読者様から相談をいただきました。
少し前まで副業や主婦のプチ起業と言えばブログとかアフィリエイトなんて時代がありました。
しかし、昨今の情勢をみると趣味でやる分にはいいけど副業として考えるとあまりおすすめできない状況になっています。
度重なるGoogleコアアップデートで個人のブログ、特に投資や健康関連のサイトがかなり受難な時代になってきているんですよ。
今回はそんな話を見ていきましょう。
Googleコアアップデートとは
まずはサイトを作ってない方だとイメージが湧きにくいでしょうから根本の話から見ていきましょう。
Googleコアアップデート(コアアルゴリズムアップデート)とは簡単に言えばGoogle検索のアルゴリズム(問題を解決するための手順や計算方法)の大本を見直すことです。
アルゴリズムは定期的に見直されているようですが、その中でもコアアップデートは特に大がかなりな改修となります。
そのため、コアアップデートが実施されるとGoogleの検索結果がかなり大きく変わるのです。
2021年は6月、7月に実施されていますね。
YMYL関連は特に影響大
ここ数年の傾向としてとくにYMYL関連のサイトが大きな影響がでています。
YMYLとは「Your Money or Your Life」の略で直訳すると「あなたのお金と人生」です。
つまり、お金や人生、健康などに関わる分野のことです。
WEB上で間違った情報を得ることで大きな人生にマイナスな影響を及ぼすことがないようにそれらの分野はより厳しく対応されているのです。
昔、DeNaが多額の人とお金を投入して健康分野の検索上位を稼ぎまくった時期がありました。
しかし、「背中が痛い」と検索すると「背中が痛いのは霊のせいかもしれない」というトンデモ理論が1位になってしまっているというふざけた状況・・・
それが問題視されたことで健康についてはそのあたりがかなり厳しくなりました。
その後、お金も同様に扱われるようになり、現在では投資ブログやお金関連のブログもその範囲となってきます。
ここ1〜2年のコアアップデートは特に投資ブログやお金に関してさらにそれが加速した感じでしたね。
本ブログも全盛期(昨年5月前)と比べてアクセスはびっくりするくらい少なくなってしまっています・・・
他のサイトも同様のようで更新を止めてしまったり、サイトそのものを消してしまう投資ブログを度々見かけるようになりました。
例えばアフィリエイト会社からお手本としてよく名前を聞いていた「ノーロード投資信託ガイド」さんはサイトをやめてますし(すでに消えている)、お金に生きると同時期にブログを始められて、私も定期的に拝見してた「つみたて次郎の貧乏投資日記」さんもいつのまにかサイトそのものが消えてしまっていてショックでしたね・・・
また、個人ブログとして運用していたものが、よくわからない会社の運用に変わっていたりするケースも見受けられました。(ブログを売却したんでしょうね)
つみたてNISAで検索すると・・・
前述のようにYMYL関連は厳しく扱われていますので、特に個人のサイトにとってはなかなか厳しい環境にあります。
例えばこのサイトでも取り扱っている「つみたてNISA」でGoogle検索してみた結果が以下です。(公平を期すためにシークレットモードで検索)
上位は公式サイトしかいない・・・
検索結果の1位と2位が金融庁。
3位がみずほ銀行、4位が楽天証券、5位が三井住友銀行、6位がSBI証券、7位もSBI証券。8位がSMBC日興証券、9位がゆうちょ銀行と続きます。
つまり、金融機関の公式サイトですね。
次のページからも公式サイトが続きます。
個人サイトかな?ってのは12ページ目まででてこないんですよ笑
公式以外の企業サイトもほとんどでてこず2ページ目に「保険のぜんぶ」11ページ目に「みんかぶ」「プレジデント」「impress」がでてくるくらいでした。
おそらく11ページ目、12ページ目なんてほとんど見られないでしょう・・・
「つみたてNISA」で検索する人で企業の公式サイトを見たい人がどれだけいるのか疑問です。
しかし、YMYLという観点でより情報が正確であろう公式サイトを優遇しているのだと思われます。
つみたてNISA おすすめで検索すると
次に公式サイトが見たいのではない方が大半だろう「つみたてNISA おすすめ」で検索した場合を見てみましょう。
こちらは流石に公式サイト以外もでてきます。
広告を除いた1ページ目に出てきたのは以下の通り。
- ZAI ONLINE つみたてNISA(積立NISA)を始めるなら、おすすめの証券会社はココだ!
- ZUU 【2021年最新版】つみたてNISAおすすめ証券会社ランキング
- mybest【2021年】NISA・つみたてNISA商品のおすすめ人気ランキング19選【徹底比較】
- トウシル(楽天証券) つみたてNISA、NISAで投資するなら?人気投資家6人が選ぶビギナー向け銘柄
- SBI証券 つみたてNISAピックアップファンド!
