冬寒く、夏暑い理由は窓。窓の断熱性考えていますか?

冬寒く、夏暑い理由の大きな理由は窓って知っていました?
電気代も窓によりかなり影響があります。
今回は「窓」について考えてみましょう。

窓の性能が低いと夏は熱くて、冬寒い

私も家の購入を検討するまでは、窓なんてほとんど意識をしたこともありませんでした。

しかし、いろいろなハウスメーカーの営業さんと話すことで「窓」の家においてとても重要な問題というのがよくわかってきたんですよ。

また、窓もめちゃくちゃ進化しています。

20年前、30年前の窓と今の窓ではまったく別物といってもよい性能なんですよ。

熱の出入りの多くは窓から

日本建材・住宅産業協会のデータによると日本で一般的に使われているアルミフレームの複層ガラスの窓の場合、窓からの熱の流入出は夏が73%、冬が58%になるそう。

断熱窓の効果断熱窓の効果夏

出典:日本建材・住宅産業協会

つまり、夏は熱くなる原因ですし、冬は寒くなる原因となっているんです。

家の中で一番熱の出入りが激しいんですよ。

節電策の一つにエアコンを省エネタイプに変えるというのはありますが、それよりも安く効果があるのは実は窓の変更なんです。

窓で部屋の温度がそれほど変わらなくなるならエアコンの設定温度なども変えられますからね。

こちらの方が節電効果が高いという話もあるくらいです。

窓の種類と断熱性

窓にはいろいろな種類があります。

断熱が高い順で並べると以下の通りになります。(日本で一般的に発売されている主なものだけ)

  • 5層ガラス+樹脂製フレーム
  • ダブルLow-E3層ガラス+樹脂製フレーム
  • 3層ガラス+樹脂製フレーム
  • 3層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム
  • Low-E複層ガラス+樹脂製フレーム
  • Low-E複層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム
  • 複層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム
  • 複層ガラス+アルミフレーム
  • 単板ガラス+アルミフレーム

さらに窓と窓の間を真空にしたり、ガスを入れたりして断熱性を高めているパターンもそれぞれあります。他にも色がついていたり、遮熱、断熱などの種類があるタイプもありますので厳密に言えばさらに種類はあります。

なお、上に行けば行くほど金額もしますので、そことのバランスでどう考えるかですね。

ちなみに今日本の住宅で最もたくさんついているのは下から二番目の「複層ガラス+アルミフレーム」とのこと。

2枚合わせのガラスで、フレームにアルミが使われている窓ですね。

大手ハウスメーカーはLow-E複層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム

また、今から大手ハウスメーカーで家を建てると「Low-E複層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム」が標準品のケースがほとんどです。

2枚合わせで片面にLow-E膜という特殊な金属膜加工を施したガラスに、フレームは外側がアルミ、内側は樹脂を使ったタイプ。

意外と一番断熱性が高いものは使ってないんですよ。

いくつか理由があるようです

大手が樹脂フレームを標準にしない訳

まず、樹脂フレームを使わない理由からみてみましょう。

樹脂フレームの方がアルミフレームよりも断熱性はかなり高いです。

樹脂はアルミより1/1400熱を伝えにくいですから、断熱だけを考えれば樹脂の方が良いのです。

しかし、大手ハウスメーカーに言わせると樹脂は衝撃や紫外線に弱かったり、変形しやすいというリスクがあるようで、施工やクレームを考えると積極的に活用しにくく、内側は樹脂、外側はアルミのタイプをメインとしているようです。

最近は大手でも樹脂フレームにするメーカーも出てきていますけどね。

大手がトリプルガラスを標準にしない訳

また、3層ガラス(トリプルガラス)になると重くなり、開け締めがしにくいというデメリットもあります。

窓の場所によっては毎日の事なので結構ストレスになるとのこと。

そこでちょうどよいバランスなのが「Low-E複層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム」と考えているそう。

3層ガラス+樹脂製フレームが標準のハウスメーカーも

なお、断熱性能をウリとしているハウスメーカーでは「3層ガラス+樹脂製フレーム」や「ダブルLow-E3層ガラス+樹脂製フレーム」が標準となっているケースもあります。

UA値などの性能を示す数字も当然良くなりますから見栄えが良くなりますしね。

ちなみに某大手ハウスメーカーの展示場では断熱性能をウリのハウスメーカー対策なのか「3層ガラス+樹脂製フレーム」と自社がメインで使っている「Low-E複層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム」を実際に暑さ寒さを実験できる設備なんかもありました。

