【2025年問題】ってご存知ですか?健康保険、年金制度など様々な点に大きな影響が・・・個人でできる対策とは

2025年問題ってご存知ですか?1999年のノストラダムスの予言、2000年のコンピュータの問題など過去にも○年問題ってありましたが、それらとは大きく違いほぼ必ずおこるかなり大きな社会問題なのです。ですがまだあまり報道はされていないんですよね。

今回はこの2025年問題についての影響、また個人でできる対策について考えていきたいと思います。

2025年問題とは

まずは2025年問題の概要から見ていきましょう。簡単に言えば2025年に戦後のいわゆるベビーブームで生まれた世代(約800万人)が75歳の後期高齢者に達するのです。簡単に言えば人口の多い層が後期高齢者にある時期ということです。これにより国民の20%近くが後期高齢者というとんでもない超高齢化社会を迎えてしまいます。これが2025年問題です。

厚生省の試算によると2025年には75歳以上の高齢者(後期高齢者)は2,197万人(日本国民の18.1%)、65歳以上の高齢者(前期高齢者)は3,657万人(日本国民の30.3%)と予想されています。国民の3割が高齢者とは異様な状況ですね・・・さらに高齢者の一人ぐらしの世帯が37%にも達するという予想もあります。

これにより様々な部分での影響が考えられます。


2025年問題の健康保険への影響

まず2025年問題で大きな影響を受けそうなのが健康保険です。今現在日本では国民皆保険制度といって全国民が基本的になにかしらの健康保険制度に加入する仕組みとなっています。

健康保険の団体であるけんぽれん(健康保険組合連合会)では「あしたの健保プロジェクト」で専用ページまで用意して2025年問題を問題視しています。

国民医療費の大幅増加

まず超高齢化により国民医療費は大幅に増加する予定となっています。2015年では42.3兆円(うち後期高齢者15.2兆円)が2025年には57.8兆円まで膨れ上がります。またそのうち後期高齢者分は25.4兆円と67.7%も増加するのです。

国民医療費の推移
出所:けんぽれん「あしたの健保プロジェクト」健康保険の2025年問題より

支えても減る・・・

高齢者は増えますが、支えては減る予定となっており、2000年には3.9人で1人を支えていたのが1.9人で1人を支える様になる状態となってしまいます。

高齢者の負担増
出所:けんぽれん「あしたの健保プロジェクト」健康保険の2025年問題より

高齢者の医療負担が半分を超える・・・

また、健康保険料のうち高齢者への負担分が半分を超えるという異常事態自体となります。現在でも46.4%もあるんですけどね・・・

医療費が高い
出所:けんぽれん「あしたの健保プロジェクト」健康保険の2025年問題より

健康保険も大幅増加

上記のような状況ですから健康保険も大幅増加が予想されます。2020年には17%増、2025年には38%増となります。

ただでさえ健康保険の負担は大きいのにさらに増えるとは・・・

特に加入者の層を考えると国民健康保険はさらに厳しくなりそうです。

健康保険大幅増加
出所:けんぽれん「あしたの健保プロジェクト」健康保険の2025年問題より

2025年問題の年金への影響

健康保険と同じく年金にも同じく大きな影響がありそうです。現在支給開始年齢の引き上げも検討されていますが、けんぽれんのデータをみる限り実施は必須と思われます。また、支給額の世代間格差も大きくなることが確実ですね。

また、消費税が10%にあがりますが、全然足りません。もっともっと上げていかないと足りなくなるでしょう。(給付を大幅に押さえるか、現役世代の負担を増やすか、支給開始を遅らせるかしかありません)

2025年問題の医療・介護への影響

また、他にも問題があります。それは医療や介護への影響です。前述のように2000年には3.9人で1人を支えていたのが1.9人で1人を支える様になる状態となってしまいます。それはお金の問題だけでなく物理的に医療へ従事するとひと、介護へ従事する人の問題が発生することを意味します。医療や介護に従事する人が大幅に足りなくなることが想定されているのです。一人が一人を支える肩車型になるってよく言われていますよね。

人だけではありません。医療機関への影響も大きいと想定されています。前述のように健康保険は増加することにことになりますが、それにより想定されてるのが医療給付金の抑制です。そうなれば医療機関の経営を大きく圧迫することになるのです。2025年問題は医療機関の倒産が増えることも予想されているのです。

そうなれば施設も不足します。今、現在の試算では2025年の全国の入院患者数は138万人となる想定となっています。対して全国の病床数は134万床となっています。これは今後減り続ける予想となっており、そもそも病院に入院できない患者が多く発生することになります。

