まだ役所のアイデアで衛藤晟一・少子化担当大臣が安倍晋三内閣総理大臣に提案したレベルのようですが少子化対策で児童手当拡充する案が新聞で報じられています。
しかし、またいつものやっているだけ、お金ばら撒いているだけの効果があまりでないだろう愚策か・・・ってレベルの内容でした。
日本にとって少子化問題は今後の経済や社会保険を考える上で死活問題なんですよ。
そこで今回は私が考える出生率を上げるための策を提案したいと思います。
児童手当拡充案の内容
それでは今回報道されている児童手当拡充案の内容を見ていきましょう。
第1子に月1万円、第2子に月3万円、第3子に月6万円
出所:毎日新聞 2020年2月9日
と児童手当を大幅に拡充すると言うのです。
現在の児童手当は以下のとおりですから大幅増となりますので子育て世代にとってはかなりありがたい話ですよね。
支給対象児童 | 1人あたり月額 |
---|---|
0歳~3歳未満 | 15,000円(一律) |
3歳~小学校修了前 | 10,000円 (第3子以降は15,000円) |
中学生 | 10,000円(一律) |
出所:内閣府 児童手当Q&A「児童手当の支給額はいくらですか」より
児童手当を拡充しても子供を生むインセンティブにはなりにくい
たしかにこのように児童手当が拡充されれば子育て世代にとってはかなりありがたい話となるでしょう。
この案を実現するのに必要な財源は3兆〜5兆必要とのことです。
かなりの金額ですね。
しかし、これだけ使っても目的の出生率の改善(1.42人→1.8人)に大きな効果があるかといえば甚だ疑問です。
この程度、児童手当が増えたからといって今子供を作っていない人からして、じゃあ子供を作ろうか、結婚しようかと普通はならないためです。
バリバリ働いている女性からしたら月に1万円なんてちょっと余分に残業すれば稼げてしまうお金ですからありがたみはほとんど無いんですよね。
すでに子供が1人居る専業主婦の方が2人目、3人目を作るインセンティブとしては多少の効果はあるのでしょうが。。。
私なら出生率を上げるためにこうする。
それでは私ならこうするというのを見ていきましょう。
今回は児童手当拡充案と同じ額しか財源を使わない案を考えてみました。
テクニック的な話なんですけどね。
児童手当の見せ方を変える
まずひとつ目の案は児童手当の見せ方を変える方法です。
これは行動経済学などで研究されているマーケティングでよく使われる手法ですが、現状の案と比較して効果は高くなると思われます。
例えば月に3,000円掛かるサブスクがあったとします。
これを1日100円と言うとかなり安く感じる方が多いでしょう。(テレビショッピングでよく使われる手法です)
しかし、年間3万6千円というと高く感じてしまいます。
さらに30年加入したら108万掛かりますと言われたらもったいない気がして加入する人は激減すると思います。
それだけどう表記するのかは受け取る感覚に大きな影響があるのです。
児童手当も同じなんですよ。
第1子に月1万円、第2子に月3万円、第3子に月6万円
と表記するのではなく以下のように表記するのです。
どうでしょ?
こうなるとかなり大きな金額がもらえる印象になりませんか?
実はこれ使う財源は一切かわっていません。
もらえる総額を表記しただけなんですよ。
今回の児童手当の案はいつまでもらえるのかは言及されていませんが、現在と同じく中学生までだとすれば単純計算で貰える金額は合計で1人目180万円(1万円×12ヶ月15年)、2人目540万円(3万円×12ヶ月×15年)、3人目1,080万円(6万円×12ヶ月×15年)となります。
つまり、支給額は一切変えず子供を生むインセンティブを上げることが可能となるのです。
一番良いのはこの金額を一括で渡してしまうことでしょうが、財源上難しければ今までどうり月々支給でも効果はあります。
子供を作るとこれだけ得であるというイメージを植え付けることが大事なのです。
不幸な子供が生まれない対策は必要
ただし、この表記の仕方をすると今より不幸な子供が生まれてしまうリスクも孕んでいるかな・・・って感じます。
1,080万円もらえるなら子供作ろうぜと無計画に子供を作りまくる大家族とかが出てくる可能ですね。
その辺りのケアも必要となると思われます・・・
親世代へのお金の教育も合わせて必要かもしれません。
すでに児童手当は大人のお小遣いになっているという話もでていますしね。
罰金的に見せる
人は得することよりも損することの方がより価値を感じると言われています。
2002年にダニエル・カーネマンがノーベル経済学賞を受賞したプロスペクト理論です。
ですから児童手当という得することを提供するのではなく、子がない人や独身の人に税金を課す(罰金的に見せる)という方法を取るのです。
独身税
実際にブルガリアでは独身税が導入されており、独身の人に収入の5%〜10%程度の税を課していたこともあるんですよ。
ただし、ブルガリアのケースでは逆に出生率が下がってしまったそうです。
独身の人は税金が高すぎてより結婚からより遠のいてしまったという・・・
また、独身税から逃れるために偽装結婚が多発したこともあり独身税は導入後21年で廃止となりました。
ブルガリアでは失敗に終わりましたが、そのあたりの対策をして練りこめば効果のある制度にできる可能性もあるかな。。って思います。
扶養控除の見せ方を変える
現在、すでに子供などの扶養者がいる人は税金が安くなる扶養控除という仕組みがあります。
それを扶養者がいない人は税金が高くなるように見せ方を変えるのも有効でしょう。
今の制度では足し算的に控除を積み上げて計算します。
扶養控除もその一つですよね。
それを引き算に変えるのです。
例えば基礎控除をかなり大きくしておいてそこから対象でない控除を減らしていくような仕組みです。
扶養控除がない場合に控除が減らされるという見せ方になります。
そうすることで実際の納税は一切変えなくても罰金的に税金が増えた感じを与えることで効果を生むでしょう。
まとめ
今回は「また【愚策】少子化対策で児童手当拡充を検討。本当に出生率を上げたいならこうしなさい」と題して私が考える少子化対策についてみてきました。
今回は完全にネタ記事でした。
しかし、同じお金を使うならちょっとした工夫で大きな違いを生むことは知っておきたいです。
特に国や役所がやる制度はこういう人間の心理的な部分への配慮が足りないのかな・・・っていつも思いますね。
行動経済学を学んでほしいところです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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