2018年(平成30年)8月から社会保険制度の一部が引き上げへ【高額療養費】【高額介護合算療養費】【介護サービス費】

厚生労働省関連の社会保険は例年8月に引き上げが行われます。

社会保険関連は少子高齢化の影響が大きく大変厳しい状況にあります。

とくに医療費や介護費が厳しいようです。

そのため、今年はそのあたりのサービスのルールが変更になりましたね(実質引き上げ)

今回は2018年(平成30年)8月の引き上げ内容について詳しく見ていきましょう。

※加筆修正を加えました。

2018年(平成30年)8月の変更内容


2018年(平成30年)8月から変更するのは高額療養費、高額介護合算療養費、介護サービス費です。

順番に変更内容を見ていきましょう。


70歳以上の高額療養費の限度額引き上げ

まずは高額療養費です。

高額療養費とは医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月(歴月:1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する制度です。

高額療養費の70歳以上の方(低所得者以外)の高額療養費の限度額が下記のように引き上げられます。

高額療養費引き下げ-min
出所:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆様へ」より

限度額とは1月に負担する医療費のことでそれを超えた部分が戻ってくるのが高額療養費制度です。

つまり、高額療養費の限度額が引き上がるってことは医療費の自己負担が増えるってことですね。

一般

一般の方(年収156万円〜約370万円)の方で外来が14,000円から18,000円に引き上がります。

年間の上限及び世帯ごとの上限は変わりません。

現役並み

現役世代並の方は一般を超えている場合は今まで一括りだったのが、3つの段階に分かれて引き上げられました。

年収370万〜約770万

年収370万〜約770万の方の上限は57,600円(外来)80,000円+(医療費ー276,000)✕1%(世帯)

だったのが世帯に合わせて80,00円+(医療費ー276,000)✕1%となりました。

※多数回の場合の44,400円は変わらず

年収770万〜約1160万

年収770万〜約1160万の方の上限は57,600円(外来)80,000円+(医療費ー276,000)✕1%(世帯)

だったのが大幅に増加し、167,400+(医療費ー558,000)✕1%となりました。

多数回の場合も93,000円に引き上げられました。

1160万〜

1160万円〜の方の上限は57,600円(外来)80,000円+(医療費ー276,000)✕1%(世帯)

だったのが大幅に増加し、252,600+(医療費ー842,000)✕1%となりました。

多数回の場合も140,100円に引き上げられました。

3つのカテゴリーとも70歳未満の限度額に合わせた形となります。

つまり高齢者でもそれなりに所得がある方は69歳未満と同じにしたよってことですね。

これは当然かな・・・って思いますけどね。

高額療養費について詳しくはこちらをご覧ください。

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住民税非課税世帯は今までと変わらず

低所得者(住民税非課税世帯)だと現状と変わりません。

ちなみに住民税は小規模企業共済iDeCoなどの節税策が効きます。

iDeCoは年齢的に加入できませんが、条件を満たした方は小規模企業共済は使えますのでそちらで節税して住民税非課税世帯としても低所得者のカテゴリーになることもできます。

ふるさと納税は課税所得を引き下げる効果はありませんので住民税非課税世帯になるかどうかには関係ありません。

また、住民税非課税世帯は下記のような様々な場面で得をしますので、それほど所得が多くない方も小規模企業共済iDeCoの節税は意味があるってこともいえるかもしれません。

住民税非課税世帯のメリットは下記のようにたくさんあります。

国民健康保険料の減免
高額療養費の自己負担限度額の軽減
NHK受信料の免除(非課税世帯に障がい者がいる場合)
保育料の減免(自治体により)
健康診断や予防接種等の減免
がん検診の料金減免
入院時の食事代等の自己負担額の減免
介護保険サービス料の減免
臨時福祉給付金などの対象

住民税非課税世帯になるための条件は下記記事をご覧ください。

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70歳以上の高額介護合算療養費の限度額引き上げ

同じく高額介護合算療養費も引き上げられます。

高額介護合算療養費とは1年間における医療保険と介護保険の自己負担が著しく重くなった場合に、負担を軽減する制度です。

こちらも高額療養費と同様に70歳以上の方(現役世代並)に限度額が下記のように引き上げられます。

高額介護合算療養費引き上げ-min
出所:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆様へ」より

こちらも今までは現役世代並みが一つのカテゴリーだったのが3つに増加し、それぞれ年収770万〜約1160万の方は141万、1160万円〜の方が212万円が上限と大幅に引き上げられました。

現役世代並みの方でも年収370万〜約770万の場合には現状と同じ67万円です。

高額所得者の方からするとかなりの増加となりますね。

こちらも70歳未満の方の限度額に合わせた形となりました。

介護サービス費が3割負担導入

また、介護保険の適用される介護サービス費の利用者負担割合は今まで1割または2割負担でしたが、2018年(平成30年)8月からは一部対象者が3割負担となります。

介護保険引き上げ-min
出所:厚生労働省「介護保険制度の概要」より

具体的に3割に変更されるのは下記の基準を満たした方です。(具体的な基準は政令事項ですが現時点では下記)

「合計所得金額(給与収入や事業収入等から給与所得控除や必要経費を控除した額) 220万円以上」かつ
「年金収入+その他合計所得金額340万円以上(単身世帯の場合。夫婦世帯の場合463万円以上)」

まとめ


今回は「2018年(平成30年)8月から社会保険制度の一部が引き上げへ【高額療養費】【高額介護合算療養費】【介護サービス費】」と題して2018年(平成30年)8月から引き上げられる3つの社会保険関連について見てきました。

少子高齢化の状況は今後も進展していくことが推測されていますので今後もこの引き上げの方向はあまり変わらないでしょう。

これら費用が上がっても十分生活できるような状況を作っておくことが必要なのでしょうね。

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2018年(平成30年)8月引き上げ
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