最近、株式相場の雲行きがあまりよくありません。トランプ大統領の発言により米中貿易戦争の様相がでてきていることが発端です。
そのため、わたしの元にも「つみたてNISA(積立NISA)」って解約できるの?
という質問がきました。
つみたてNISAで投資している投資信託が大きく下がってきているのでそう考えるのも当然かも知れません。
ただし、つみたてNISAは途中解約にデメリットも考えられます。
今回はそんなつみたてNISAの解約についてみていきます。
なお、つみたてNISAってなに?って方はこちらの記事からどうぞ
先日、個人型確定拠出年金(iDeCo)のまとめ記事を書いたところ、好評でしたのでその続編としてつみたてNISA版を作ろうとしてあることに気づきました。それは今までつみたてNISAに関連する記事はたくさん書いてきましたが、そもそも「つ[…]
つみたてNISAは途中解約ができる
つみたてNISAと同じような積立て投資の制度に個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)というものがあります。
こちらは60歳まで基本的に引き出すことが出来ません。つまり途中解約はできないんですね。
しかし、つみたてNISAは投資している投資信託を売却さえしてしまえば途中解約して現金として引き出すことが可能となっています。
ただし、投資信託を売却するデメリットもありますのでそのあたりはよく考えて実行しましょう
つみたてNISAの解約は簡単です。まず、投資をしている投資信託を売却します。
つみたてNISAを解約した場合の流れ
つみたてNISAの解約はかなり簡単です。
積立てしている投資信託の積立を停止して、すでに持っている分を売却するだけです。
売却も普通の投資信託売買と同様ですからかなり簡単にできます。
解約した分のお金はいつ戻せるのか
つみたて NISAを解約したい方の多くはすぐに現金が必要な方だと思いますのでお金の流れも書いておきましょう。
これはつみたてNISAをやっている金融機関や投資している投資信託により多少異なります。
まず投資信託の売却して現金化するまでに多少のタイムラグがあります。(商品により日数は違う)
そして、現金化されたものを引き出せるようになるまでも多少のタイムラグがあります。(金融機関により日数が違う)
ですから大体1週間くらいは掛かると思っておいた方が無難です。
気になる方はあらかじめつみたてNISAをはじめた金融機関にお尋ねください。
すぐには返ってこないということを認識しておきましょう
つみたてNISAを解約する際に知っておきたいこと
それではつみたてNISAを途中で解約する前に知っておきたいデメリットなどについていくつか見ておきましょう。
非課税枠が利用できなくなる
まずは一番考えなければいけないデメリット部分です。
つみたてNISAは年間40万円まで20年間非課税で運用できる制度です。
つみたてNISAを途中で解約するとその非課税枠を利用することができなくなります。
例えば2018年につみたてNISAで40万円分の投資信託を買っていたとしましょう。
この投資信託は20年間非課税で運用することが可能です。
つまり、2037年までは非課税で運用できるのです。
しかし、2019年に相場の状況があまり良くないからとその投資信託を売却するとそこでその40万円分の非課税枠は終わりとなります。
つまり、2018年の40万円分の非課税枠は2037年まで枠があったのに2019年で放棄してしまったことになります。またその部分について今後復活することはありません。
※毎年40万円分の非課税枠がもらえます。
信託財産留保額が取られる
すべての投資信託ではありませんが、信託財産留保額が発生するケースがあります。
これもデメリットと言えるでしょう。
信託財産留保額は途中解約のペナルティーや売却手数料と思っていただければよいでしょう。
ただし、これはつみたてNISAに限ったことではなく投資信託ごとに課せられていますからiDeCoで買っても特定口座で買っても同じですけどね。
信託財産留保額が掛かるのか否かはその投資信託の目論見書などを御覧ください。
信託財産留保額について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
投資信託を買う際には様々な場面で手数料などの費用が発生します。購入するときの「買付手数料(購入手数料)」運用するときの「信託報酬(運用管理費用)」解約するときの「信託財産留保額」、「解約手数料」などです。これが投資信[…]
つみたてNISAは損益通算はできない
また、つみたてNISAは損益通算が対象外となっていることも知っておきましょう。
投資信託を購入したときよりも売却したときのほうが安くなってしまっているケースです。
簡単に言えば損したってことですね。
この場合に特定口座などで投資信託を買っていれば他の儲けた分と損益を通算して税金を計算することができます。
例えばAをという投資信託で10万円の損がでました。
Bという株で20万円儲かりましたとします。
そうするとAの10万円の損とBの20万円の儲けを合算して差額の10万円分に対して税金が掛かってきます。
これを「損益通算」といいます。
しかし、つみたてNISAやiDeCoはそもそも非課税制度であるためこの対象外となっています。
いくらつみたてNISAで損を出しても他の株などの儲けと相殺することはできないんですね。
このあたりも考えておきたいところです。
つみたてNISAを始める前に考えておきたいこと
次にそもそも途中解約しなくて済むために押さえておきたいポイントを見ておきましょう。
つみたてNISAは長期的に持てる投資信託を選ぶ
つみたてNISAは20年間非課税で運用できる制度ですから長期的に投資をするための制度です。