- finasee 【2021年7月版】つみたてNISAのおすすめ銘柄は?徹底比較
- つみたてNISAナビ 結局どれを買えばいい?つみたてNISA商品おすすめの選び方
すべて企業サイトですね。
finaseeとつみたてNISAナビは存在を知らなかったのですが、finaseeは一般社団法人金融資産リサーチ研究所と株式会社想研の共同運営のお金関連のサイト。
つみたてNISAナビはNPO法人DC・iDeCo協会のお金のサイトです。
今まで存在を知らなかったサイトがここまで上に来るということはGoogleコアアップデートで検索結果が大きく動いているということが言えるでしょう。
2ページ目以降は公式サイトが多く並んでおり、個人サイトに至っては検索結果の最後まで出てきませんでした・・・
つまり、Googleで「つみたてNISA おすすめ」と検索しても個人サイトは一つも出てこないということです。
一昔前まではつみたてNISA おすすめで検索すると証券会社のサイトを差し置いて個人サイトばかりが上位にでてきた時代もあることを考えれば大きく変わってしまったということですね。
「つみたてNISA おすすめ」と検索する人が見たいのはむしろ個人ブログなどの感想や評価なんでしょうが、YMYL優先となっています。
ちなみに「つみたてNISA おすすめ」の検索結果で本サイト「お金に生きる」のある記事が1位にいたこともあります。
今では見る影もないですが・・・笑
YMYLの傾向はおそらく変わらない
ちなみに今回ご紹介した「つみたてNISA」や「つみたてNISA おすすめ」以外の他の検索結果もほとんど傾向は同じです。
YMYLに絡んだ検索ではよほどニッチな検索以外は個人サイトが上がってくることはありません。
この傾向はおそらく今後も続くと思われます。
それではこれから個人サイトはどのように戦えばよいのでしょう?
私の考える個人サイト(投資系)の今後の戦い方を見ていきましょう。
よりニッチな分野へ
「つみたてNISA」といった広い分野ではもう個人の投資サイトは戦えないと思われます。
ただし、ニッチな分野ではまだまだ戦える余地はあります。
例えば8月27日に新規上場(IPO)するジェイフロンティアという会社があります。
「ジェイフロンティア IPO」と検索してみるとこの記事を書いている時点では上位はほとんど個人ブログです。
証券会社の公式サイトでジェイフロンティアのIPOを分析するわけにもいかないでしょうし、企業サイトもあまりこの分野に入ってきていないためです。
まだまだこのようなニッチな分野は探せばあると思いますのでそういう部分に注力するのも一つでしょう。
ただし、「ジェイフロンティア IPO」で検索されるのはIPOされる8月27日前後までなので賞味期限はかなり短いんですけどね。
だから企業サイトも入ってこないのかもしれません。
googleに頼らない
もう一つの方法はGoogle検索からの流入は鼻から期待しないことです。
ツイッターやフェイスブック、InstagramといったSNSからの流入はGoogleの検索結果は関係ありませんからまだまだ個人でも戦えます。
ですからこれからブログを始めるならSNSをまず頑張るというのも必要かもしれませんね。
はてなブログ、アメブロ、ライブドアブログ
もう一つはWordPressを使った自社ブログを運用するのではなく「はてなブログ」や「アメブロ」、「ライブドアブログ」など外部のブログサイトを使うのも手です。
これらのメディアの場合は内部での検索から来る人も多いですよ。
また、Google砲(GoogleDiscovery)やGoogleニュースに個人サイトが載ることは皆無に近くなりましたが、はてなブログやアメブロ、ライブドアブログを利用している個人ブログは掲載されていることを見かけます。
ですからこれから始めるならワードプレスを使わずあえて「はてなブログ」、「アメブロ」、「ライブドアブログ」などのブログサイトを使うのも手かもしれません。
少し前までWordPressの方がおすすめでしたが・・・現在のGoogle検索を考えるとその方が良いでしょうね。
今後も現在の傾向が続くのかはわかりませんが。。。
YMYL以外の分野に
今回の話は投資ブログについてのご相談でしたのでかなり厳しい話になってしまいました。
しかし、分野によってはまだまだ個人が強いところもありますからそういうYMYL以外の分野に進出するほうがおすすめです。
最近はWEBサイトの売買なんかも盛んですからそういうところで買ってしまうのも手でしょうね。
YMYLに絡んだブログ売却が多くなっているのも昨今のコアアップデートの影響でしょうね。
法人化する
最後はお金も掛かりますし、効果もわからない裏技的な話ですが、法人化してサイトを運営するという方法もあります。
YMYL分野については「E-A-T」の概念がかなり強く反映されています。
E-A-TとはExpertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trustworthiness(信頼性) の略語でそのサイトが3つの要素でどれだけあるのかというところをかなり見られています。
それを担保するためには名前や住所等の公開は必須といっても良い状況です。
ただし、現在の検索結果をみる限り個人としてそれらを公開してもほとんど効果がないのかもしれません。
YMYL分野で上位に来ているのはほとんどが法人の運営しているサイトなんですよ。(個人サイトから法人サイトに移行したものも含む)
あくまでも私のリサーチした範囲では法人として運用しているサイトと個人として運用しているサイトではGoogleのE-A-Tに対する評価はかなり差があると思われます。
ですから法人化して運用するというのも一つの手でしょう。
ただし、法人化したからといってもGoogleからのE-A-T評価をもらえるとも限りませんし、効果はやってみないとわからないところはありますが・・・
法人化はメリットもデメリットもありますのでそのあたりを踏まえて検討してみてください。
まとめ
今回は「投資ブログをこれから始めるって無謀ですか?個人の投資関連ブログが受難な時代はより加速している」と題して個人の投資ブログについて考えてみました。
冒頭にお話したとおり、投資ブログは副業として考えるとあまりおすすめできない状況です。
ブログをやるにしてもYMYLに関係ない他の分野の方がよいのでは?と個人的には思います。
しかし、どうしても投資ブログにこだわるのであれば公式サイトや大手法人サイトがやらない、できないニッチな分野で戦うしかないしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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