つみたてNISA奨励金の非課税措置

金融庁が提案するつみたてNISA奨励金の非課税措置とは

毎年、この時期になると各省庁が次の税制改正に向けて様々な意見を出します。

iDeCoを管轄する厚生労働省やつみたてNISAを管轄する金融庁もそれぞれ意見を出していますね。

今回はその中から私が注目した「つみたてNISA奨励金の非課税措置」について取り上げてみます。

なお、つみたてNISAってなに?って方ははこちらをの記事も合わせて御覧ください。

老後資金を自分で準備するためにはiDeCoと並んでオススメの制度ですよ。

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つみたてNISAまとめ

つみたてNISA奨励金の非課税措置とは

今回、金融庁が提案しているつみたてNISA奨励金の非課税措置とは簡単に言えば、会社が従業員のつみたてNISAを実施することに対して奨励金を支給する場合、毎月1,000円を限度と非課税にしよう。という制度です。

つみたてNISAを普及させる目的の制度ですね。

もう少し具体的に見ていきましょう。


奨励金を支給するとつみたてNISAの利用や普及が格段に上がる

つみたてNISA奨励金効果
つみたてNISA奨励金効果

出典:金融庁「令和2年度税制改正要望について」より

上記のグラフはすでに一部の企業で自主的に行っているつみたてNISAを行う際の奨励金を支給している企業と実施していない企業の利用・普及割合の比較です。

つみたてNISAの奨励金を支給している会社の職員の利用割合は43.7%とかなり高いのに対して、奨励金無しで給料天引きが可能な会社の利用割合は12.6%、それ以外の普及割合は1.2%とかなり大きな差が付いているのがわかりますね。

それだけ奨励金を支給することでつみたてNISAを始める取っ掛かりとなるということです。

2017年にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授の行動経済学における「ナッジ」的なものでしょうね。

ナッジについて詳しくはこちらの記事を御覧ください。

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奨励金は所得税・住民税の課税対象である

奨励金を導入するとつみたてNISAの加入が格段にあがります。

ですから今後の厳しいことが予想される年金財政への対策として、自分で老後資金を積み立てるつみたてNISAを推奨したい政府としては是非に奨励金を導入してほしいわけです。

しかし、一つ問題があります。

それは奨励金を支給すると受け取った従業員は給料扱いとなります。

つまり、奨励金に所得税・住民税が掛かってしまうんですね。さらに社会保険への影響も考えられます。

せっかくの奨励金なのにそれでは効果が減ってしまいかねません。

そこで今回金融庁は「つみたてNISA奨励金の非課税措置」を提案しているのです。

非課税となれば少しでも奨励金をもらいたい従業員はつみたてNISAを始めるでしょう。

会社としても従業員の福利厚生制度として優秀な制度となります。

一石二鳥なんですよね。

金融庁が要望している内容

具体的に金融庁が要望しているのは以下です。

企業が従業員に対して一定の要件を満たす規約に基づき支給する、つみたてNISA奨励金については、 毎月1,000円を限度として非課税とすること(3年の時限措置)。
月に1,000円限度として非課税
3年限定の時限措置としています。
ちなみにつみたてNISAの月額の最低金額は金融機関により異なります。
多くの銀行や証券会社は1,000円からですから人によってはその分だけをつみたてNISAに回す人も出てくるでしょうがそれはそれでありなのでしょう。
ちなみにSBI証券や楽天証券は月に100円からつみたてNISAをできます。

会社として負担は規約の改定

この制度とてもよい案だとは思いますが、企業としてちょっと負担が大きいところがあります。

それが「一定の要件を満たす規約に基づき支給」という部分。

このために規約を見直し改定する必要があるってことなんですね。

定期的に規約の見直しをいれている企業にとってはその際にいれるだけですから大きな問題ではないでしょうが・・・

中小企業などは規約は社会保険労務士に丸投げで基本的に触らないケースも多いですからね。

そのためこの辺りはちょっとハードルが高いかな。

できれば会社側にもその費用を補助する仕組みなんかのインセンティブがあれば実施する企業も増えるのでしょうが・・・

個人的な感想

今回の金融庁が提案するつみたてNISA奨励金の非課税措置はとてもよい案だと思います。

データにあるように少しきっかけを与えるだけでつみたてNISAの加入者がこれだけ増えるならぜひ導入してほしい制度ですね。

規約のところを中小企業でも導入しやすいようにしてほしいところです。

例えば規約例を金融庁が作りそれを配布するなどしてみてもよいかもしれませんね。

ちなみに確定拠出年金でもナッジをつかった例で面白いのがあります。

ナッジを使ってiDeCoの加入も増やせる

アメリカのある団体で確定拠出年金の申込みを初期設定で全員に加入させ、希望しない者は加入しないこともできるようにしたのです。

すると加入率は49%から86%に跳ね上がったそうです。

人は面倒なことが嫌いです。

始めから申し込みになっているとそのまま申し込んでしまう。逆に自分で申し込まないといけないと申し込まないという選択になるケースが多いんですよ。

つまり、iDeCoなんかも同じ手法を使えば加入者大幅に増やせるでしょう。

ぜひ検討してみてほしいところです。

金融庁が提出したその他税制改正への要望

今回金融庁が税制改正要望している他の点も軽くだけ触れておきましょう。


NISAの恒久化・期限延長

時限措置であるNISAについて、恒久措置とすること。

また、「つみたてNISA」については、 開始時期にかかわらず、20年間のつみたて期間が確保されるよう、制度期限(2037年)を延長 すること。

という要望を出していますね。

この辺りはぜひ実現してほしいところです。

NISA口座の手続きを電子化可能とすること

NISA口座に係る金融機関変更・廃止手続や、金融機関と税務署間の一部手続については、書面での 提出・交付が必要となっている書類も残っており、利用者・金融機関の双方にとって非効率であるため電子化を可能とするという要望もだしています。

