11月28日にジャスダックに新規上場する幸和製作所の財務分析をしてみたいと思います。
幸和製作所が11月28日上場
幸和製作所が上場する11月28日は他に
クックビズ、ポエックの3社が上場します。
また、翌日の29日はトレードワークスが上場します。
そのため資金が分散する可能性があります。
また、北朝鮮問題や安倍政権の忖度問題などで一気に地合が悪くなる可能性もはらんでいますので注意が必要です。
なお、財務分析は目論見書で掲載されている直近2年によります。
幸和製作所のビジネスモデル
幸和製作所の事業内容は福祉用具の製造・販売となっています。
それでは詳しく見ていきましょう。
幸和製作所の具体的なビジネス内容
幸和製作所は主な製品は下記の3つです
歩行者、シルバーカー、杖、
どの分野も今後の高齢化社会の進展を考えると需要が高そうな分野ですね。
出所;幸和製作所目論見書より
幸和製作所の収益性
売上高総利益率
次に粗利の部分にあたる売上高総利益率からみていきましょう。
売上高総利益率をみることでその企業の商品力をみることができます。
27年度44.42%
28年度51.32%
と大きく増加しています。
かなり高い利益率を誇っているといえます。
売上高営業利益率
次に本業の儲けを表す売上高営業利益率です。
27年度4.70%
28年度7.18%
こちらは微増です。
これもそれなりに高い水準にありますので問題無いでしょう。
上場前は販売費及び一般管理費は大きくなりがちですがそれがおさえられた感じはあります。
売上高経常利益率
次に利息や営業外収益を含めた売上高経常利益率をみていきます。
27年度4.45%
28年度6.64%
こちらも微増です。
営業利益率と比較して差があるのは支払利息と売上割引が大きいことです。
売上割引がこれほどある企業もなかなかみない気はします・・・
売上割引とは販売側が割引した場合(掛取引を行った場合、その掛代金が支払期日前に支払われたときに、その支払期日の短縮による利息分を免除(ディスカウント)
ちょっと資金繰り面の確認が必要なのかも。
売上伸び率
売上げの伸びはこんな感じです。
27年度+14.15%(単独)
28年度ー6.48%(連結)
とかなり波がありそうな感じです。
これは一時的なのかどうかは確認が必要なところでしょう。
収益性まとめ
売上げの伸びは波がある、収益性も高めです、ちょっと気になる点はありますが・・・
幸和製作所の安全性
流動比率
次に短期的な支払能力をみる流動比率です。
27年141.71%
28年208.23%
とこちらも大きく増加して推移しています。
流動比率の目安は100%ですから問題全くありません。
27年は現金及び預金の割合がかなり少なくてちょっと気になりますが28年度は特に問題ない程度になっています。
自己資本比率
総資産に占める自己資本の比率である自己資本比率はどうでしょう?
27年12.3%
28年20.5%
と大きく伸びています。
もともと悪くはないですから自己資本の面ですしこの面は問題ないでしょう。
キャッシュフロー
キャッシュフローは27年度は
営業活動がプラス
投資活動がマイナス
財務活動がマイナス
28年度は
営業活動がプラス
投資活動がマイナス
財務活動がプラス
となっています。
両年ともフリーキャッシュフローがプラスです。
28年度で資金面にだいぶ余裕がでていたのは財務活動(長期借入による収入)が大きいようです。
まあ、これで資金面で当面問題なるになることは少なそうな感じはありますが・・・
安全性まとめ
ちょっと気になる点はありますが資金面で問題になることはなさそう。
幸和製作所の株価
PER、PBR
PER、PBRをみるとかなり割安です。
成長性はそれほど高くありませんが(28年度で売上げの伸びが止まっている)業種的に高齢化社会を考えるとこれらも需要の高そうな業界ではあります。
株価的には面白い水準ではあります。
既存株主
既存株主はベンチャーキャピタルが見当たりません。
上位株主は親族や役員など個人が多く
ロックアップもきつめの180日となっています。
そのためこのあたりの部分は気にしなくても良いかも
ストックオプションもそれなりにありますのでこのあたりがどう動くかで上場後の株価に大きな影響がありそうですね。
株数がすくないため初値はそれなりにいきそうな予感があります。
まとめ
今回は幸和製作所の財務を中心に分析してみました。
そもそもの規模が小さいですので初値はそれなりにつきそうですね。
上場後はストックオプションの人次第ってところでしょうか。
次回は初値予想をしてみたいと思います。
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