新型コロナウィルスの影響で雇用環境が大きく変わっています。
賞与がカットされたり、残業が少なくなったり、休業が多くて収入が減っている方も多いようです。
そんな事情もあり、自己都合で退職を選択する方も増えているようですが、ちょっと待ってください。
2020年9月末までと2020年10月1日以降では失業保険(雇用保険の基本手当)の扱いが大きく変わるのです。
今回は10月1日以降の「納付制限期間」の変更について解説していきます。
失業保険(雇用保険の基本手当)とは
まずはそもそもの失業保険とはなにかについて見ていきましょう。
失業保険とか失業手当、失業給付は一般的によく使われる言葉ですが、正式には雇用保険の中の基本手当のことを指します。
雇用保険を掛けていた方が、離職した際に失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくために支給されるものです。
失業中に支給されますので一般的に失業保険と言われることが多いですね。
なお、この記事では分かりやすいように失業保険と記載しています。
自己都合退職の場合には納付制限期間がある
自己都合とは、自分の都合で離職した場合を指します。
自分から対象を申し入れたようなケースですね。
自己都合退職の場合には失業保険がもらえる時期がかなり遅くなります。
7日間の待機期間満了後から約3ヶ月後の給付制限期間に入るのです。
それが開けてようやく失業保険の給付対象期間となります。
実際には会社から離職票を受け取ってハローワークに申請した日から7日待機期間があり、3ヶ月間の給付制限期間を経った後から3〜4週間後に失業の認定日がありそこから振込手続きで支給という流れになります。
つまり、自己都合による退職の場合には失業してから実際にお金がもらえるまでかなりの間が空くことになるのです。
会社から離職票を受け取るタイミングやハローワークに申請するタイミングにもよりますが、一般的に4ヶ月〜5ヶ月後にようやく支給って感じですね。
ちなみに解雇や雇い止めなど会社都合の場合には7日間の待機期間満了後から失業保険は給付対象期間となります。(3〜4週間後に失業の認定日がありそこから振込手続きで支給という流れ)
自己都合でも納付制限期間がないケースもある
なお、自己都合退職でも会社都合の場合と同じような扱いを受けられるケースもあります。
新型コロナウィルスの影響で多くの方が退職するようなケースではそれに該当するケースもありますのでご注意ください。(こちら側から言わないと適用されないケースがほとんど)
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
10月1日からは納付制限期間のルールが変わる
10月1日から自己都合退職の場合に失業保険がもらえるまでの制限が掛かる期間(納付制限期間)が変更になります。
具体的に見ていきましょう。
5年間のうち2回までは納付制限期間2ヶ月
出典:厚生労働省「納付期限期間が2ヶ月に短縮されます」より
2020年(令和2年)10月1日より自己都合退職は納付制限期間が2ヶ月となります。
ただし、回数制限があります。
5年中2回までが2ヶ月の納付制限期間となります。
少し働いて失業保険をもらって、失業保険が切れるくらいからまた働きはじめて・・・って方も見えますからその対策でしょう。
納付制限期間3ヶ月の場合も
出典:厚生労働省「納付期限期間が2ヶ月に短縮されます」より
逆に言えば5年中3回目からは給付制限期間が3ヶ月となります。当然4回目も3ヶ月ですね。
また、不正をして懲戒解雇になったなど「自己の責めに帰すべき重大な理由で退職された方」の給付制限期間はこれまでどおり3か月となりますのでご注意ください。
9月末までは現状のまま納付制限期間3ヶ月
出典:厚生労働省「納付期限期間が2ヶ月に短縮されます」より
ルール改正は10月1日からとなります。
当然なが9月30日までの自己都合退職の方の給付制限期間は3ヶ月のままです。
1日退職日が違うだけで給付制限期間が1ヶ月も違いますからご注意くださいね。
ちなみに退職日が一日はやい9月29日の場合だと社会保険の金額が違います。
どちらが良いのかは考え方次第ですが、このあたりの知識も知っておきましょう。
退職を決めるのは慎重にしよう
今回は「自己都合退職するなら10月1日以降がお得?納付制限期間が2ヶ月に短縮へ」と題して10月1日から変更になる納付制限期間についてみてきました。
新型コロナウィルスの影響で景気がかなり危うい状況に突入しています。
その点も踏まえ退職を慎重に検討してくださいね。
さらに社会保険の関係も退職日によって変わりますのでそのあたりも加味した上でいつに退職するのかは検討しましょうね。
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