また、同じく介護施設も同様に足りなくなることが予想されています。これは現在での予想であり、今後さらに寿命が伸びればさらに悪化することになるでしょう。

認知症患者の人口に対する割合が1割・・・

後期高齢者が増えるとなればそれに伴い認知症の患者も増えることになります。現在の予想では軽度な認知症も含めれば10人に1人くらいは認知症という想定があるそうです・・・現在でもすでに820万人の患者がいるといわれます。それが2025年には今の1.5倍1200万人程度が認知症になっていても不思議ではないとの指摘があります。これも医療や介護への大きな影響のある話ですね。

2025年問題の経済への影響

経済への影響も計り知れません。まず人口がどんどん減る予想となっています。人口が増えれば人口ボーナスというくらい経済へのプラスの影響が働きます。しかし、逆に人口が減り続ける状態であればその逆に経済にはマイナスの効果が働いてしますのです。人口が一人減ればその一人の消費が減るわけですからね・・・人口が減れば減るほど経済規模は小さくなってしまいます。

また、働き手が不足することも考えられます。今でも人出不足が顕著ですがこれからどんどん働き手が減ります。緩やかに経済も落ちていきますがそれ以上に働き手が減ることで人がいないことによる閉店や倒産なんてこともありそうですね。実際現在の人手不足の比ではない人手不足が2025年には到来するという予想もあります。最近定年を70歳に引き上げようって話があるのもこの辺りの影響が大きそうです。

2025年問題対策を考える


それではここからは2025年問題対策を考えてみましょう。


国が取れる2025年問題対策の選択肢

まずは国が取れる2025年問題の対策について考えていきます。

移民を受け入れる

2025年問題に対しての対策として大きなポイントとなるのが移民を受け入れるか否かでしょう。移民を受け入れなければ前述のように経済の縮小は避けれれません。ですから移民を受け入れるいう選択肢は2025年問題対策として中心となる話です。しかし、移民を受け入れればさらなる格差社会が訪れる可能性が多くなります。また、治安の問題などその他問題が起こる可能性も大です。このあたりをどう考えるかですね。

今の所、移民を受け入れることについては議員の中でも意見が分かれています。反対派が多そうな感じもありますのでなかなか実現は難しそうなところです。

抜本的にこの問題を解決するためには移民しかないと個人的には考えています。

社会保険の仕組みを抜本的に見直す

現在の年金、健康保険などの制度はもうすでに限界に来ています。労働者の負担が大きくなりすぎ、大きな負担を強いられる若者は自分が年金を受け取ることができる金額はかなり少なくなっているでしょう。つまり、世代間格差が大きすぎるのです。社会保険の仕組み自体を大きく変えないとどうしようもない時期に来ているんですよね。年金の受給開始年齢を遅らせるとかそういった小手先の修正ではなかなか厳しいでしょう・・・

個人的には色々な課題はありますがベーシックインカムの導入なんかありだと思います。まだ日本ではまともに議論の段階にも来ていませんのでまずは真剣に検討していただきたいところです。

AIやロボットフル活用

これは国の政策ではないですが日本全体として考えなくてはならないのがAIやロボットの活用です。特に前述のように医師不足、介護、医療などの人材が不足することが予想されますのでその分野は特にAIやロボットの活用は避けては通れないでしょうね・・・

コンパクトシティ

もうすでに破綻した夕張などは手がけていますが、コンパクトシティにすることも必要となるでしょうね。高齢者になれば足がない、孤独になるということはよく言われていることです。人々が住む場所をコンパクトに集約してしまうことでそのような問題も解消できる可能性があります。

個人が取れる2025年問題対策の選択肢

2025年問題への対策として個人が取れる対策は多くはありませんが、いくつか考えられます。

老後資金は年金に頼らない

まずは国民年金や厚生年金に頼らなくても生活できる老後設計をすることが大事となります。前述のように今後さらに年金の財政は厳しくなることは目に見えています。そうなれば支給される金額は自ずと下がっていきます。そうなってもいいように自分で準備をすることが大事になります。

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)

まずいの一番に検討したいのがこのサイトでも何度もご紹介している個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)です。2017年から自営業やフリーランスだけでなくサラリーマンや公務員にも開放され知名度があがったので知ってる方も多いかもしれません。

この制度は老後資金を作るために非常に有効な方法です。

将来年金としてもらうのか、一時金として一括でもらうのか、併用するのかを選択できます。またこちらは掛金が全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象になります。それにより所得税や住民税の節税をすることができます。

