納税証明書、課税証明書、所得証明書、源泉徴収票の記載内容の違いと使い分けを理解しよう

新型コロナウィルスの関係もあり、様々な場面で所得や納税を証明する書類を要求されるケースがあると思います。

一部助成金や補助金、給付金の申請には「納税証明書」の提出が必要だったりします。

また、住宅ローンを組む際、転職の際、補助金や助成金を受ける際などもこれら書類を要求されるケースもあります。

ただし、所得や納税を証明する書類はたくさん種類があり、記載されている内容も違いますし、用途も違うんですよ。

また、取得できる場所も違います。

例えばある団体のある手続きで要求されているのは「納税証明書」なのに「課税証明書」、「非課税証明書」、「所得証明書」、「源泉徴収票」」を提出してしまう人がかなり多いそうです。

名前や用途も似ており、ややこしいですから仕方ないんですけどね。

今回は納税証明書、課税証明書、非課税証明書、所得証明書、源泉徴収票などの所得や納税を証明する書類の記載内容の違いと使い分けを考えてみましょう。

納税証明書とは

まずは「納税証明書」から見ていきましょう。

納税証明書とは確定申告書等を提出した場合の納税額、所得金額又は未納の税額がないことの証明書類です。

ただし、納税証明書にはいくつか種類があって記載されている内容がそれぞれ違いますからややこしいんですよ。

納税証明書の種類と記載内容

納税証明書には以下の種類があります。

  • 納税証明書(その1)・・・納付すべき税額、納付した税額及び未納税額等の証明
  • 納税証明書(その2)・・・所得金額の証明(個人は申告所得税又は申告所得税及復興特別所得税に係る所得金額、法人は法人税に係る所得金額です。)
  • 納税証明書(その3)・・・未納の税額がないことの証明(税目を指定した「その3の2」(申告所得税及復興特別所得税と消費税及地方消費税)や「その3の3」(法人税と消費税及地方消費税)の証明もあります。)
  • 納税証明書(その4)・・・証明を受けようとする期間に、滞納処分を受けたことがないことの証明

出典:国税庁 納税証明書の交付請求手続 より

種類により記載内容が大きく異なってきます。

納税証明書(その1)は税金がいくらで納めた税金と未納額がわかります。

納税証明書(その2)は所得金額がわかります。

納税証明書(その3)は未納の税額がないことの証明がわかります。

納税証明書(その4)は滞納がないことがわかります。

それぞれ書いてある内容以外は記載されませんので提出先が求める書類を出してあげる必要があるのです。

例えば前述の持続化給付金では所得金額がわかる「納税証明書(その2)」を提出します。

滞納がないことが条件の制度ならば「納税証明書(その4)」の提出を要求されます。

納税証明書の取得方法

納税証明書は「税務署」で発行できます。

納税証明書はオンラインもしくは納税証明書交付請求書で交付請求する方法(郵送可)で請求できます。

なお、オンラインで交付請求した場合に郵送で受け取るためにはe-Taxでの交付請求が必要ですのでお気をつけください。

詳しくは国税庁のサイトでご確認ください。

>>国税庁 納税証明書の交付請求手続

手数料

納税証明書の発行には手数料(収入印紙または現金)が掛かります。

手数料は請求方法によって異なり以下のとおりです。

納税証明書(その1)(その2):税目数×年度数(×枚数)×370円
納税証明書(その3)(その4):(枚数×)370円
納税証明書(その1)(その2):税目数×年度数(×枚数)×400円
納税証明書(その3)(その4):(枚数×)400円

