国内法人企業の6割は赤字。 それにはある理由が・・・

衝撃の事実。国内法人企業の6割は赤字。それにはある理由が・・・

企業の目的は利益をあげることです。(もちろんそれだけではありませんが)

しかし、日本国内の法人企業の6割は赤字(欠損法人)であることをご存知でしょうか?

今回はこの件を考えて見ましょう。

国内法人企業の6割は赤字決算(欠損法人)

まずは国内法人企業の現状を見てみましょう。

なお、数字等は国税庁の会社標本調査結果を元に見ていきます。

>>会社標本調査結果

欠損法人とは

まずは今回の話の前提となる欠損法人について解説しておきましょう。

欠損法人とは以下の状況にある法人を指します。

所得金額が負(損失)又は0(繰越欠損金を控除した結果、所得金額が0となった場合を含む。)である法人(年2回以上事業年度をもつ法人については、全ての事業年度が欠損となった法人)をいう。

出典:国税庁「会社標本調査結果」より

これを読むとわかりにくいですが、簡単に言えば赤字であるってことを指します。税務上では欠損といいます。

所得がマイナスか0ですからね。

逆に利益計上法人とは以下の状況の企業です。

所得金額が正(利益)である法人(年2回以上事業年度をもつ法人については、いずれかの事業年度の所得金額が正である法人)をいう。

出典:国税庁「会社標本調査結果」より

要は黒字企業ってことです。

利益計上法人・欠損法人数の推移

利益計上法人数、欠損法人数の推移
利益計上法人数、欠損法人数の推移

出典:国税庁「会社標本調査結果」より

直近のデータである平成30年では法人数は2,725,293件ありますが、そのうち利益計上法人は1,032,670件、欠損法人は1,692,9232件となっています。

実に62.1%の法人企業が欠損法人となっているのです。

ただし、この割合は徐々に低下傾向にあります。平成21年、22年では72.8%でしたから10年弱で10%程度減った計算となります。

新型コロナウィルスの影響もあるので本年は欠損法人の割合はさらに高くなりそうではあります。

業種別の利益計上法人・欠損法人数

業種別利益計上法人・欠損法人数の推移
業種別利益計上法人・欠損法人数の推移

出典:国税庁「会社標本調査結果」より

業種別で見ると特に欠損企業の割合が高いのが出版印刷業です。実に74.9%が欠損企業となっています。

出版不況はよく言われていますが数字にも出ているんですね。

逆に欠損法人の割合が少ないのは建設業56.0%、鉄鋼金属工業56.5%、機械工業57.2%と続きます。

半分以上は欠損法人ではありますが他よりもかなり割合が少ないことがわかります。

就職や転職を考えるなら勝ち馬に乗るという観点からも出版印刷よりも建設業、鉄鋼金属工業、機械工業の方がよいかもしれません。

ただし、これにはちょっとしたカラクリがありますのでご注意ください。

繰越欠損金の推移

次は繰越欠損金の推移です。

繰越欠損金を簡単に言えば税務上の赤字の繰り越されたもののことです。

税務上の赤字を、翌事業年度以降の黒字から控除できる制度で、それが残っていれば法人税等を減らす効果があるのです。

例えば2010年に1億円の欠損、2011年に5千万円の利益、2012年に5千万円の利益ならば繰越欠損金が消える形となります。(かなり簡単に計算しています)

それがまだ残っていれば繰越欠損金です。

繰越欠損金の推移
繰越欠損金の推移

出典:国税庁「会社標本調査結果」より

繰越欠損金はここしばらくの景気の良さもあってか徐々に減ってきています。

それでもまだ平成30年度分で633,648億円残っているんですよ。

つまり、それだけ法人税等が徴収しにくいってことですね。

債務超過とイコールではありませんが、繰越欠損がある企業の多くは債務超過状態です。



なぜこれだけ赤字企業があるのか?

それではなぜこれだけ赤字企業があるのでしょうか?

あえて赤字にしている企業が多い

多くの場合あえて赤字にしているのです。

日本の税制上赤字の方が有利ですからね・・・

日本の企業を数の面でみると99.7%は中小企業です。

さらに小規模企業の割合は87%です。(従業員数:製造業20人以下、その他5人以下)

小規模企業の多くは社長一人の法人だったり、同族企業だったりしますから社長の一存でいろいろなことができます。(株主が自分たち)

黒字が出るくらいなら「経費をつかおうぜ」という判断になるケースもあります。

また、中には利益の全ても「従業員の賞与」に充てている企業もあります。

大半を自分や家族への「役員報酬」に回している企業もあります。(自由には変えられませんが)

つまり、法人税は税率が高いですからそれを納めるくらいならばなにかして赤字にしようぜってインセンティブが働きやすいのが現状なのです。

下記記事の高級中古車を買うって話もこの話につながるんですよ。

欠損法人が少ない業種には共通点がある

前述したように欠損法人の割合が少ない業種はあえて赤字にはしにくい理由があります。

建設業

例えば建設業です。

建設業は様々な許可申請が必要です。

また、経営事項審査(経審)といって公共工事の入札をする際に経営状況などを数値化した審査があります。

許可申請を受ける際も経審を受ける際も赤字ではかなり不利ですから避けたいんですね。

ですから前述したようなあえて赤字にしておこうってインセンティブが働きにくいのです。

逆に建設業は粉飾決算して数字をよく見せようというケースも多くなってしまっています。(税務署は税金を余分に払ってくれているので特になにも言わない場合が多いんですよ)

製造業

鉄鋼金属工業、機械工業などの製造業は経審等はありませんが特有の理由があります。

それは取引先から決算書の提出を要求されるケースが多いからです。

特に大手製造業は新規取引を開始する前に信用調査を行うのが普通です。

その信用調査にパスしないと取引ができないんですよ。

信用調査は当然ながら赤字企業ではかなり不利

中にはその時点で足切りになってしまうケースもあるのです。

また、製造業は設備投資が重要な部分となります。

設備投資をするにはお金がたくさんかかりますから銀行からの借り入れをするケースも多いでしょう。

その場合に赤字企業だとかなり不利となります。

基本的に赤字だとなかなか貸していただけません。

他にも設備投資に使えるものづくり補助金などの補助金も審査の段階で赤字企業ではかなり不利になります・・・

そういった事情もあることから製造業も赤字にしておこうってインセンティブが働きにくいのです。



まとめ

今回は「衝撃の事実・・・国内法人企業の6割は赤字。それにはある理由が・・・」と題して赤字企業の割合とその理由についてみてきました。

赤字っていうとこの会社は駄目だ・・・って判断してしまう人も多いのですが、実はそうでもないってことが多少わかっていただけたと思います。

多くの企業はあえて赤字にしているんですよね。。。

上場している大手企業でもあえて税務上欠損にして法人税を少なくして事業を回している所もあったりします。

それら行為の是非はさておき、こういったことがあるってことは知っておきたいところです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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