確定給付年金(DB)を採用している企業への投資、転職、就職は要注意な理由

確定給付年金(DB)の加入者は2020年時点で940万人みえます。ソース:第12回社会保障審議会企業年金・個人年金部会)

最近は確定拠出年金を採用する会社が増えてはきていますが、まだまだ確定給付年金のほうがシェアは大きく日本で最も利用されている企業年金なんですよ。

改正厚生年金保険法で解散した厚生年金基金からの移行も多いですしね。

しかし、下記のように取り崩し期に入った確定給付年金が多いようです。すでに2020年度は5割超が取り崩し期という。。。

企業年金が成熟化している。上場企業の確定給付年金(DB)を調べたところ、受給者への支払総額が掛け金総額を上回る「取り崩し期」に入った企業は2020年度に初めて5割に達した。すぐには給付に影響しないが、運用収益を計画通りに確保できないと、母体企業が追加で掛け金を拠出する必要があり、財務に影響する。高度な運用が求められ、DBの廃止に踏み切る例も目立つ。

出典:日経新聞 企業年金成熟化 確定給付の5割、支払いが収入上回る

あまり話題になっていませんがこれは結構大きな話なんですよ・・・。

昨今でも低金利の影響もあり運用も簡単ではありませんから、会社が大きなリスクを背負う形となってしまうのです。

今回は確定給付年金(DB)を採用している企業への投資、転職、就職は要注意な理由について解説していきます。

確定給付年金(DB)とは

まず今回の話を理解するためには確定給付年金という制度について理解しておく必要があります。

確定給付年金とは名前の通り、給付金額が約束された年金制度のことです。

会社が掛け金を拠出して、運用を行います

そしてあらかじめ規定等で決まった金額を退職金や年金として従業員に支給するのです。

給付をあらかじめ確定するという意味で確定給付年金といいます。

運用責任は会社にあり、運用を失敗しても会社が穴埋めをする必要があるのがポイントですね。

確定給付年金のメリット

確定給付年金の最大のメリットは従業員が安心しやすいということでしょう。

確定拠出年金と違い、運用リスクは会社が背負います。

そのため将来受け取れる退職金や年金を見込みやすいということになります。

確定給付年金のデメリット

確定給付年金のデメリットもいくつかあります。

まず企業側の負担がかなり大きいことです。

規約によっては従業員に一部負担させることは可能ですが、多くの企業は掛け金を会社が負担をします。

さらに運用のリスクも会社が取りますのでリーマンショックのような大きな暴落があれば追加の掛け金等が当然必要になってきてしますのです。

また、確定給付年金は保険会社や信託会社に運用や給付を委託するケースが多いのですが、手数料がかなり高いんですよ。

私がいた会社も某保険会社に委託していましたが、イデコのそれと比べるとあほらしくなるレベルの手数料を払っていましたね。

ですからどうしても運用効率も悪くなりますし、追加の掛け金が必要となるケースが多くなるのです。

大きい規模の会社になると企業年金基金を作り運用するケースもありますが、高度な運用が求められるわりに人材を揃えれてないケースも多いです。

どことは言いませんが、ある有名企業の企業年金基金でも全くの投資素人が運用やっているそうです。(運用している本人に聞きました)

もちろん凄腕が運用しているところもありますけどね。

確定拠出年金(DC)との違い

似た制度で確定拠出年金(DC)があります。

こちらは拠出のみを会社が行います

運用などは従業員自身の責任で行います。

拠出をあらかじめ確定するいう意味で確定拠出年金といいます。

運用リスクを会社が持たなくてよいので最近採用する企業が増えているという側面があります。

個人で加入・拠出できる確定拠出年金がiDeCo(個人型確定拠出年金)ですね。



確定給付年金(DB)を採用している企業への投資、転職、就職は要注意な理由

それでは確定給付年金(DB)を採用している企業への投資、転職、就職は要注意な理由についてみていきましょう。

運用リスクをすべて背負っている怖さ

簡単に言えば運用リスクをすべて背負ってしまっている怖さという部分です。

もし、リーマンショックのような大きな暴落がきたときが問題なのです。

そのようなときは当然自社の経営状況も厳しくなるはずです。

しかし、さらに運用している年金積立金が株価暴落により基準を下回ると、追加の掛け金を拠出して、不足分を穴埋めしなければなりません。

つまり、自社の経営状況が悪いときに多額の穴埋めの追加掛け金が発生してしまうのです。

株価暴落などで景気が悪くなるとダブルパンチを食らってしまうってこと。。。

リーマン・ショック時の私の実経験

私が昔いた会社も確定給付年金を採用していました。

しかし、リーマンショックの際に運用がうまくいかず(運用は保険会社)、さらに大量リストラを行ったことで取り崩し状態となりかなりの金額を追加掛け金が必要となりかなりピンチとなったことがありました。

リーマンショックの最中は自社の業績もかなり悪かったのでその追加掛け金負担がかなり厳しかったのを思い出します。

確定給付年金は安心だが、企業側のリスクが大きいことも知っておこう

つまり、大きな経済的な落ち込みがあると自社の経営が厳しいときに多額なお金が必要となる可能性がある確定給付年金はかなりリスキーであるということなのです。

従業員側からすれば確実に決まった金額が受け取れる「確定給付年金」の方が良いという方もお見えですが、会社が無くなってしまったらそれどころではありませんしね。

そういうのもあり最近は確定拠出年金を採用する企業が増えているのです。

ですから投資をする、転職をする、就職をするというときはその企業がどのような年金制度を導入しているのかも調べておきたいところですね。

確定給付年金を採用している企業は株価の急落の影響を受ける可能性があるということを知っておきましょう。

特に前述の日経新聞にあったように取り崩し期にはいった企業が大きいのでよりその影響は大きいものとなります。



まとめ

今回は「確定給付年金(DB)を採用している企業への投資、転職、就職は要注意な理由」と題して確定給付年金について見てきました。

確定給付年金は投資に抵抗がある方にはとてもありがたい制度です。

しかし、結局株価暴落などの際には会社に大きなダメージを与える制度ですから間接的には投資の影響を受けるんですよ。

また、運用などを委託していれば手数料がバカ高いですから効率も良くないんですよね・・・

投資や転職をする際にはその企業の年金制度は調べておきたいところ。

また、確定給付年金にお勤めの方もそのようなリスクがあることは知っておきたいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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