読者様からご質問を頂きました。一部抜粋すると以下の通り。
質問を頂いて調べてみてわかりましたが、婚姻の有無で寿命は大きく異なっているんですよ。
特に未婚男性は平均どころか中央値で66歳前後とというかなり厳しい結果となっています。
つまり、未婚男性の半分くらいの方は66歳で亡くなってしまう。
老後資金でみれば厚生年金とかすら元を取るどころか、まともに貰う前になくなってしまうという・・・
老後資金を考える上ではこの辺りも考慮する必要があるかもしれませんね。
今回はこの質問の件について考えてましょう。
※補足、追記しました。
男性は婚姻の有無で寿命は大きく異なっている
まずは男性の婚姻の有無による死亡年齢の差を見てみましょう。
下記は婚姻の有無での死亡年齢を層別で表したグラフです。
出典:人口動態調査 15歳以上の死亡数、年齢・性・配偶関係別(2019年調査)を元にお金に生きるでグラフ作成
緑色の線が未婚、青色の線が有配偶者、元々は結婚していたけど離別した方は黄色、死別した人の線がその区分の男性の死亡年齢割合です。
かなり、婚姻の有無で差があるのがわかるでしょう。
なお、今回の話に何度か出てくる平均値、中央値、最頻値の違いってなんだけ?って方に簡単に説明しておくと平均値は値を全部足してその数で割ったもの、中央値は全部並べて真ん中の値。最頻値は最もよく出てくる値です。
特に注目したいのは中央値ですね。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
未婚男性は最も死亡年齢のピークが若い
未婚男性(一度も結婚していない独身男性)の死亡年齢のピーク(最頻値)、中央値(ちょうど真ん中)とも65歳から69歳となっています。
実際の数字としては未婚男性全体の17.03%がこの年齢区分でお亡くなりになっています。
- 60歳〜64歳:11.32% 累計43.88%
- 65歳〜69歳:17.03% 累計60.91%
- 70歳〜74歳:15.72% 累計76.63%
出典:人口動態調査 15歳以上の死亡数、年齢・性・配偶関係別(2019年調査)を元にお金に生きるで計算
その前に亡くなった方を合わせてみると65歳から69歳までの年齢区分までに60.9%が亡くなっている計算となります。
つまり、半分以上の未婚男性はそれまでに亡くなっているのです。(あくまでデータ上ですが)
理由は判明していませんが、食事や生活の問題かもしれませんね・・・
同じ未婚でも女性はそこまで差がないですしね。
離別も死亡年齢のピークが若い
次に結婚はしたけど離別(離婚)した独身男性のデータです。
こちらは死亡年齢のピークは70歳から74歳となっています。
未婚男性よりはあとになっていますが、少し早めの寿命ですね。
実際の数字としては未婚男性全体の19.35%がこの年齢区分でお亡くなりになっています。
- 60歳〜64歳:9.08% 累計24.34%
- 65歳〜69歳:15.12% 累計39.55%
- 70歳〜74歳:19.35% 累計58.90%
- 75歳〜79歳:17.88% 累計76.78%
出典:人口動態調査 15歳以上の死亡数、年齢・性・配偶関係別(2019年調査)を元にお金に生きるで計算
出典:人口動態調査 15歳以上の死亡数、年齢・性・配偶関係別(2019年調査)を元にお金に生きるで計算
その前に亡くなった方を合わせてみると70歳から74歳までの年齢区分までに58.9%が亡くなっている計算となります。
有配偶者の死亡年齢ピーク
対して有配偶者の死亡年齢ピークは80歳〜84歳とかなり長くなっています。
- 65歳〜69歳:7.09% 累計14.63%
- 70歳〜74歳:11.87% 累計26.50%
- 75歳〜79歳:17.12% 累計43.62%
- 80歳〜84歳:21.58% 累計65.20%
- 85歳〜89歳:21.15% 累計86.35%
出典:人口動態調査 15歳以上の死亡数、年齢・性・配偶関係別(2019年調査)を元にお金に生きるで計算
未婚男性がなくなる年齢として最も多い65歳から69歳まででは14.63%しか亡くならないという・・・
かなり大きな差がありますね。
死別の死亡年齢ピーク
最も死亡年齢のピークがあとになっているのは結婚はしたけど死別した独身男性です。
- 75歳〜79歳:8.73% 累計15.72%
- 80歳〜84歳:16.50% 累計32.22%
- 85歳〜89歳:27.07% 累計59.29%
- 90歳〜94歳:27.14% 累計86.43%
出典:人口動態調査 15歳以上の死亡数、年齢・性・配偶関係別(2019年調査)を元にお金に生きるで計算
中央値は85歳〜89歳。
最も多い(最頻値)は90歳〜94歳とかなり遅くなっていますね。
これは集計上の問題で、有配偶者の中で先に配偶者が亡くなった方だけの集計となりますのでどうしても遅くなる形となります。
どちらにしても有配偶者はかなり未婚男性(独身男性)と比べて寿命は長いというデータとなります。
理由はわかりませんが、未婚男性は食生活などが乱れがちになりますので病気等になりやすいんでしょうかね?
