金を買うなら消費税増税前の駆け込みが正解?金はちょっと特殊な事情あり

有事の金(ゴールド)」とはよく言われますが、最近の米国、中国の貿易戦争の影響も大きいのか金相場がかなり上がっています。

そんな状況ですから「金」の購入を検討している方も多いでしょう。

また、最近では金に投資をする投資信託も増えてきていますし、成績も良かったりします。

ウルトラバランス世界株式なんて金にも投資をする面白い商品なんかも登場しましたね。

そこで今回は金の買い時について考えてみたいと思います。

金の場合は他の投資商品と違い消費税増税の影響もあるんですよ。

そのため駆け込み購入したほうが方がよいという論調の記事が多いですが、本当にそうなのでしょうか?

今回はそのあたりの検証もしてみたいと思います。

その他、消費税増税前に駆け込んだ方がよいものについてはこちらの記事を御覧ください。

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消費税駆け込み購入

金相場がかなり上がっている

まずは金相場の現状から見ていきましょう。

株などが低調な状況なのに対して金は大きく伸ばしています。

金と日経平均比較チャート
金と日経平均比較チャート

出典:ヤフーファイナンス「三菱UFJ 純金ファンド、日経平均チャート」

上記は金(三菱UFJ 純金ファンド)と日経平均の比較チャート(1年)です。

青が金(三菱UFJ 純金ファンド)、赤が日経平均です。

かなり金の強さが目立つ結果となっていますね。


金の消費税の扱い

金はちょっと特殊な投資商品です。

消費税が売るときも買うときも掛かるのです。

ですから、今回の消費税増税の影響を受けます。

9月中に買えば8%の消費税ですが、10月以降は10%の消費税となるのです。

当然、金は軽減税率の対象になりませんしね・・・

(ただし、食用の金箔は軽減税率の対象の8%だったりもします。)

ですから消費税増税前に買ったほうが得じゃんと考える方も多いと思います。

もし、相場が動かなかったり、購入した後に上がればそれが正解です。

8%の時に買って、10%の時に売れば値動きがなくても2%の鞘を抜くことさえできます。(手数料なしなら)