この辺りはそうですね。特に金融機関を移動するときはかなり面倒な手続きが必要なのをなんとかしてほしい所。

金融所得課税の一体化

平成28年1月から上場株式や特定公社債は損益通算が可能です。

損益通算とは一定期間内の利益と損失を相殺することです。

たとえば株で損がでたけど特定公社債で儲かった場合にはそれらを差し引きして税金を計算することが出来るってことですね。

デリバティブ取引や預貯金等はいまのところそれらが実現できていませんのでそれを加えたいという話です。

なお、仮想通貨は今回の案には入っていませんね。

上場株式等の相続税

相続財産になった上場株式の評価額の計算について案がでています。

非上場株式は(①相続発生月、②その前月、③前々 月)の終値の月平均額のうち、最も低い価額で評価されます。

対して非上場株式(類似業種比準価額方式)では、④課税時期(死亡日)の前年の年平均株価、⑤課税時期の属す る月以前2年間の平均株価でも評価が可能となっています。

これと同じような評価も可能としてほしいとの要望です。

株価は値動きが激しいですから相続する側としては選択の幅が広がった方が有利に働きますね。

生命保険料控除の拡充

所得税法上及び地方税法上の生命・介護医療・個人年金の各保険料控除の最高限度額を5万円 及び3.5万円とすること、

また、所得税法上の保険料控除の合計適用限度額を15万円とすること。

これは契約時期によって控除が違うちょっと歪な仕組みになっていた部分の整理的な意味でしょうかね。

これが実現すると一般の生命保険、介護医療保険、個人年金をうまく入ると最高で15万円の所得控除が受けられるようになります。(現状は旧契約上限10万円、新契約上限12万円)

特別法人税の撤廃または課税停止措置の延長

毎回、提案していますが今回の特別法人税の撤廃が提案されています。

特別法人税とは掛金拠出時に給与所得として課税すべきところ、給付時までに課税が繰り延べられることを踏まえ、その期間の遅延利息相当分を課税するという考え方に基づき、昭和37年に導入された税金です。

1990年から課税凍結されています。

そしてその期限2020年の3月です。

2年毎に延長を繰り返していますので今回も延長されるだろうとは思いますが・・・

企業年金や個人型確定拠出年金(iDeCo)などが対象でこれが課税解禁されてしまうと、下記のように運用資産にかなり大きな目減りが生じてしまうのです。

特別法人税シュミレーション
特別法人税シュミレーション

出所:一般社団法人生命保険協会 平成29年度税制改正に関する要望 より

日本以外の国では運用時に課税するところはありませんから、時代遅れの仕組みです。

ぜひ廃止してほしいところですが、なぜかずっと課税凍結期間を延長しているんですよ。

非常に気持ち悪いところではあります。

特別法人税について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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イデコ特別法人税

まとめ

今回は「金融庁が提案するつみたてNISA奨励金の非課税措置とは」と題してつみたてNISA奨励金の非課税措置についてみてきました。

これは非常に面白い仕組みですし、これを導入するだけでつみたてNISAの加入者が大幅に増えるならばぜひ導入してほしいところですね。

あとは対象となる事業所がどれだけ手を挙げるかですね。

ぜひ企業側にもそのあたりの補助金や助成金と言ったインセンティブを導入してほしいですね。

つみたてNISAに加入するならこの2社が有力

つみたてNISAは個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)ほど証券会社の差はありません。

選ぶ際のポイントは取扱商品と注文の仕方です。その点を加味すると下記の2社が有力となります。

結論から言えば楽天カードでポイントが貯まってお得な楽天証券注文自由度が高く利便性が高いSBI証券の争いですね。

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つみたてNISA証券会社比較

楽天証券

今、現状つみたてNISAの証券会社としてはお得度を考えるとベストはこちらでしょう。楽天証券。

理由としては楽天カードでつみたてNISA投資信託を購入できることにあります。

楽天カードでつみたてNISAを購入すると1%の楽天スーパーポイントが付くのです。

この差はかなり大きく他の証券会社にはないかなりのストロングポイントとなりえるでしょうね。

この辺りはグループ企業にカード会社や銀行を持っているからできることでしょうから他は追随が難しいかもしれません。

商品の取扱数もSBI証券に次いで多くなっています。

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また、楽天証券をよりお得に使うなら楽天銀行や楽天カードも一緒に開設しておきたいところです。

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SBI証券

SBI証券はクレジットカードでの購入等は今の所できませんが、商品ラインナップや注文の仕方などは一番優れていますので楽天カードを使っていない、使わない方には筆頭候補となるでしょう

SBI証券はなにより注文の自由度がかなり高いのがいいですね。

利便性で考えるならSBI証券でしょう。

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SBI証券使うなら住信SBIネット銀行も合わせて口座開設しておくと便利ですよ

なお、今回金融庁が提出した税制改正要望の元資料はこちらを御覧ください。

また、iDeCoで注目した「穴埋め型」についてはこちらの記事を御覧ください。

こちらは厳密には意見ではなく会議で出ている話ですが・・・

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