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TOBで株はどうなる?“売る/売らない”判断軸と投資信託・NISAへの影響

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TOBで株はどうなる?“売る/売らない”判断軸と投資信託・NISAへの影響

最近、円安の影響もあるのかTOB(株式公開買い付け)が増えてきています。

また、TOBされそうな銘柄を先買いする投資をする人も増えていますし、それ用の投資信託まで出ていたりします。

今回はTOBについて詳しく見ていきます。

目次

TOBとは簡単に

まず、TOBとはなにか?というところから見ていきます。

TOBは略語でTake Over Bidの頭文字を取った言葉です。

日本語では株式公開買付

一言で言えばあらかじめ価格(株価)と期間を公開し、取引所の外で株式を買い集める手法です。

つまり、

この会社の株を◯◯◯円でこの日まで買い取ります

と募集を募るわけです。

企業の買収・子会社化・MBO(非上場化)などで使われます。

日本では市場の公正さを保つため、一定条件で取引所外での一括買付=TOBの枠組みが求められます。

最近だと住信SBIネット銀行のTOBなんかが話題になりましたね。

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1/3ルール

日本の金商法では、市場外(または市場内外の組合せ)で買い進めて議決権の3分の1超に達する場合は、原則TOBで行うのがルールです。

これが通称「1/3ルール」。

TOBの期間

TOB期間は原則60営業日を超えない範囲で延長可能とされています。

独禁法審査等、限られた事情があれば特例もあります。

実務上は30営業日前後を確保する例が多いです。

TOBと株価:プレミアムと“その後”の値動き

それでは次にTOBと株価の関係を見ていきましょう。

一般的に高い金額が提示されるが・・・

一般にTOB価格は、市場価格よりプレミアム(上乗せ)が付いて募集されるケースが多いです。

そのため、発表直後は株価がTOB価格へサヤ寄せする動きが典型です。

TOBされそうな銘柄を先買いする投資をする人はそれを狙っている感じですね。

TOB成立の確度が高いほど、株価はTOB価格近辺で“張り付くように推移しやすくなります。

ただし、はじめからTOBの成立見込みが立っているケースだと、市場価格より安い株価を提示しているケースもあったりします。

豊田自動織機なんかが典型ですね。

TOB正式発表直前の終値から 11%も低い“ディスカウントTOB” として話題となりました。

ただし、これはかなり異例なケースです。

TOBの噂が事前にでて株価が高騰していたんですよ。

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敵対的TOBと友好的TOB

敵対的TOBとは、対象会社の取締役会の同意なしに仕掛けるTOBのこと。

経営権の取得を目的に、株主へ直接アプローチして過半の議決権の確保を狙います。

一方、友好的TOBは経営陣の合意があるパターン。

日本では友好的のほうが多いのが実情です。

敵対的TOBの場合は、企業側が対策を打ってきたりするケースも多く、TOB価格の釣り上げ合戦に繋がったりもします。

TOBに“売らない”選択肢:メリット/デメリット

TOBの参加はあくまで株主の任意です。

参加しないという選択肢もあります。

メリット・デメリットがありますのでそちらを確認しておきましょう。

メリット

主なメリットは以下です。

  • 課税タイミングの繰延べができることがある(年度跨ぎ等)。
  • 手法次第でみなし配当等との損益通算余地(要税務確認)。
  • 価格不服申立てで再算定を狙う戦略(コスト・時間要覚悟)。

特に大きいのが価格の部分。

過去には実現したケースも。

ただし費用・時間がかかりますし、結果の不確実性は高いです。

デメリット

次にデメリット

  • 上場廃止前後で流動性が枯れる。望む価格で売りにくい。
  • キャッシュ化まで長期化しやすい(資金拘束)。
  • 実務上、スクイーズアウト価格=TOB価格が大勢で“妙味”は限定的。
  • 税務・手続が複雑化。特に上場廃止銘柄は確定申告対応が増えがち。

基本的に大きいのが手間暇の部分ですね。

私もライブドアが上場廃止をするタイミングで、株主総会参加したさに買って持っていましたが、プラスなことはあまりありませんでしたね。

気づいたら株の権利まで没収されちゃったようです笑

よかったのは株券の現物がもらえたくらいですかね。

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結論としては基本的に流動性と手間を優先しTOB参加が無難です。

TOB価格にどうしても納得できなければ、不参加ということも検討するレベルでしょうか。

TOBとNISAの落とし穴

なお、NISAで保有している銘柄がTOBになると落とし穴があります。

この点はあらかじめ知っておきたいところ。

NISA口座で保有中の株をTOBで売る場合、多くの証券では公開買付代理人の口座へ株式を移す際に、NISA→課税口座へ移管が必要になります。

移管後の売却は課税対象となり、「NISAなのに課税」という落とし穴が発生します。

回避策は、最初から公開買付代理人のNISAで保有しているケース(レア)か、NISAのまま市場で売却する選択ですね。

TOB価格前後で推移しているならTOBの期限前に売ってしまうのが一番カンタンでしょう。

ポイントをまとめるとこんな感じです。

NISA→特定口座へ移管してからTOB応募=課税
市場売却ならNISAのまま非課税
移管日の時価が取得価額になる等の細目も要注意

詳しくはこちらの記事で解説しております。

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TOBと投資信託

次にTOBと投資信託の関係をみていきましょう。

投資信託がTOB対象株を保有している場合、組入先のTOB成立→現金化により、基準価額(NAV)は当該価格を織り込むのが基本です。

ですから利用者側からすると特になにもしなくて良い感じですね。

前述したように最近は資本効率向上ファンド(愛称:TOBハンター)のようにアクティブファンドが参入を予想したり、親子上場解消などTOBの可能性が高い銘柄へ着目した投資信託なんかもでていますね。

まとめ

今回は「TOBで株はどうなる?“売る/売らない”判断軸と投資信託・NISAへの影響」と題してTOBについてみてきました。

まずはTOBの基本ルールを理解しておきたいところ。

基本的にはTOBは事前に売ってしまうか、TOBに参加したほうがよいケースがほとんどです。

ただし、キャッシュ化タイミングと税金、手間暇を天秤にかけ、目的に沿って判断を

本記事は投資判断の参考情報であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。最終判断はご自身で。必要に応じて税務・法務の専門家へご相談ください。

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