SBIホールディングスが新生銀行株の株式公開買い付け(TOB)を発表。
新生銀行側は買収防衛策の導入を発表するなど揉めています。
この買収劇、それほど注目しておらずなんとなくでしか情報収集していませんでしたが、新生銀行側から面白い情報がでてきまして、個人的に注目度が大幅アップしています。
実はSBI証券とマネックス証券の話でもあったんですよ。
今冬に予定されていたマネックスカードでの投資信託購入できるようになるって話にも影響してきそうな・・・
今回はSBIホールディングスによる新生銀行TOBの話を見ていきましょう。
SBIHDによる新生銀行TOBの概要
まずはSBIHDによる新生銀行TOBの概要から見ておきましょう。
TOBの概要
TOBとはTake-Over Bidの略で価格・株式数、期間などを公告してその上で株主から証券取引所を通さずに株を売ってもらう方法です。
買収時や非上場になるときなどに使われることが多いです。
ちなみに今回提示されたTOBの条件は以下のとおりです。
- TOB期間:9月10日~10月25日
- 買取価格:1株2,000円
- 購入株式数:保有比率最大48%まで
SBHDは新生銀行株をすでに発行済み株式の20.32%を保有していますので、新生銀行の株を48%を上限として買い増すとなると27.68%分追加で買うということですね。
買取価格は1株2,000円で、TOB公表前の株価は1,440円でしたから38.9%のプレミアが付くTOBとなります。
TOBのプレミアムとしてはかなり高めと言える水準となっています。
それだけ今回のTOBを成功させたいという意思を感じられます。
TOBについてはNTTドコモが非上場化するときに詳しく書いていますのでこちらも合わせて御覧ください。
新生銀行の動き
TOBは友好的なものでなく、新生銀行側はSBIHDに対抗するために支援企業を探しているという報道もあります。
ホワイトナイト(白馬の騎士)としてソニーなどの名前が上がるもののソニーが否定するなど新生銀行側からすると厳しい展開のようです。
フジテレビの親会社ニッポン放送をライブドアが買収しようとしたときにホワイトナイトになったのがSBI(当時はソフトバンクインベストメント)だったので逆の立場になっており面白いですね。
また、買収防衛策として既存の株主に新株予約権を無償で割り当て全体の株式の数を増やすことで、SBIHDが持つ議決権の比率を下げるという俗に言う「ポイズンピル」で対抗するとのこと。
ポイズンピルとかかなり久々に聞きました笑
SBI証券対マネックス証券の戦いでもあった
今回のTOBの目的はSBIHDによると元々SBIが掲げている「第四のメガバンク構想」の一環で資本業務提携の提案をしてたのですが、それがうまくいかなかったことが要因とされています。
細かい内容はSBIHDが発表していますのでそちらをみてもらうとして
>>株式会社新生銀行株式(証券コード:8303)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
個人的に特に注目したのがマネックス証券との提携が大きく影響していることです。
証券業務分野でSBIHDグループのSBI証券と提携の可能性を協議していたところ、マネックス証券と提携されてしまったという・・・
証券業務分野における提携の可能性についても、SBIHDの完全子会社であるSBI証券は2019年11月中旬から2020年10月上旬にかけて対象者と協議を行っておりましたが、当該SBI証券の提案に対しては対象者より何らの連絡もなく、その後、2021年1月27日に、対象者、新生証券株式会社及びマネックス証券株式会社といいます。より「マネックス証券と新生銀行グループによる金融商品仲介業務における包括的業務提携に関する基本合意書締結のお知らせ」が発表され、当該マネックス証券との包括業務提携の対象に、SBI証券が提案していた提携業務が含まれていたことから、かかるマネックス証券との包括業務提携の公表によって当該SBI証券の提案が受け入れられなかったことを認識いたしました。
出典:SBIホールディングス株式会社 株式会社新生銀行株式(証券コード:8303)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ より
ちなみに2021年5月から発行が始まっているマネックスカード。
今冬からはマネックス証券でマネックスカードを使えば投資信託が買える(ポイントが貯まる)ようになる予定となっています。
しかし、この発行会社は株式会社アプラス。
新生銀行グループなんですよ。
つまり、筆頭株主がSBIHDで子会社にSBI証券があるのに、そのライバルであるマネックス証券と提携して専用クレジットカードまで出すという状況になっていたのです。
新生銀行側からの反論
この件については新生銀行側も反論していますのでご紹介しましょう。
「SBIは『何の連絡もなく業務提携に至った』としているが、当行から説明が行われていた」と強調した。「SBI証券も(提携の)有力な候補として検討した。大株主の子会社という理由だけでSBI証券を選定することは不可能。様々な軸で評価を行い、マネックス証券が選定された」とした。
出典:読売新聞 新生銀、TOB表明のSBIへの反論公表 より
つまり、SBI証券との提携も検討したけど大株主だからといってそちらを選ぶわけにいかないよね。
マネックス証券の方が様々な軸で評価したらよかったとのことのようです。
実際の提案内容等がわかりませんのであれですが、大株主の反発が予想されるのに・・・ってところはあります。
銀行はこういう話多いですよね・・・
楽天銀行の前身イーバンク銀行もライブドアが大株主なのに揉めてたのを思い出します・・・
まとめ
今回は「SBIによる新生銀行のTOBはSBI証券対マネックス証券の話でもあった件」と題してSBIによる新生銀行のTOBの話を見てきました。
個人的な注目は今回のTOBが成立するのか、という部分もそうですが、マネックス証券のマネックスカードによる投資信託購入がどうなるかにも注目しています。
TOBが成立してSBIHDの発言力がさらに強くなれば子会社がマネックス証券と提携するなんてありえない話となりそうですしね・・・
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