東京都では新築住宅に太陽光発電設備の設置義務化が検討されたり、フラット35の新ルールでZEHが優遇されるなど太陽光発電を住宅に付ける人が増えていきそうな気配です。
我が家も太陽光発電をつけています。
そこで気になったのが太陽光発電で稼いだ売電収入にかかる税金です。
せっかく稼いでくれてもそこに税金(所得税、住民税)が課せられたら魅力はかなり落ちてしまいますからね。
今回は住宅に太陽光発電をつけた場合の確定申告が必要なのかも含めて税金について考えてみましょう。
自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入の税金の扱い
それでは太陽光発電での売電収入の税金について考えてみましょう。
国税庁が公式見解を出しているんですよ。
余剰電力の売却収入については、それを事業として行っている場合や、他に事業所得がありその付随業務として行っているような場合には事業所得に該当すると考えられますが、給与所得者が太陽光発電設備を家事用資産として使用し、その余剰電力を売却しているような場合には、雑所得に該当します。
出典:国税庁 自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入
つまり、事業としてやっていたり、事業の付随業務としてやる場合は事業所得、一般の給与所得者が余った電力を売るような場合には雑所得として扱われるということです。
ちなみに太陽光発電は10kWを超えていると産業用、10kW未満なら住宅用とされます。※買取価格保証期間が異なります。
一般の住宅で太陽光発電が10kWを超えることはまずないと思う方もみえるでしょうが、太陽光発電に力を入れているハウスメーカーだと屋根目一杯に太陽光を積んで10kW超えているケースもありますね。(ただし、太陽電池が10kW超でもパワーコンディショナーが10kW未満なら10kW未満として扱われます)
言葉の意味だけ捉えると10kWを超えていると事業として判断されるかもと思いがちですが、実際は事業規模でやっているかなど実態で判断しているとのこと。
雑所得
そのため、多くの方は雑所得という扱いになるでしょう。
この場合、年末調整で所得税や住民税の計算が完了する方は売電収入による所得が年20万円を超えない限り確定申告は不要です。
逆に言えば年20万円を超えると必要となります。
太陽光発電をかなり積んでいる場合でないと超えないと思いますが・・・
ただし、他の要件で確定申告を行う場合はその収入も確定申告時に含める必要がでてきます。
例えば自営業者、副業、医療費控除、ふるさと納税(年末調整でできない場合)、初回の住宅ローン控除、給与年収が2,000万円以上の場合などですね。
また、住民税は金額に関わらず申告が必要です。
ですから20万円を超えていなくても行う必要があります。(確定申告する場合は住民税の申告も一緒に行われる)
事業所得
住宅用の太陽光発電ではよほどのことでないとそう判断されないと思いますが、事業所得と判断される場合は金額に関わらず確定申告を行う必要があります。
不動産所得
所有の物件を貸付てて太陽光発電で売電もしているようなケースは不動産所得として判断されるケースもあります。
こちらも確定申告が必要ですね。
太陽光発電で必要経費と認められるもの
なお、雑所得も事業所得も実際の税金計算では収入から必要経費を差し引いがものに税金が課せられます。
ですから認められる必要経費を知っておきましょう。
減価償却費
まずは減価償却費です。
減価償却費とは固定資産(この場合太陽光発電の機械)を複数年に分けて必要経費とするってことです。
なお、国税庁からの見解として太陽光発電の機械は17年で減価償却することになっています。
なお、減価償却費の計算上、太陽光発電設備は、太陽電池モジュール、パワーコンディショナーなどが一体となって発電・送電等を行う自家発電設備であることから、一般に「機械及び装置」に分類されると考えられますので、照会の場合、その耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第二の「55 前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」に該当し、17年となります。
出典:国税庁 自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入
ただし、以下のようなルールがあります。
必要経費に算入する減価償却費の額は、発電量のうちに売却した電力量の占める割合を業務用割合として計算した金額となります。
出典:国税庁 自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入
つまり、太陽光発電で発電した分のうち、売電した分の割合だけ必要経費ととして算入できるってことですね。
例えば170万円で購入したシステムなら単純計算で17年なら年10万円が減価償却費として計算できます。(わかりやすいように定額法、残存価格なしとしています)
発電量の半分が売電しているなら年10万円の半分5万円まで必要経費となるってことですね。
固定資産税
太陽光発電の装置に固定資産税も掛かっている場合は必要経費対象となります。
ちなみに太陽光発電の装置の固定資産税は10kW超で産業用と判断される場合は課税対象。
10kW未満の住宅用は非課税となっています。
ただし、屋根と一体型の太陽光発電設備(一条工務店など)の場合は家屋として課税の対象となります。
その他必要経費
その他に必要経費として認められるのは定期点検や清掃代、修理代、ローン利子などです。
ローン利子は太陽光発電部分だけ分けてその部分に掛かる分だけが対象となります。
必要経費を引いて判断
なお、雑収入の20万円は収入から必要経費を引いたもので判断されます。
例えば売電収入が22万円。
減価償却費が5万円なら17万円となりますので、年末調整で所得税や住民税の計算が完了する方は20万円未満ですから確定申告は不要となります。
まとめ
今回は「住宅に太陽光発電をつけた場合の税金(所得税、住民税)はどうなる?確定申告は必要??」と題して太陽光発電に掛かる所得税、住民税の扱いについて見てきました。
まとめると会社員の方でも状況によっては確定申告が必要ってことですね。
特に住民税の申告については基本的に必要ですから確認が必要となります。
住宅関連だと補助金の申告もお気をつけくださいね。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。