女性は未婚と有配偶者で大きな差がない
次は女性編を見ていきましょう。
こちらは男性にとってちょっとショックなデータとなっています。
出典:人口動態調査 15歳以上の死亡数、年齢・性・配偶関係別(2019年調査)を元にお金に生きるでグラフ作成
未婚女性は死亡年齢のピークが遅め
未婚女性(一度も結婚していない独身女性の死亡年齢は昼やかな曲線となっています。
ピークは85歳から89歳と未婚男性と比べて20歳高くなっています。
- 75歳〜79歳:8.90% 累計45.46%
- 80歳〜84歳:11.65% 累計57.11%
- 85歳〜89歳:16.72% 累計73.83%
- 90歳〜94歳:16.62% 累計90.45%
出典:人口動態調査 15歳以上の死亡数、年齢・性・配偶関係別(2019年調査)を元にお金に生きるで計算
中央値は80歳〜84歳ですね。
離別は時点で死亡年齢のピークが若い
次に結婚はしたけど離別(離婚)した独身女性のデータです。
こちらも死亡年齢のピークは85歳から89歳となっています。
中央値は80歳〜84歳とこちらも未婚女性と全く同じとなっています。
- 75歳〜79歳:13.10% 累計47.11%
- 80歳〜84歳:14.46% 累計61.57%
- 85歳〜89歳:15.77% 累計77.35%
- 90歳〜94歳:14.19% 累計91.54%
出典:人口動態調査 15歳以上の死亡数、年齢・性・配偶関係別(2019年調査)を元にお金に生きるで計算
有配偶者の死亡年齢ピーク
有配偶者の死亡年齢ピークはこちらも85歳〜89歳となっています。
中央値も80歳〜84歳とこちらも未婚女性と全く同じとなっています。
- 75歳〜79歳:13.41% 累計37.83%
- 80歳〜84歳:17.62% 累計55.44%
- 85歳〜89歳:19.77% 累計75.22%
- 90歳〜94歳:16.66% 累計91.88%
出典:人口動態調査 15歳以上の死亡数、年齢・性・配偶関係別(2019年調査)を元にお金に生きるで計算
男性と違って未婚と既婚で大きなデータ上の差異がないんですね。
むしろ多少未婚の方の方が寿命が長そうなんですよね・・・死別分を入れたらほぼ同じかも
死別の死亡年齢ピーク
最後は死別の場合です。
- 75歳〜79歳:5.16% 累計8.46%
- 80歳〜84歳:12.14% 累計20.60%
- 85歳〜89歳:24.10% 累計44.70%
- 90歳〜94歳:30.71% 累計75.41%
出典:人口動態調査 15歳以上の死亡数、年齢・性・配偶関係別(2019年調査)を元にお金に生きるで計算
死別の場合は最も多いのも、中央値も90歳〜94歳となっています。
これは集計上の問題で、有配偶者の中で先に配偶者が亡くなった方だけの集計となりますのでどうしても遅くなる形となります。
有配偶者と死別を合算するとピークは90歳〜94歳。中央値は85歳〜89歳ですね。
まとめ
今回は「未婚男性は66歳前後が寿命の中央値。老後に必要なお金は配偶者の有無で大きく変わる。」と題して既婚、未婚別の死亡年齢を見てきました。
これだけ独身、未婚、男女別で寿命に大きな統計上の差があると老後資金を考える上でも検討要因として入れておく必要があるでしょう。
特に未婚男性、離別した男性は寿命も短い傾向にありますので、普段の生活を切り詰めてまで老後資金を無理して用意しておくのは得策ではない可能性もあります。
年金なんかは繰り上げ、繰り上げの判断は独身、結婚している場合で変わりそうです。
逆に既婚の方は特に奥さんの寿命がかなり長いですから、その部分も含めて老後資金を考える必要があるでしょう。
ただし、昨今の医療の進歩で寿命は150歳くらいに伸びそうという話もあります。
そのあたりも加味して考えておく必要もあるかもしれませんね。
お知らせ:You Tubeはじめました。
You Tube「お金に生きるチャンネル」をはじめました。
You Tubeでも少しでも皆様のお役に立てる動画を定期的に発信していきますのでチャンネル登録をぜひよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。