少しですがオンラインで請求したほうが安くなりますね。

発行までの時間

発行までの時間は窓口に提出してから15分程度とのこと。

ただし、郵送ならば郵送でのタイムラグがありますし、税務署側での混雑具合によっても変わってきますのであくまで目安です。

持続化給付金の関係で税務署はかなり混雑しているとの話もありますので時間に余裕をもってご利用ください。

注意:市町村発行の納税証明書もある

ちなみにかなり「市町村」で発行できる納税証明書もあります。

こちらは市税の納税を証明するものとなります。

ですから記載内容がぜんぜん違うんですよね。

一般的に納税証明書といえば税務署発行のものを要求されていると思いますが、予め確認しておくとよいでしょう。

※所得税などの課税がなく市税のみ納税しているケースだと市町村発行の納税証明書の提出を要求されるケースがあります。


課税証明書・非課税証明書とは

次は課税証明書・非課税証明書です。

こちらは「市町村」で発行される所得や課税額を証明する書類です。

前述の納税証明書と名前も内容も似ていますが、大きな違いは課税証明書は課税額はわかりますが、納税額までは証明されないという点でしょう。

なお、課税証明書と非課税証明書は基本的に同じもので課税対象がない場合、非課税証明書となります。

市町村によっては書類は全く同じで課税額が0になっていれば非課税証明書という扱いのところもあります。

課税証明書の種類と記載内容

課税証明書にも自治体によりますが、多くは2つのパターン(種類)があります。

一つは「全項目証明」。

もう一つは「課税額証明」です。

全項目証明では所得金額や扶養家族の人数、控除の内訳、課税標準額が記載されます。

課税額証明では住民税の課税額のみが記載されます。

提出先によって要求している内容が異なりますので取得時にお気をつけください。

なお、市町村によっては証明できる内容やフォーマットが違うケースがあります。

例えば課税証明は1種類で課税額証明のみとなっており、全項目証明は「所得課税証明書」という別の名前となってる場合なんかがあります。

詳しくは最寄りの市町村にお尋ねください。

課税証明書の取得方法

課税証明書は「市町村」で発行できます。

発行方法は多くの市町村が窓口での受付もしくは書類を郵送しての交付となります。

最近では地域によってはマイナンバーカードを使ってコンビニで取得できるケースもありますね。

詳しくは最寄りの市町村役場にお尋ねください。

手数料は自治体によって異なりますが、多くは300円前後です。


所得証明書とは

次は所得証明書です。

こちらも「市町村」で発行される書類です。

所得証明書の記載内容

所得証明書の記載内容は以下のとおりです。

1月1日から12月31日までの1年間の所得(収入)額

所得だけを証明したい場合にこちらの書類が利用されます。

所得証明書の取得方法

所得証明書は「市町村」で発行できます。

発行方法は多くの市町村が窓口での受付もしくは書類を郵送しての交付となります。

また、マイナンバーカードを持っている場合にはコンビニで発行できる自治体もあります。

私が住んでいる自治体は所得証明書はコンビニで発行できますが、課税証明書は発行できませんね。

詳しくは最寄りの市町村役場にお尋ねください。

手数料は自治体によって異なりますが、多くは300円前後です。


源泉徴収票とは

最後は源泉徴収票です。

こちらは「勤め先」が発行します。

給与所得しかない方は転職時はもちろん、お金を借りたり家を借りたりするときにこちらの書類を要求されるケースが多いですね。

所得制限のある補助金や助成金、給付金なんかの手続きに必要なケースもあります。

源泉徴収票の記載内容

源泉徴収票の記載内容は以下のとおりです。

1月1日から12月31日までの会社から払われた給与額、所得控除、源泉徴収税額等

こちらも控除の内訳や扶養の数なんかも記載してありますので課税証明書の全項目証明に近い形ですね

源泉徴収票の取得方法

源泉徴収票は基本的には年末調整時に発行されます。(会社が発行する義務があり)

退職時などは退職までの金額を記載した源泉徴収票が発行されます。

ですから特にこちら側から要求する必要はありません。

ただし、会社によっては自動的に発行してくれないようなケースもありますのでその際はこちらの記事を参考にしてください。

納税証明書、課税証明書、所得証明書、源泉徴収票の違い

今まで見てきたようにそれぞれの書類で記載内容や発行先が異なっています。

相手先がどの書類を必要としているのはをしっかりヒアリングして提出するようにしましょう。

例えば同じ所得を証明するにしても源泉徴収票ではその会社からの給与所得分しか記載されません。

ですから副業など別の所得がある場合に所得証明する際には源泉徴収表では適しませんので課税証明書は所得証明書を提出する形となります。

違った書類を提出してしまうと再度の提出など二度手間になりますのでお気をつけくださいね。


まとめ

今回は「納税証明書、課税証明書、所得証明書、源泉徴収票の記載内容の違いと使い分けを理解しよう」と題して所得や納税額等を証明するための書類について見てきました。

似たような書類ばかりですから混乱してしまいますが、2度手間にならないようにどの書類が必要なのかをしっかり確認して用意するようにしましょうね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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