また、貰うときも一時金として貰えば退職金控除、年金として貰えば公的年金等控除が受けられますから有利に受け取ることができます。

デメリットもありますが今回紹介する制度の中でもトップクラスにお得な制度ですからぜひ積極的に活用したいところです。

また、国民年金、厚生年金と大きく違う点が2つあります。一つは個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は個人の積立方式であることです。つまり、自分の積み立てた金額はすべて自分のものですし、自分で使うことができます。

対して国民年金や厚生年金は個人ごとにいくら支払ったのかは記録がされていますが、現役世代のときに支払った保険料はそのときの年金受給者が受け取る賦課方式という仕組みになっています。支え合いの仕組みといえばそうですが、現状では世代間格差がかなり問題になっています。その点、自分の掛けたお金はすべて自分で使える確定拠出年金(iDeCo)は納得性が高いと言えるでしょう。

また、運用面も違います。国民年金、厚生年金はGPIFが運用しています。対して個人型確定拠出年金(iDeCo)は自分でどの運用商品買うのかというところから選択することになります。お任せするのか、ある程度自分で選択できるのかの違いですね。自己責任ではありますが、他人に丸投げするよりも納得性は高いでしょう。

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)について詳しくは下記のページを御覧ください。

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つみたてNISA

もう一つがつみたてNISAです。こちらも毎月(毎日や毎週も設定できる証券会社もあります)決まった金額を預金口座から引き落とし設定した投資信託を買う仕組みです。

(年間40万円まで)

つみたてNISAは20年間は非課税で運用することができます。個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)と似た制度ですが大きく違う点としていつでも引き出せる点があります。そのため強制力としてはちょっと弱めですがいざという時に使える安心感はありますよね。

そのかわりに個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)であった掛けた金額が所得控除の対象というのはありません。

トンチン年金

つぎはトンチン年金です。これは国の制度ではありませんので、前述の二つの制度と比較するとお得度は低めですが老後資金の対策の1つとしては選択肢に入るでしょう。

トンチン年金とは長生きのリスクに備えるための保険です。加入のポイントは個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の補助として考え、後述する個人年金保険と合わせて保険料控除内で加入することです。お得度はあまり高くありませんので保険控除目的で考えるならありでしょう。

トンチン年金については詳しくは下記を御覧ください。

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個人年金保険

個人年金保険も前述のトンチン年金と同様です。国がやっている制度ではありませんのでお得度は低めです。トンチン年金と合わせて保険料控除内で加入するのがよいでしょう。

お得度はあまり高くありませんので保険控除目的で考えるならありですね。

個人年金保険については下記を御覧ください。

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十分なお金を用意しておく

もう一つ考えたいのがお金をためておく事です。貯めるといっても貯金すれば良いという訳ではなく、必要な時に必要なお金が用意しておくことが重要です。なぜなら今後、様々なサービスを受けるのに今まで以上にお金が必要となることが予想されるからです。ピケティもいっていますが労働では資本家に勝てませんので投資をすることも重要です。そのあたりを踏まえて投資の勉強や実践をすることでも大事になってくるでしょう。

健康に留意する

また、病院に掛かるのもなかなか大変になることが予想されますので健康に留意することも大事かもしれませんね。そもそも病気になりにくい生活を意識しましょう。暴飲暴食をさけ、適度な運動をするだけでも違うと思います。また、遺伝子検査を受けてみるのも効果的ですよ。私は炭水化物減らせば良いと思ってましたが、遺伝子検査をして見たら炭水化物は全然太らない、逆に脂質にリスクが高いたいぷでした。調べてよかったな。。。って思いましたのでお勧めします。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

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AIやロボット、移民に負けない能力をつける

今後はAIやロボット化の進展、移民の受け入れなどが行われれば単純作業はどんどんそちらに取られてしまいます。そこで大事になるのが手に職をつけることです。エンプロイアビリティを高めることが大事なのです。エンプロイアビリティとは雇用される力のことで世の中に必要とされる力をつけていくことがより大事となるでしょう。私が資格をたくさん持っているのもそういった危機感から勉強を始めたことが大きいです。途中からは勉強そのものが楽しくなったことが大きいのですけどね。

まとめ

今回は「【2025年問題】ってご存知ですか?健康保険、年金制度など様々な点に大きな影響が・・・個人でできる対策とは」と題して2025年問題について考えて来ました。2025年ってだいぶ先に感じるかもしれませんがもう7年しかありません・・・実はかなり差し迫った問題なんですよね。個人でできることは限られていますが早めに対策を考えておきましょう。

読んでいただきありがとうございました。

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