【年金問題】最大の問題は国民が老後に対してあまりにも無知、無関心だった件

ここのところ連日、年金問題の報道がされています。

金融庁が作成した資料「高齢化社会における資産形成・管理報告書」老後に年金だけでは2000万円足りないぜというような事が書いてあったことに単を発します。

年金返せデモが起こってしまうなど、この件に関していろいろなテレビ番組、新聞報道、ブログ記事などあきらかに年金制度について間違えていたり勘違いしているものが多く見受けられました。

そこで何か年金に関する統計資料がないかと探して見たらありました。

この内容がかなり衝撃的でしたのでご紹介したいと思います。

今回大きくなってしまった年金だけでは老後に足りない問題。この統計結果を見る限りポイントは国民が無知、無関心だった事と言っても良いかもしれない結果となっています。

つまり、この問題の根本は社会保険制度、投資教育を含めてこの辺りが教育でほとんど行われていないことが大きいと言ってもよいでしょう。

老後の生活設計と公的年金に関する世論調査

今回引用させていただく統計資料は平成31年1月に内閣府が取りまとめた「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」です

この調査の具体的な概要は以下となっています。

調査対象:全国18 歳以上の日本国籍を有する者 5,000 人 有効回収数 2,919 人(回収率 58.4%)
調査期間:平成30 年11 月1日 ~ 11 月18 日(調査員による個別面接聴取)
調査目的:老後の生活設計と公的年金に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とする。

今回はこの統計資料で今回の年金問題に絡んだ注目すべき点をピックアップして見ます。


何歳まで仕事がしたいのか

まずは何歳まで仕事をしたいのかというアンケートに対するっ答えから見ていきましょう。

何歳まで仕事をしたいか
何歳まで仕事をしたいのか

多くの回答が51歳〜70歳に集中していますね。

51 歳~60 歳 18.8%
61 歳~65 歳 30.7%
66 歳~70 歳 21.5%

ここで注目すべきはこの結果、年齢がいくほど後ろにいっているのです。

現実的に老後の生活のために仕事をしなければいけない人が増えているのかもしれません

老後の生活設計を考えたことがあるか?

次は結構衝撃的なデータです。老後の生活設計を考えたことがあるのか?という質問に対する回答です。

老後の生活設計を考えたことの
老後の生活設計を考えた事あるか

なんと考えたことがない人が31.3%もいたのです。

3人に1人は老後の生活設計を考えていないという・・・

考えたことがある 67.8%
考えたことがない 31.3%

流石に年齢が上がってくると考えたことがある人が増えていく結果となっていますが、50歳から59歳でも23.4%の人は考えたことがないという・・・

この統計データを見ると金融庁が現実を見せつけたことで大きな騒ぎとなってしまったことがわかる気がします。

老後の生活設計の期間

また、老後の生活設計を考えたことがある人へ何年分の生活設計をしたのかを確認したのが以下の結果です。

老後の生活設計の期間
老後の生活設計の期間

多くの人は老後20年未満の生活設計しかしていないことがわかります。

・10 年間以下 12.2%
・10 年間以下 12.2%
15 年間程度 24.1%
20 年間程度 38.4%
・25 年間程度 12.2%
30 年間以上 8.9%

30年間以上考えていた人は8.9%しかいないのです。

今回金融庁が出した資料は30年分の話ですからこの点からも大きな騒ぎとなってしまったことがわかる気がしますね。

老後の生活設計の中での公的年金の位置づけ

また老後の生活設計を考えたことがある人が公的年金の位置付けをどう考えているかのアンケート結果がこちらです。

老後の生活設計の中での公的年金の位置づけ
老後の生活設計の中での公的年金の位置づけ

23%の方が「全面的に公的年金に頼る」と回答しています。

全面的に公的年金に頼る 23.0%
・公的年金を中心とし、これに個人年金や貯蓄などを組み合わせる 55.1%
・公的年金にはなるべく頼らず、できるだけ個人年金や貯蓄などを中心に考える 15.5%
・公的年金には頼らない 4.8%

実に4人に一人近くが全面的に公的年金を考えていたのです。

これは老後設計を考えたことがある人の結果ですから考えてない人を含めるともっと比率は大きくなるでしょう。

ここからも今回の金融庁の資料がこれだけ騒ぎになってしまった理由が垣間見えてきますね。

もちろん現役で高収入だった方や公務員だった方などは全面的に公的年金に頼るとと考えても問題ないでしょうけどね。

しかし、実際は多くの人が年金だけではなかなか厳しいのが実情です。

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老後の生活設計を考える時期

こちらも衝撃です。

じゃあいま現在老後設計を考えていない人にとったアンケートでいつごろから考えるのかって質問です。

老後設計を考える時期
老後設計を考える時期
・18 歳~29 歳 0.8%
・30 歳~39 歳 6.3%
・40 歳~49 歳 16.9%
・50 歳~59 歳 18.4%
・60 歳以降 20.4%
・老後の生活設計は考えない 31.3%

