先日、興味深いツイートがバズっていました。
アメリカの超富豪は資産の大半が株だけど売ると税金が発生するから、お金が必要なときは株を担保に借金してるよ
って感じの内容。
たしかにアメリカのように株が上がり続けていれば実際その方が利益出る可能性が高いんですよね。
株を担保に借金をするというと信用取引のイメージが強いですが、信用取引だと株などにしか利用できません。
しかし、日本にも株を担保に資金用途自由の同様のサービスがあるんですよ。
今回は日本でもある株を担保に借入できるサービスをご紹介しましょう。
株を売るよりも株を担保に借金したほうがプラスになる理屈
それでは今回の話の理屈から解説しておきましょう。
難しい話ではありません。
わかりやすいように日本の税制で解説しましょう。
株を売って必要資金を調達した場合
例えばちょっと極端ですが財産の全ては株で1億円分を持っていて、家のリフォームで1,000万円必要になった場合を考えて見ましょう。
株は5,000万円で買っていたとしましょう
株を売ってリフォームに必要な資金を調達する場合、1,200万円分くらいの株を売却する必要となります。
日本では株の利益に対して20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)が発生します。
1,200万円のうち半分が利益なら121.89万円分の税金となります。
残りの株は8,800万円です。
例えば年利5%で増えていけば440万円の利益(含み益)となりますね。
株を売らずに借金した場合
では株を売らずに借金をした場合を考えてみましょう。
前提は前述と同じです。
この場合、株は1億円分そのままですから年利5%で増えていけば500万円の利益(含み益)となりますね。
借金の利息が5%未満なら株を売らずに借金をしたほうが利益が大きいということになります。
例えば1%の利息で借りられれば12万円の利息ですから差し引き488万円。
前述の株を売って資金調達した場合と比較して48万円利益が多いことになります。
さらに121.89万円分の税金がすでに取られていますのでもっと差がありますね。(株を占い場合は含み益は残ったままですが)
翌年、その翌年と複利で差がついて行きますので長い目で見ればさらに大きな差となっていく計算です。
含み益では課税されない
この話の味噌はアメリカも日本も株は含み益の段階では課税されないということです。
あくまで売却した時点の利益に対して課税されます。
利確してしまえばそこで税金が発生して資金効率が落ちます。
しかし、株が右肩上がりなら持ち続ければ資産が増え続けるのです。
もし、借入時の利息が株の利回りよりも低ければ借りた方が資産が増えるんですね。
ただし、これば株が右肩上がりというのが大前提の話です。
アメリカはダウ平均なんかを見ても右肩上がりでした。
しかし、日本株は最近ようやく盛り返してきましたが、長い間低迷してたので同じことをしてもうまくいかなかったかもしれません。
日本にもあった株を担保にした借入サービス
実はいろいろなところが株式・投資信託などを担保に借入できるサービスを提供しています。
主だったところをご紹介しましょう。
野村證券の野村Webローン
まずは野村證券です。
野村證券では株式・投資信託・国債を担保に借入できるサービスとして野村Webローンというサービスがあります。
条件は以下のとおり。
- 借入金の資金用途自由
- 借入額は10万円〜1億円
- 年利1.5%
担保の区分・種類に応じて計算した評価額の範囲内で借り入れできるとのことです。
大和証券の証券担保ローン
次は大和証券です。
こちらも野村證券とほぼ同じような証券担保ローンが設定されています。
なお、大和証券は「ダイワ・コンサルティング」コースを利用しているか「ダイワのオンライントレード」を利用しているかで条件が異なります。
「ダイワ・コンサルティング」を利用している方は以下の条件です。(ダイワのSATローンⅡ)
- 借入金の資金用途自由
- 借入額は100万円〜10億円
- お借入から1ヶ月1.9%、2ヶ月目から2.9%、4ヶ月目以降3.9%
「ダイワのオンライントレード」の方は以下の条件です。(ダイワのネットローン)
- 借入金の資金用途自由
- 借入額は30万円〜3,000万円
- 年利2.8%
なお、両方とも総合取引口座の有価証券等が担保対象となります。
SMBC日興証券のイージー・コムストックローン
次はSMBC日興証券です。
こちらも日本証券金融株式会社と組んで同様のサービスを展開しています。
こちらもほぼ同じ仕組みですね。
条件は以下のとおり。
- 借入金の資金用途自由
- 借入額は30万円〜1億円
- 年利3.175%〜4.175%
なお、担保は株式、協同組織金融機関の優先出資証券、投資証券、投資信託の受益証券で担保時価額の60%が融資限度額となります。
国債は担保の対象外となっていますのでご注意ください。
SBI証券の日証金証券担保ローン
SBI証券も日本証券金融株式会社と組んで同様のサービスを展開しています。
組んでいるところが同じこともあり、SMBC証券とほぼ同じ仕組みですね。
条件は以下のとおり。
- 借入金の資金用途自由
- 借入額は30万円〜1億円
- 年利3.175%〜4.175%
なお、担保は株式、協同組織金融機関の優先出資証券、投資証券、投資信託の受益証券で担保時価額の60%が融資限度額となります。
こちらも国債は担保の対象外となっていますのでご注意ください。
まとめ
今回は「超富裕層は株は売らずに株を担保に借金?日本でもある株を担保に借入できるサービスをご紹介」と題して株を担保に借入できるサービスをご紹介しました。
あまり知られてませんが、多くの証券会社で提供されているサービスなんですよ。
ただし、現在の低金利時代を考えると少し高めの利息ではあります。
資金用途は自由なのは嬉しいですけどね。
なお、担保にしても当然、株主優待や配当などの権利はそのまま受けられますよ。
それほど使う機会は多くはないと思いますが、いざというときこういう仕組みがあることは知っておいても良いかもしれませんね。
日本ではどうしても借金=悪という考えが多くなっていますが、お金持ちや大企業は借金を悪とは捉えていない方がほとんどなんですよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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