短時間で見たらそんな変わらないから「Low-E複層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム」で良いかとなるのを狙っているのでしょう。

そのメーカーでも3層ガラス+樹脂製フレームやダブルLow-E3層ガラス+樹脂製フレームに変更は可能ですがあまり勧めてないそうです。

窓の数や形、大きさも重要

他にも重要な点があります。

それは窓の数や形、大きさです。

当然、窓はいくら高性能のものを積んでも壁と比較すると断熱性は低いです。

ですから窓の数が増えれば増えるほど断熱面や気密面ではマイナスとなります。

形も重要です。

引き違い窓や掃き出し窓はどうしても隙間が生まれやすく気密性はあまり高くありません。

逆に開け締めしないFIXまどや滑り出し窓は気密性が高い傾向にあります。

また、窓の大きさもそうですね。

大きい窓になればなるほど不利です。

このあたりは日当たりの良さや景色の良さなどとトレードオフですね。

大手ハウスメーカーなどではむしろ大きな窓をウリにしているケースが多かったりしますね。

断熱性だけを考えれば窓は少ないほうが良いですし、引き違い窓や掃き出し窓は無いほうが良いです。

さらに小さい方が良いです。

しかし、それではなんだか窮屈な家になってしまいそうですね。

そのバランスを考える必要はありますね。



国あげて窓の高機能化を目指している

実は窓の高機能化は国策の一つなんですよ。

資源エネルギー庁でも窓の基準値見直し

まず資源エネルギー庁でも2030年度を目標に窓の目標値を示しています。

つまり、国としても窓の性能を上げてほしいと考えているのです。

具体的には以下の通り。

窓断熱性目標基準値

出典:資源エネルギー庁 サッシ及び複層ガラスの新たな省エネ基準を取りまとめました より

ちなみにYKKのデータによると(縦すべり出し窓のデータ)

  • 単板ガラス+アルミフレーム:6.51
  • 複層ガラス+アルミフレーム:4.65
  • 複層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム:3.47
  • Low-E複層ガラス+樹脂製フレーム:1.67
  • ダブルLow-E3層ガラス+樹脂製フレーム:0.91

とのこと。※メーカーや機種によっても数字は多少異なります。

単板ガラス+アルミフレームとダブルLow-E3層ガラス+樹脂製フレームでは断熱性能が7倍も違うんですよ。

現行の目標基準だと複層ガラス+アルミ樹脂複合フレームでもクリアできますが、2030年も目標基準だと物足りなくなりますね。

ちなみに大手ハウスメーカーが多く採用している「Low-E複層ガラス+アルミ樹脂複合フレーム」のアルゴンガス16mmタイプは縦すべり出し窓でYKK製の場合「1.89」とのことなので2030年も目標基準もクリアしています。

先進的窓リノベ事業(補助金)も

さらに補助金も出ています。

環境省の「住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等(先進的窓リノベ事業)」です。

簡単に言えば窓の性能をリフォームなどであげたら補助金を出しますよって制度です。

具体的には以下の条件となります。

既存住宅における断熱窓への改修

補助額:工事内容に応じて定額補助率1/2相当等)
対 象:窓(ガラス・サッシ)の断熱改修工事
(熱貫流率(Uw値)1.9以下等、建材トップランナー制度2030年目標水準値を超えるもの等、一定の上限を満たすもの)

出典:環境省 住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等(先進的窓リノベ事業)について より

条件を満たした窓の交換に補助がある感じですね。

補助額は窓のグレードや大きさによって異なり以下の金額となります。

住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等(先進的窓リノベ事業)補助金額

出典:環境省 住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等(先進的窓リノベ事業)について より

なお、こちらの補助金はリフォーム事業者の方々に、補助事業者として申請手続を行っていただく形です。

自分で申請することはできません。

補助金は一旦リフォーム業者に入り、値引きや現金で全額還元という形となります。

詳しくはリフォーム業者にお尋ねください。

なお、この補助金は今年いっぱいですが、後継補助金もすでに発表されています。
まだ詳細は出ていませんが、基本的には同じような条件となるようです。




まとめ

今回は「電気代の節約するなら窓が超重要。窓の断熱性考えていますか?」と題して窓についてみてきました。

家の購入やリフォームを検討したことがない方はあまり意識していなかったと思いますが、窓がかなり進化しているんですよ。

昔の窓がついている家なら窓をリフォームするだけどかなりの節電などに繋がります。

エアコンを最新機種に変えるというのも効果はありますが、コスパはこちらの方がよいかも。

補助金もありますので窓の交換を検討してみてはいかがでしょうか?

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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