大人気の全世界株を投資対象とした投資信託「eMAXIS Slim全世界株式（オール・カントリー）」が信託報酬率を半額程度に引き下げると報道されました。
少し前にはTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)には追随しないとの方針を示していたので衝撃ですね。
今回はこの報道を見ていきましょう。
eMAXIS Slim全世界株式（オール・カントリー）が信託報酬引き下げ報道内容
まずは、今回の報道内容から確認してみましょう。
三菱UFJ国際投信は「eMAXIS Slim全世界株式（オール・カントリー）」の信託報酬を9月8日から半額程度に引き下げる。野村アセットマネジメントが運用し、手数料が年0.05775%と業界最低の競合商品と同水準にする。収益も半減するが、来年1月に始まる新しい少額投資非課税制度（NISA）を前に投資家のつなぎ留めと新規獲得に動く。
出典：日本経済新聞 三菱UFJ国際、主力投信手数料下げ 野村アセットに対抗
今まで「年0.1133％以内」だった信託報酬を「年0.05775%と業界最低の競合商品と同水準」に引き下げるというのです。
今までの半額程度ですからこれは驚きですね。
ちょっとこれまでの経緯を整理してみましょう。
元々信託報酬は最安値水準だった
元々は年0.1133％以内でも全世界株を対象とした投資信託ではベンチマークが多少違うＳＢＩ・全世界株式インデックス・ファンド（愛称：雪だるま（全世界株式））の年0.1102％に次いで安かったのです。
全世界に安い信託報酬率で投資ができることから多くの証券会社で売れ行きトップになる商品にまで成長していましたし、投信ブロガーが選ぶ！ Fund of the Yearでも連続してトップとなっています。
Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)登場も追随せず
しかし、価格は価格破壊といえるTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)が登場したのです。
Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)は年0.05775%とeMAXIS Slim全世界株式（オール・カントリー）の半額程度という価格破壊となっています。
eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準の運用コストを、将来にわたってめざし続ける」をコンセプトにしています。
そのため、Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)にも信託報酬合戦で追随するのかとおもわれました。
しかし、追随しなかったんですよ。
それには理由があります。
「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」は「指数の標章使用料」が信託報酬に含まれておらず、別途徴収ができる仕組みになっていたんですよ。
そのため、単純な比較ができないとのことでした。
「弊社ファンドでは、指数の標章使用料は信託報酬率に含めており、信託報酬水準が公正な比較対象とならないため、現時点では追随しない方針」（三菱UFJ国際投信）
出典：ITmedia NEWS eMAXIS Slim”オルカン“、Tracers対抗の信託報酬引き下げは行わず 「公正な比較対象とならない」
詳しくはこちらを御覧ください。
はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)登場も追随せず
しかし、そうも言ってられなくなりました。
野村アセットマネジメントから「はじめてのNISA」シリーズが登場したのです。
eMAXIS Slim全世界株式（オール・カントリー）と同じベンチマークの「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) 【愛称：FUnds-i Basic 全世界株式(オール・カントリー)】」は年率0.05775%程度(税込)とTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」に合わせて来たんですよ。
はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) は指数の標章使用料等もeMAXIS Slim全世界株式（オール・カントリー）と同様なのにです。
しかし、はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) は当初発表では取り扱いが野村證券だけ。
はじめてのNISAシリーズがSBI証券などで取り扱い開始で追随
しかし、情勢が変わってきます。
はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー) などはじめてのNISAシリーズをSBI証券をはじめ、ネット証券での扱いをはじめたのです。
まとめ
今回は「eMAXIS Slim全世界株式（オール・カントリー）が信託報酬を半額程度に引き下げる報道」と題してeMAXIS Slim全世界株式（オール・カントリー）の信託報酬率引き下げの報道についてみてきました。
かなり嬉しい話ですね。
正式発表を待ちましょう。
ただ、ここまで信託報酬が低くなってくると継続性がちょっと不安な気も・・・
※正式発表されました。
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