなにかという点から説明しておきましょう。

社債とは会社が資金調達を目的として、投資家からの金銭の払込みと引き替えに発行する債券のことをいいます。

簡単にいえば企業の「借金」です。

個人投資家からの借り入れと思えばよいでしょう。

社債は普通社債、転換社債などいろいろな発行方法があります。

その内容によってルールも違いますが、一般的には高めの利率が定められており、その利息をもらいつつ、満期や繰上償還時に額面で償還(買い取り)されます。

つまり、期日になれば元本が返ってくる上に利息がもらえるのでその分がプラスというわけです。

ただし、デメリットがあります。

企業が破綻した場合や経営が悪化した場合です。

その場合には、利息が滞ったり、元本が返ってこない可能性もあります。

また、社債は途中で換金したいと思っても株ほど売買が容易ではありません。

そのリスク分、利回りが高く設定されているんですね。

楽天グループ株式会社第22回無担保社債(社債間限定同順位特約付)

それでは今回発行される楽天モバイル債社債概要を見ておきましょう。

正式名称楽天グループ株式会社第22回無担保社債(社債間限定同順位特約付)
愛称楽天モバイル債
期間2年
募集金額2,500億円
格付けA(JCR)
販売期間2023年1月30日(月)0:00~2023年2月9日(木)14:30
利率(年率)3.30%(税引前)2.629605%(税引後)
利払日毎年2月10日および8月10日(年2回)【初回利払日:2023年8月10日】
発行日(受渡日)2023年2月10日(金)
償還日2025年2月10日(月)
発行価格額面100円につき100円
買付単位50万円以上、50万円単位

投資格付はA(JCR)ですね。

Aは債務履行の確実性は高いと評価された場合に付与されるものです。

ただし、こういった格付はあまり当てにならない部分もあります。

例えばリーマンショックのきっかけとなり大きな問題になったサブプライムローンとかAAAがついてたりしましたしね・・・

なお、本社債の販売は楽天証券だけでなく、以下の証券会社で行っています。

大和証券
SMBC日興証券
楽天証券
みずほ証券
野村證券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
買付単位は50万円以上、50万円単位です。

社債間限定同順位特約とは

なお、この社債には「社債間限定同順位」というあまり聞き慣れない特約がついています。

社債間限定同順位特約とは同じ会社が発行した複数の無担保社債間において、利金や償還金の受取りに有利不利が生じないようにするための特約です。

もともと無担保社債には、利金や償還金を支払う為の担保は設定されていません。

しかし、同じ会社が担保のある社債を発行すると、無担保社債の購入者は債権者としての立場が弱くなってしまいますよね。

そうならないようにつけられるのがこちらの特約です。

これが付くことで他の社債に担保をつけれなくしたり、つけても「社債間限定同順位特約」がついてる債券は同等の担保の設定されることになります。

つまり、基本的には購入する側が不利にならないようについているものですね。

野村證券の解説だとこんな感じです。

無担保社債には、元利金や償還金を支払う為の担保は、元々設定されていない。「社債間限定同順位特約」とは、発行者が、当該社債の所有者の元利金や償還金を受け取る権利を保護する為に、当該社債以外の社債に対して担保を自由に設定しない約束をし、担保を設定する場合には、当該社債にも同等の担保を設定することを指す。

出典:野村證券 証券用語解説集 社債間限定同順位特約




楽天モバイル社債のポイント

楽天モバイル社債は利回りの条件は悪くありません。

また、楽天グループは日本でも有数の規模の企業です。

しかし、親会社の楽天グループが楽天モバイルに足を引っ張られてかなり業績が悪くなっています。

前述のように債券はそのあたりのリスクを背負うことになりますので、そこをどう考えるかというところですね。

2022年6月の楽天モバイル債は0.72%だった

ちなみに楽天グループとしては6月に楽天モバイル債(利率0.72%)、12月には楽天カード(年率1.65%)として年末に発行。
かなり資金調達を連発しています。
利回りも短期間で上がっているんですよ。
おなじ楽天モバイル債でみても、2022年6月の時点では利率0.72%だったのが、今回は年利2%〜4%です。
そのあたりをどう考えるかという部分もありそうですね。
なお、他社の社債と比較してもかなり高い利回りとなっています。
例えば2023年1月13日に発売してすぐ売り切れた株式会社クレディセゾンの第94回無担保社債は利回り年0.72%(税引後年0.573%)でしたからね。

利回り12%のドル建てジャンク債

さらに楽天グループは11月には利回り12%のドル建ての社債もジャンク債として起債しています。
1月に入ってさらに追加されるようです。

楽天グループは11日、4億5000万ドル(約600億円)規模のドル建てジャンク債を起債した。旺盛な需要の兆しが見られたことから、発行額を2億5000万ドル増やした
事情に詳しい関係者によると、昨年始めた一連の社債発行に追加される形となる。楽天Gは昨年11月に5億ドルの社債を発行し、利回りは12%もの高水準だった。表面利率は10.25%。モルガン・スタンレーが起債を主導した。

出典:BLoomberg楽天G、ドル建て債発行額4.5億ドルに増額-需要旺盛の兆し

すでに楽天グループの社債は海外ではジャンク債扱いなんですよ笑
なお、ジャンク債とは以下のようなものを指します。
ジャンク債は、格付けが低くデフォルト(債務不履行)の可能性が比較的高い債券のことです。信用リスクが高いため、利回りが高く、ハイリスクハイリターンの金融商品です。
一般的にMoody’sやS&Pといった格付け会社の格付けが債務不履行の可能性を示している債券がジャンク債と呼ばれます。
出典:SMBC日興証券 ジャンク債
社債なのにハイリスクハイリターンという位置づけでそれに見合う利回りに設定されてしまっています。
この利率でも銀行は貸してくれにくいということなのでしょうか・・・
それを考えると楽天モバイル債の年利2%〜4%は微妙な感じがしてきますね。

少し前にはツイッターで楽天証券がやばいのでは?という投稿が目立って話題になりましたね。

証券は分別管理がありますのでそこまで心配することでは無いでしょうが・・・




まとめ

今回は「年利3.3%の楽天モバイル債は買い?さらに利回り12%のドル建てジャンク債も追加・・・」と題して楽天の社債についてみてきました。

単純に社債としての利回りを考えれば他社よりかなり高く条件は悪くありません。

ただし、楽天グループへの投資はリスクが高くなってきた感はあります・・・

そのあたりを勘案して検討すると良いでしょう。

個人的にはパスですね・・・

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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