このサイトで何度も紹介していますが始めないと損なレベルでお得な個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)ですが落とし穴もあります。
前回、その落とし穴として個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)と住宅ローン控除との関係をみた記事を書いた所、大変好評でしたので、その続編として今回は個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するとふるさと納税にどのような影響があるのか考えてみたいと思います。
ふるさと納税と個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)
まずはふるさと納税と個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の立ち位置から確認しておきましょう。
ふるさと納税は簡単に言えば住民税の一部を地方自治体に寄附する制度です。
寄附をするとその御礼として返礼品(特産品など)がもらえたり、住民税が安くなる効果があります。
対して個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は老後資金の準備をするための制度です。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を積み立てるとその金額が所得控除として税金計算時に所得を下げる効果があります。
それにより税金(所得税・住民税)を減らすことができるのです。
ここでふるさと納税との間で問題となるのが個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)には住民税を減らす効果があるっていうことです。
ふるさと納税の上限額
ふるさと納税の上限額は下記のように決まります。
出所:総務省 ふるさと納税ポータルサイト ふるさと納税のしくみより
ふるさと納税の所得税控除
まず、所得税からの控除は(ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」となります。
簡単に言えば払った金額から2000円払った分が控除対象ってことです。
これはすでにお金が出ていっていますので別に得という話ではありません。(総所得金額等の40%が上限)
ふるさと納税の住民税控除
住民税からの控除は基本分として(ふるさと納税額-2,000円)×10%(総所得金額等30%が上限)
さらに特例分として住民税所得割額の2割を超える分までは(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)
2割を超える場合には(住民税所得割額)×20%の計算式となります
ポイントとなるのが住民税所得割額の2割を超える分がふるさと納税の対象ってことです。
ややこしい方は住民税決定通知書で確認するのがおすすめです。
そろそろ「住民税決定通知書(納税通知書)」という書類が手元に届きはじめる時期だと思います。通常ならば会社員の方が5月中旬から下旬。(会社から)自営業の方は5月下旬から6月頭に届くと思います。(郵送)>>住民税の納付書はい[…]
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の所得控除の概要
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は将来の年金を作るための制度ですが、所得控除という効果があります。
今回はふるさと納税の上限額に直接関係のある所得控除の部分を見ておきましょう。
掛け金として掛けられる金額ははその人の厚生年金等の状況により変わってきます。
例えば国民年金のみに加入ししている第一号被保険者でしたら国民年金基金と合わせて6万8千円まで加入することができます。
(付加年金入っている場合には6万7千円)
また、サラリーマンで年金制度がない会社にお勤めの方ならば月額2万3千円まで掛けることができます。
確定給付型年金などの年金制度がある会社にお勤めの場合には月額1万2千円まで掛けられます。
公務員の方も同様に月額1万2千円が上限となります。
この掛けた金額がまるまる所得控除の対象となります。
所得控除とは税金計算するときにその金額を控除して税金計算できるようになるってことです。
つまり、所得を減らしたことと同じ効果が得られます。
その結果、所得税及び住民税が減るのです。
毎月満額の6万8千円を確定拠出年金(iDeCo)に積み立てたとします。
すると年間で81万6千円の掛け金です。
それがそのまま全額所得控除となり24万4千8百円もの節税となります。
(81万6千円✕30%)所得税率20%、住民税10%で計算
ふるさと納税上限額と個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の関係
それではふるさと納税の上限額と個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の関係を見ていきましょう。
結論から言えば個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を掛けると住民税所得割額が減ります。
それによりふるさと納税の上限額の減るってことになります。
ふるさと納税より個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の方が得
ふるさと納税はあくまでも住民税を違う自治体に納税するような仕組みで返礼品分得をできますよって制度です。
対して個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は所得税と住民税を減らすことができますのでこちらの方が得です。
簡単に比較をしてみましょう。
節税効果
よく勘違いしてる方が多いのが節税効果についてです。
ふるさと納税には節税効果はありません。
たしかに税金は減ります。
しかし、寄附していますので結局出ていくお金は一緒なのです。
対して確定拠出年金(iDeCo)は払った分だけ所得控除となりますので節税になります。
また、売買益がでたとしてその分が非課税であったり、もらうときも退職金や公的年金として扱われるので節税となります。
お得度
ふるさと納税は返戻品部分がお得です。
例えば1万円を返戻率30%の自治体に寄附をしたとします。
すると本来払うべき税金が8000円減ります。
さらに3000円相当の返礼品がもらえます。
つまり、2000円の負担で3000円の特産品をもらうことで1000円得したということになります。
少し前までは80%の返戻率の自治体などもありましたが厚生労働省が30%程度以内とするようにと指導しているようです・・・
確定拠出年金(iDeCo)は前述の節税効果がお得になります。
金額を考えても確定拠出年金(iDeCo)の方がお得度が高いです。
ふるさと納税と個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)のどちらがお得なのかをもう少し詳しく見たい方は下記の記事をご覧ください。
お得な制度として有名になってきたふるさと納税、今年から公務員などにも解禁され、こちらもお得な確定拠出年金(iDeCo)。性質は大きく異なっていますがどちらをお得な制度です。今回はこの2つどちらを優先すべきなのかを考えてみたい[…]
ふるさと納税と個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)両方使う場合の注意点
今まで見てきたようにふるさと納税と個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)はトレードオフの関係です。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は所得を減らす効果があります。
また、ふるさと納税を使える金額は所得によって決まります。
そのため、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)をすればふるさと納税できる金額が減ってしまうのです。
例えば年収600万円の夫婦で子二人の場合、 自己負担2,000円で寄附可能な目安金額は53,000円です。 もし、確定拠出年金(iDeCo)を年間27万6千円やっていれば目安金額は48,000円となり 5,000円小さくなります。
それならば個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は諦めた方がいいのかというとそうではありません。
むしろ個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の方を優先するのをおすすめします。
例えば前述の年収600万の夫婦の場合、確定拠出年金(iDeCo)を年間27万6千円の節税効果は82,800円あります。
5,000円余分にふるさと納税したいからと82,800円の節税効果をすてるのは本末転倒ですよね。
計算はちょっとややこしいのでおすすめはさとふるのふるさと納税控除上限額シミュレーションで見てみることです。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)で掛ける予定の年額を所得控除額にプラスしてあげれば計算できます。
確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を今年から始めるなら要再計算
昨年ふるさと納税しました。
住民税決定通知書みたらちょうどいい感じの金額の控除でした。
というようなケースでも今年から個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならちゃんと計算し直しましょうね。
前述のように個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるとふるさと納税の上限額が下がります。
まとめ
今回は「個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるとふるさと納税の限度額が減るってほんと?」と題して個人型確定拠出年金(イデコ)とふるさと納税上限額の関係を見てきました。
まとめるとこんな感じです。
○個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を優先にしてふるさと納税の寄付額を決めよう。
○昨年と同じ金額をふるさと納税するのは危険なのでちゃんと計算しよう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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