ですから基本的には20年持つことができると投資信託を選ぶべきでしょう。
そのためには始める段階でよく検討することが大事です。
とくにアセットアロケーション(資産配分)についてしっかり考えておけば相場の上げ下げにそれほど気にする必要はなくなるはずです。
アセットアロケーションをどうするかで投資結果の9割が決まると現代ポートフォリオ理論では言われています。デイトレードやIPO投資などの短期的な投資の場合はそうでもないと思いますが、個人型確定拠出年金(iDeCo)やつみたてNISAは長[…]
つみたてNISAは余裕資金で
また、つみたてNISAは途中解約できるからといっていままで見てきたようなデメリットが発生します。
特に非課税枠がそこで終わってしまうのはかなりもったいないですよね。
ですから子供の教育費用、住宅の頭金、結婚費用など将来的に必要となるかもしれないお金については別途用意しておくのが望ましいです。
つみたてNISAは20年間動かさなくてもよい余裕資金を投入するのが理想ですね。
つみたてNISAの解約を考える前に
今までつみたてNISAの解約について見てきました。しかし、解約してしまうと非課税枠が終わってしまってもったいないです。
ですから解約を考える前にぜひ検討していただきたい手段についてもご紹介しておきましょ
つみたて(積立)金額を変更
まず1つ目は今後のつみたて金額を下げるという方法です。
月々の積立金額を減らせば売却しなくてもなんとかなるならばまずはこちらの選択肢を取るのがおすすめですね。
また、逆に後からつみたて金額を増やすことも可能です。
余裕資金がでたときに増やせば非課税枠を有効に利用することができます。
つみたて(積立)を止める
次に今後のつみたてを止めるということです。
つみたてNISAの場合には現在持っている投資信託の売却をしなくても今後のつみたてを止めることができます。
この場合、投資信託の売却していませんので非課税枠はそのまま活かせます。
余裕資金がでたときにつみたてを再開することもできます。
一部だけ売却する
それでもどうしてもお金が足りないというときには全部を売却するのではなく一部だけ売却するということも可能です。
この辺の融通はつみたてNISAについてはかなり効きます。
売却した部分に関しては非課税投資枠は終わってしまいますけどね。
つみたて(積立)する銘柄を変える
また、現在の投資信託に不満をもっているために解約をしたいと考えているならば今後つみたてする銘柄を変更することも可能です。
現在もっている投資信託を売却してしまうと非課税枠が終わってしまいますのでその部分は残しておくということも可能です。
あくまで今後のつみたて分からの変更ですね。
つみたてNISAをする金融機関を変える
また、つみたてNSIAをする金融機関を変えることもできます。
つみたてNISAを扱う金融機関はたくさんありますが、それぞれ扱っている投資信託が違います。
また、月に1回しか投資できないところもあれば毎日投資できるところもあったりします。
クレジットカードで支払える金融機関もあったりします。
年に1度しか変えられませんが金融機関に不満があるならば変更することを検討してみても良いかもしれません。
つみたてNISAの金融機関についてはこちらの記事をご覧ください。
つみたてNISA(積立NISA)はどこの金融機関で始めても同じだとおもっていませんか?実はかなり違いがあります。つみたてNISA口座は普通の株式取引や投資信託購入と違い、様々な制限があります。また、非課税期間が20年と長いためどこの[…]
まとめ
今回は「つみたてNISAが辞めたくなったら。投資信託を売却して途中解約が可能」と題してつみたてNISAの途中解約について考えてきました。
途中解約が簡単にできるのはつみたてNISAのメリットの一つだとは思いますが、解約すればそこで非課税投資枠が終わってしまったりといったデメリットもあります。
あとから後悔しないように慎重に考えたいところですね。
つみたてNISA・NISAに加入するなら2社が有力
つみたてNISA・NISAは個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)ほど証券会社の差はありません。
選ぶ際のポイントは取扱商品と注文の仕方です。その点を加味すると下記のSBI証券、楽天証券が有力となります。
SBI証券
SBI証券はクレジットカードでの購入等は今の所できませんが、商品ラインナップや注文の仕方などは一番優れていますので楽天カードを使っていない、使わない方には筆頭候補となるでしょう
SBI証券はなにより注文の自由度がかなり高いのがいいですね。
利便性で考えるならSBI証券でしょう。
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SBI証券は商品ラインナップや注文の仕方などが優れています。
また、三井住友カードとの連携で投資信託購入でのポイントが貯まるのも嬉しい。
ネット証券開設するなら持っておきたい口座の筆頭でしょう。
楽天証券
楽天証券最大のメリットは楽天カードでつみたてNISAの投資信託等を購入できることです。
楽天カードを利用することでポイントが付きますので他の証券会社には真似がしにくいかなりのストロングポイントとなっています。
楽天カードを利用しているなら楽天証券がおすすめですね。
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楽天証券はなによりも楽天カードや楽天キャッシュで投資信託を購入すると楽天ポイントが付くのが大きなメリットです。さらにSPU(楽天スーパーポイントアップ)の対象になり、さらに楽天市場での買い物でポイントがつきやすくなります。
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