しかし、なかなかそうはいっても難しいのが金はかなり値動きが激しいことです。

1日で2%くらい上がる下がるなんてそれほど珍しくないという・・・

ですから単純に消費税増税前に買ったほうが得とは言いにくい商品でもあります。

そこで過去の消費税増税前後の金の値動きを確認してみましょう。

1989年:消費税3%導入時

まずは初めて消費税が導入された1989年4月前後の金の価格を確認してみましょう。

なお、田中貴金属 税抜参考小売価格(円/グラム)推移の過去データ(月次平均)を参照しています。

1989年3月 1,665円
1989年4月  1,666円

1989年3月から4月にかけてはほぼ横ばいで推移していますね。

ですから消費税増税前に買って、増税後に売ればもしかしたら消費税分の差額を抜けた可能性もあります。

ただし、前年の1988円1月には2,021円でしたからかなり下がっている状況ではありましたね。

タイミングを間違うとこのようなことにもなりかねない増税前後の値動きでした。

1997年:消費税5%引き上げ

次は1997年4月の消費税5%への引き上げ時です。

今回と同じく2%上がっています。

1997年3月 1,439円
1997年4月 1,440円
こちらもほぼ値動きなしです。

ただし、これも怖いことに1997年12月には1,255円まで値下がりしています。

2014年:消費税8%引き上げ

次は2014年4月の消費税8%への引き上げ時です。

3%消費税が上がっていますね。

2014年3月 4,446円
2014年4月 4,322円
こちらは大きく値を下げていますね。

ちょうど消費税くらいの差となります。

つまり、消費税の差額目当てに買っても値下がりで帳消しになってしまった状況ってわけですね。

金は他の投資商品とはかなり毛色が違う

金は他の投資商品とかなり毛色が違います。

金に投資をする場合はその辺りをしっかり認識しておきたいところです。


金投資のメリット

金投資の最大のメリットは金そのものに価値があることです。

そのため国が破綻して紙切れになってしまう国債や通貨、会社が破綻して紙切れになってしまう株とは違って安心してもっていることができることが強みです。

そのため、世界経済や世界情勢が混乱しているときに金が上がることが多いですね。

戦争の危険が増してくると価格もあがることが多く「有事の金」とも言われます。

株と金は逆相関

分散投資に重要視される相関係数も株と金は完全ではありませんが基本的に逆相関の関係にあります。

逆相関とは動きが逆であることで、株が上がれば金が下がる、株が下がれば金が上がる、状態を示します。株を中心に持ってらっしゃる方はなんたらショック(リーマンショックやオイルショックなど)が来た時に金をもっていれば、株が下がっても金が上がってリスクを下げる効果が期待できるのです。

ただし、最近では為替の影響もかなり大きくなってきており、株と金の逆相関は薄まってきているとは言われていますけどね・・・

そのため前述したような「ウルトラバランス世界株式」のような金をバランスファンドに組み込んだような投資信託も登場するのです。

金はインフレに強い

また、金はインフレに強いという点もあります。

インフレになるとお金の価値は下がり、モノの価格が上がります。

金はインフレになるとそれ以上に上がる傾向にあるためインフレによる資産の目減りを防ぐ効果もあるのです。

金投資のデメリット

もちろん金投資はいいことばかりではありません。

デメリットも見ておきましょう。

金は成長しない

株は会社に投資をします。

会社であれば基本的に成長します。(その逆もありえますが)

成長すれば価値が上がりますし、それに応じた配当等をだすこともあります。

そうなれば株価も上がりますよね。

しかし、それは金にはありません。

金が成長することはないのです。

価格の上げ下げするだけなのです。

個人的に金投資にあまり積極的になれないのはこの点ですね。

配当も利子もない

また、金は収益を上げることはありませんので配当や利子も基本的に発生しません。

儲かるのは基本的に価格が購入したときより上がった時だけです。

今回の消費税分の差額で儲けようというのもあるにはありますが・・・

金の密輸が多いのも消費税分をゲットしよっていう輩なんですよ。

元本保証ではない

当然のことかもしれませんが、金は預貯金のように元本保証ではありません。

価格の上げ下げがありますのでタイミングによっては元本割れをする可能性があるのです。

また、前述のように配当や利子が付くものではありませんのでそれらでカバーすることもできません。

あくまでも価格の上げ下げだけの期待となります。

盗難の可能性も

金の現物の場合には盗難の可能性もあります。

昔、地域振興のために地方に1億円ずつ配ったことがありました。

ある自治体は1億円の金を購入したのですが、盗難されてしまったなんて事件もありましたね。

金は株や預貯金と違って誰が所有というものがありませんので盗難されるリスクがどうしてもあるのです。

(溶かして形を変えられますからね・・)

このあたりの回避のためには実物の金ではなく投資信託などで買う方法もあります。

金を買う投資信託も最近増えていますね。

金を買うなら消費税増税前?のまとめ

今回は「金を買うなら消費税増税前の駆け込みが正解?金はちょっと特殊な事情あり」と題して金を消費税増税前に買うべきなのかという点をみてきました。

たしかに消費税増税前に買えば消費税は2%やすいです。しかし、値動きが大きいためなんとも言えないというのが正直なところでしょうね。

消費税だけを目当てにするにはかなり投機的な取引になるかもしれませんね。

ただし、金は有事の時に上がりやすい投資商品ですから今のように経済が混乱した状況では分散投資先の一つとして検討してもよいでしょうね。

最近は前述したように金に投資する投資信託も多くなりましたし、純金積立のようにドルコスト平均法的に購入できる方法もでてきています。

金の投資法について詳しくはこちらの記事を御覧ください。

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また、株などへの消費税増税の影響はこちらの記事を御覧ください。

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