なんと3割超の人が考えないとしているのです。

もしかしたらすごい余裕があって考える必要もない・・・って感じなのかもしれませんが。

老後の生活設計を考えたことがない理由

次は老後の生活設計を考えていない人にとったアンケートです。

なぜ考えないのかってことですね。

老後設計を考えない理由
老後設計を考えない理由
将来の話なので、老後のことはわからないから 35.1%
・老後の生活設計の立て方がわからないから 12.6%
・老後の生活を考えると不安になるから 11.4%
・資産があるので、考える必要がないから 3.4%
・配偶者や子どもなどの収入に頼るつもりだから 2.6%
・考えるのが面倒だから 6.8%
・老後を迎えた時に考えるつもりだから 12.2%

これもかなり衝撃な結果です。

たしかに3.4%の人は資産があるから考える必要がないと答えています。

この方達は問題ありません。

それ以外の方たちの答えはかなり怖いですね。

老後のことはわからない・・・から考えない??

生活設計の立て方がわからない・・・から考えない??

老後の生活を考えると不安になる・・・から考えない??

これでよいのでしょうかね。臭いものにフタをしているだけのような・・・

金融庁の資料が出たことでこういう方たちのお尻を叩く結果となってくれればよいのですが・・・

公的年金制度の仕組みや役割についての認識

最後は公的年金制度についてどれくらい知っているかのアンケートです。

公的年金制度の仕組みや役割についての認識
公的年金制度の仕組みや役割についての認識
・学生を含めた 20 歳以上の国民は、加入する義務がある 77.6%
・支払った保険料及び期間に応じて年金が受けられる 74.6%
・年金は原則 65 歳から受け取り始めるが、本人の希望により 60 歳から 70 歳の 間で受け取り始める時期を選択できる 70.8%
・現役で働いている世代が、年金を受け取っている高齢者を扶養する制度である 67.1%
・生涯にわたり年金が受けられる 62.4%
・障害がある人や、世帯の生計を支えている人を無くした人も保障を受けられる 50.3%
・物価や賃金の変動に応じて年金が調整される 44.8%
・いずれも知らない 4%

これも結構衝撃です。

とくに一番下の「現役で働いている世代が、年金を受け取っている高齢者を扶養する制度である」という認識がない方が3割近くいるのです。

現在日本の年金は「賦課方式」で運用されています。

賦課方式とは年金支給のために必要な財源を、その時々の保険料収入から用意する方式です。

現役世代から年金受給世代への仕送りに近いイメージです。

つまり、今の働いている世代が納めた保険料で老後生活をしている受給世代の年金を支えているのです。

このことだけは必ず知っておきたいですね。

これを知らないと年金は株式投資をしているから溶けているとか変な認識になってしまう人がいても仕方ないのかもしれませんね。

義務教育でまずこのあたりの知識はある程度やっておく必要があると思いますね・・・

合わせて投資や金融知識の教育をしておくだけで違うでしょう。

また、遺族年金障害年金の認識があるひとは半分しかいないというのも結構衝撃です。

なお、年金の仕組みがよく分からない方はこちらの記事からご覧ください。

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年金制度について

日本人は実際に金融知識が少ない

他の統計資料ですが、実際に金融知識も他国と比べると低いというデータもあります。

下記は知るスポットが行った「金融リテラシー調査」の結果です。

金融問題をどれだけ解けたのかの平均です。日本は47%に対しアメリカは57%と10%近く差があるのです・・・

金融問題結果

全ての項目でアメリカのほうが上となっており、アメリカと比べて日本はだいぶ金融知識が薄いと言えます。

ちなみにヨーロッパの国々と比べてもだいぶ劣る結果となっておりました。

特に複利についての認識が米国と大きな差となっていますね。

これでは投資したいと思えないかもしれません。

投資の世界において複利の力は偉大なんですよ。

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やはり教育面が大きなネックとなっていそうなんですよね。

実際に教育時間も圧倒的に少ないです。

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まとめ

今回は「【年金問題】最大の問題は国民が老後に対してあまりにも無知、無関心だった件」と題して年金問題に絡んだ統計資料をみてきました。

かなりやばいな・・・ってのが正直な感想です。

これでは金融庁が作成した資料にびっくりしてしまっても当然かも知れませんね。

義務教育を含めて社会保険制度、投資教育辺りが教育が必要不可欠であると感じていますね。

今回の年金関連の話題はこちらの記事も御覧ください。

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