先日から大きな話題となっている新婚生活に必要なお金が補助される「新婚生活支援事業」の金額や対象範囲拡大。
喜んでいる方も多いようですが、かなり大きな罠があります。
実は拡大されても対象となる方はかなり少数なんですよ。
今回は勘違いしている方も多いようですから「新婚生活支援事業」の対象者等をわかりやすく解説していきます。
新婚生活支援事業とは
それではまず、新婚生活支援事業の概要から見ていきましょう。
新婚生活支援事業の概要
新婚生活支援事業とは結婚に伴う経済的負担を軽減するため、新婚世帯に対し、結婚に伴う新生活のスタートアップに係るコスト(新居の家賃、 引越費用等)を支援する地方自治体を対象に、国が地方自治体による支援額の一部を補助する制度です。
実はポイントは支援されるのは地方自治体となっている点です。(詳しくは後述)
新婚生活支援事業の対象者
対象となるのは
となっています。
なお、奨学金を返済している世帯は奨学金の年間返済額をご夫婦の所得から控除して世帯年収340万円なら対象となります。
新規に婚姻の条件は令和2年度分については令和2年1月1日からお住まいの市区町村の事業終了日までに 入籍した世帯とされています。つまり、その年に結婚した方ということですね。
このうち年齢と所得に関する条件が来年度から緩和されます。
- 年齢34歳以下→39歳以下
- 世帯年収340万円未満→約540万円未満
新婚生活支援事業の補助対象、補助率
報道だと60万円もらえるということばかり報道されていますが、厳密にはちょっと違います。
補助上限30万円→60万円
上限が倍増した形ですね。上限までもらおうとすると120万円の支払いが必要となります。
新婚生活支援事業の使える自治体は限られる
「新婚生活支援事業」は来年度から年齢や世帯年収の条件がかなり緩和されます。
しかし、使える方はかなり限られてしまいます。
それは「新婚生活支援事業」を自治体が実施している必要があるためです。
この事業、自治体が主体となって動いて国が支援する仕組みとなっています。
ですから自治体がやってなければいくら年齢や世帯年収を満たしていても対象とならないのです。
しかも実施している自治体はかなり限られているんですよ。
令和2年7月10日時点で「新婚生活支援事業」を実施している自治体は以下のとおりです。
令和2年7月10日時点の新婚生活支援事業を実施している自治体
出典:内閣府「令和2年度新婚生活支援事業」より
見ていただければわかるようにかなり限られた自治体となっています。
東京都や広島県はまったく対象となる自治体がないのです。
また、対象となっている自治体もどちらかというと過疎だったりするところが多い感じですね・・・
ですから今回大きな話題となった新婚生活支援事業ですが、対象となる方はかなり限られるのです。
金額が倍増しますから来年度から新婚生活支援事業を実施する自治体が増えてくる可能性も残されてはいますが・・・
新婚生活支援事業の効果は疑問・・・
今まで見てきたように新婚生活支援事業はかなり限られた方が対象としかなりません。
また、そもそも60万円もらえるから結婚しよか?なんて普通ならないでしょう。
出典:内閣府「将来推計人口でみる50年後の日本」より
日本はどんどん人口が減り続け、当然国力も落ちていく一方だと予想されています。
当然、今回の話も少子高齢化対策の一環としてだとは思いますが、かなり効果は限定的と言わざる得ません。
他にも少子高齢化対策として不妊治療の保険適用や児童手当の拡充などが検討されているようです。
しかし、これらもあまり効果ないだろうな・・・としか思えません。
個人的には独身税・ベーシックインカム、貯蓄税などを検討していただきたいな・・・
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
まとめ
今回は「新婚生活に60万円補助される新婚生活支援事業はかなり限られた人しか使えない件」と題して新婚生活支援事業がかなり拡充されるという話題について見てきました。
大きく報道されていましたが、実はかなり限定した方した対象とならない微妙な制度なのです。
このような小手先の少子高齢化対策ではなくもうちょっと根本的な部分を検討する時期に来てしまっているんではないでしょうかね?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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