ここ数年間、子育て世帯・若者夫婦世帯による高い性能を有する新築住宅の取得や、 住宅の省エネ改修等に対して支援する補助金が立て続けに出ています。
「すまい給付金」、「こどもみらい支援事業」、「こどもエコすまい支援事業」、これから家を建てる人は「子育てエコホーム支援事業」ですね。
他にも「地域型住宅グリーン化事業」、「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)化支援事業」、「LCCM住宅整備推進事業」や「先進的窓リノベ」、自治体が独自にやっているものもあります。
「東京ゼロエミ住宅助成金」などですね。
私は「こどもみらい支援事業」の補助金をもらう予定でしたが、予算が予定より早く尽きてしまい早期終了しちゃって間に合わなかったんですよ。
しかし、後継補助金の「こどもエコすまい支援事業」で救済され無事100万円をもらうことができました。
そのあたりの流れはこちらの記事で解説しております。
補助金を受け取った場合の住宅ローン控除を受ける場合の手続き
まず、こどもエコすまい、こどもみらい支援事業などの補助金を受け取った場合には住宅ローン控除の手続きが多少異なってきますのでご紹介しましょう。
なお、国の補助金であるこどもエコすまい、こどもみらい支援事業以外の市や県の補助金でも同様の手続きが必要です。
住宅借入金等特別控除額の計算明細書に記載が必要
こちらはやり方は難しくありません。
住宅ローン控除を初回に受けるときに確定申告が必要で、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」という書類を作成するのですが、その際にこどもエコすまいやこどもみらい支援事業でもらった金額を記入する必要があるのです。
具体的には「交付を受ける補助金等の額」欄にもらった補助金額を記載して購入金額から控除します。
100万円もらった方はそのまま100万円と記入します。
e-Tax(電子申告)も以前と比べて使いやすくなっていますので、マイナンバーカードに電子署名を付加している方はそちらでやるのがおすすめです。
国税庁のWEBページ「確定申告コーナー」で金額を順番にいれていくだけで確定申告書類が作ることができますよ。
子育てエコホーム、先進的窓リノベは課税対象(一時所得)だが、国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書を提出することで・・・
もう一つ手続きが必要です。
それは「子育てエコホーム支援事業」、「こどもみらい支援事業」や「こどもエコすまい支援事業」、「先進的窓リノベ」、「東京ゼロエミ住宅助成金」などを受け取った場合は課税対象となり、税務上「一時所得」という扱いとなります。
一時所得は年間50万円を超える場合は課税所得として扱われますので確定申告時に申告が必要なんですよ。
つまり、税金(所得税)が取られるってことですね。
しかし、裏ワザというかそれを回避する方法があります。
これあまりアナウンスもされていないのでやっていない方も多いと思われますが・・・
国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書を提出
それは「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」という書類を提出することです。
前述したよう「子育てエコホーム支援事業」、「こどもみらい支援事業」や「こどもエコすまい支援事業」などでもらった補助金は一時所得という扱いになり確定申告が必要な所得です。
しかし、この補助金は所得税法第42条第1項に規定する国庫補助金等に該当することから所定の手続きをすると所得から除外することができるのです。
つまり、手続きすれば所得から除外できるけど、しないと一時所得と扱われてしまうってことですね。
なお、この適用を受けると住宅を売却したときなどの譲渡所得の計算にあたっては、住宅の取得価額から補助金分の控除が必要となりますのでお気をつけください。
ちなみに「こどもエコすまい支援事業」のよくあるご質問16で下記のように解説されていますね。
出典:こどもエコすまい支援事業 よくあるご質問 16
なお、「こどもみらい支援事業」、「先進的窓リノベ」、「東京ゼロエミ住宅助成金」もWEBページに同様な記載がありました。
国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書の書き方
なお、国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書の書類は税務署でも紙の書類をもらえますし、国税庁のWEBページからもダウンロードできます。
書く欄もそれほど多くないのでそれほど作成は難しくないかと思います。
なお、e-Taxで提出する場合にはダウンロードしたPDFで作成して添付は不可とのこと(国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書は確定申告等に添付可能書類になっていないとのこと)
ですからe-Taxのページから作成が必要ですのでお気をつけください。
ちなみにe-TaxでもWEB版では利用できないのでダウンロード型をご利用ください。
ダウンロード型はMAC対応していないので、私はこの書類だけは紙で提出しました笑
また、ちょっと迷うかな・・・って箇所がいくつかありましたのでご紹介しましょう。
なお、今回の書類提出にあたって、税務署に確認をしておりますが、税務署員の方もあまりメジャーじゃない書類なのであやふやな感じでした。
間違えているかもしれませんので、作成に当たっては税務署もしくは税理士にお尋ね頂いたほうが確実です。
まず、「交付を受けた年月日」と「国庫補助金等の返還を要しないことが確定した日」ですね。
「こどもみらい支援事業」や「こどもエコすまい支援事業」での書き方例はネットで検索してもみつかりませんでしたが、愛知県保険医協会が公開していた「感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金」をもらった際の記載方法が参考になりましたのでご紹介しましょう。
>>新型コロナウイルス感染症・物価高騰対応 各種補助金等の税務処理(2022年分確定申告)
そちらによると「交付を受けた年月日」は「交付決定通知書の日付」。
「国庫補助金等の返還を要しないことが確定した日」は「確定通知書の日付」。
とのことです。
私の場合、こどもみらい支援事業事務局から送付された「交付決定のお知らせ」に「交付決定日」、「こどもエコすまい支援事業振込確定のお知らせ」に「交付確定日」が書いてありましたのでそちらを記入しました。
また、「交付の目的」も分かりにくかったです。
私はこどもエコすまいの支援事業の目的に記載のあった「子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援」をそのまま記載しました。
最後は「交付を受けた国庫補助金等をもって取得または改良をした固定資産に関する明細」の種類と細目ですね。
この箇所はおそらく減価償却費に関係するところなので個人宅が該当する今回の補助金の場合にはあまり関係ないかとおもわれますが、正しく記載をするなら下記の表から該当する建物の構造・細目を記入する形になるかと思われます。
まとめ
今回は「子育てエコホーム、先進的窓リノベ(補助金)は課税対象?確定申告は必要??必要な手続きを解説」と題してこどもエコすまい支援事業、こどもみらい支援事業等で補助金をもらった年の確定申告についてみてきました。
国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書はアナウンスもほとんどされていないので知らない方も多いと思いますが、提出をすれば一時所得として扱わなくてよくなるようですので忘れずに提出しておきましょう。
詳しい内容や書き方等は税務署もしくは税理士にお尋ねください。
せっかくマイナンバーという紐付ける仕組みがあるんですから、もう少し簡単な手続きでできるようになると良いんですけどね。
なお、確定申告で税金が発生した場合の納付方法はこちらを御覧ください。
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