少子化対策の財源を得るために「子育て支援金制度」を創設することが話題となっています。
一人当たり月500円弱との試算ですが、おそらく現役世代の方の負担はもっと大きくなると思われます。
しかも、実際にそれで行う事業は単にお金ばら撒いているだけの効果があまりでないだろう愚策か・・・ってレベルの内容でした。
お金取られて愚策を行われるのは納得できませんよね。。。
しかし、日本にとって少子化問題は今後の経済や社会保険を考える上で死活問題なんですよ。
そこで今回は私が考える出生率を上げるための策を提案したいと思います。
閣議決定された子ども・子育て支援法(子子法)等改正案
それではまず、今回報道されている閣議決定された子ども・子育て支援法(子子法)等改正案について見ていきましょう。
主なものは以下の通り
・妊婦のための支援給付・妊婦等包括相談支援事業の創設
・こども誰でも通園制度の創設
・産後ケア事業の提供体制の整備
・経営情報の継続的な見える化の実現
・子ども・子育て拠出金にかかる見直し
・児童扶養手当の第3子以降加算額の引き上げ
・ヤングケアラーに対する支援の強化
・基準を満たさない認可外保育施設の無償化に関する 時限的措置の期限到来に対する対応
・出生後休業支援給付の創設
・育児時短就業給付の創設
・国民年金第1号被保険者の育児期間に係る保険料の 免除措置の創設
子供を生むインセンティブにはなりにくい
たしかにこれら制度変更や新設は子育て世代にとってはかなりありがたい話となるでしょう。
しかし、これだけ使っても目的の出生率の改善に大きな効果があるかといえば甚だ疑問です。
例えば今回の目玉である児童手当の案は以下の通り。
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
3歳未満 | 3歳〜高校生 | |
第一子・第二子 | 月額1万5千円 | 月額1万円 |
第三子以降 | 月額3万円 |
今までとの違いは
・高校生まで延長(今までは中学生)
・第三子以降が3万円に増額
今子供を作っていない人からして、この金額がもらえるからじゃあ子供を作ろうか、結婚しようかと普通はならないと思うんですよ・・・
バリバリ働いている女性からしたら月に1万円なんてちょっと余分に残業すれば稼げてしまうお金ですからありがたみはほとんど無いんですよね。
すでに子供が2人居る専業主婦の方が3人目を作るインセンティブとしては多少の効果はあるのでしょうが。。。
私なら出生率を上げるためにこうする。
それでは私ならこうするというのを見ていきましょう。
テクニック的な話なんですけどね。
児童手当の見せ方を変える
まずひとつ目の案は児童手当の見せ方を変える方法です。
これは行動経済学などで研究されているマーケティングでよく使われる手法ですが、現状の案と比較して効果は高くなると思われます。
例えば月に3,000円掛かるサブスクがあったとします。
これを1日100円と言うとかなり安く感じる方が多いでしょう。(テレビショッピングでよく使われる手法です)
しかし、年間3万6千円というと高く感じてしまいます。
さらに30年加入したら108万掛かりますと言われたらもったいない気がして加入する人は激減すると思います。
それだけどう表記するのかは受け取る感覚に大きな影響があるのです。
児童手当も同じなんですよ。
第1子に月1万円、第2子に月1万円、第3子以降に月3万円
と表記するのではなく以下のように表記するのです。
どうでしょ?
こうなるとかなり大きな金額がもらえる印象になりませんか?
実はこれ使う財源は一切かわっていません。
もらえる総額を表記しただけなんですよ。
今の案だと3歳未満が三歳未満が第二子まで月1万5千円、第3子以降に月3万円
3歳から高校生まで第1子に月1万円、第2子に月1万円、第3子以降に月3万円
となっています。
これを単純計算で貰える金額は合計で1人目234万円(1万5千円×12ヶ月×3年+1万円×12ヶ月×15年)、3人目648万円(3万円×12ヶ月×18年)となります。
つまり、支給額は一切変えず子供を生むインセンティブを上げることが可能となるのです。
一番良いのはこの金額を一括で渡してしまうことでしょうが、財源上難しければ今までどうり月々支給でも効果はあります。
子供を作るとこれだけ得であるというイメージを植え付けることが大事なのです。
不幸な子供が生まれない対策は必要
ただし、この表記の仕方をすると今より不幸な子供が生まれてしまうリスクも孕んでいるかな・・・って感じます。
648万円もらえるなら子供作ろうぜと無計画に子供を作りまくる大家族とかが出てくる可能ですね。
その辺りのケアも必要となると思われます・・・
親世代へのお金の教育も合わせて必要かもしれません。
すでに児童手当は大人のお小遣いになっているという話もでていますしね。
罰金的に見せる
人は得することよりも損することの方がより価値を感じると言われています。
2002年にダニエル・カーネマンがノーベル経済学賞を受賞したプロスペクト理論です。
ですから児童手当という得することを提供するのではなく、子がない人や独身の人に税金を課す(罰金的に見せる)という方法を取るのです。
独身税
実際にブルガリアでは独身税が導入されており、独身の人に収入の5%〜10%程度の税を課していたこともあるんですよ。
ただし、ブルガリアのケースでは逆に出生率が下がってしまったそうです。
独身の人は税金が高すぎてより結婚からより遠のいてしまったという・・・
また、独身税から逃れるために偽装結婚が多発したこともあり独身税は導入後21年で廃止となりました。
ブルガリアでは失敗に終わりましたが、そのあたりの対策をして練りこめば効果のある制度にできる可能性もあるかな。。って思います。
扶養控除の見せ方を変える
現在、すでに子供などの扶養者がいる人は税金が安くなる扶養控除という仕組みがあります。
それを扶養者がいない人は税金が高くなるように見せ方を変えるのも有効でしょう。
今の制度では足し算的に控除を積み上げて計算します。
扶養控除もその一つですよね。
それを引き算に変えるのです。
例えば基礎控除をかなり大きくしておいてそこから対象でない控除を減らしていくような仕組みです。
扶養控除がない場合に控除が減らされるという見せ方になります。
そうすることで実際の納税は一切変えなくても罰金的に税金が増えた感じを与えることで効果を生むでしょう。
まとめ
今回は「また【愚策】少子化対策で子育て支援金制度を検討。本当に出生率を上げたいならこうしなさい」と題して私が考える少子化対策についてみてきました。
今回は完全にネタ記事でした。
しかし、同じお金を使うならちょっとした工夫で大きな違いを生むことは知っておきたいです。
特に国や役所がやる制度はこういう人間の心理的な部分への配慮が足りないのかな・・・っていつも思いますね。
行動経済学を学んでほしいところです。
お知らせ:You Tubeはじめました。
You Tube「お金に生きるチャンネル」をはじめました。
You Tubeでも少しでも皆様のお役に立てる動画を定期的に発信していきますのでチャンネル登録をぜひよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。